やがて自分の家庭の時間を削るようになった彼女は、友人と会うのも控え、いつしか「母の機嫌を損ねないこと」が生活のすべてになっていきました。しばらくして、彼女は心身の調子を崩し、日常生活にも支障が出るようになってしまったのです。
長子の責任感と優しさから、母との共依存状態に陥り、共倒れになる……。実際、これはとてもよく目にするパターンです。
どんな人も生活スタイルを変えない
【ルール】誰もが、これまでの生活スタイルを変えない
大切なのは、仕事を持たない人であっても、介護においては「自分の生活スタイルを一切変えない」と決めることです。
介護は、家族の誰かが犠牲になって成り立つものではありません。あなたがこれまで大切にしてきた日々のルーティン、趣味の時間、あるいは単に「家でゆっくりする時間」。それはあなたという人間を保つために必要な時間ですから、手放す必要はありません。
この女性のようなケースなら、母から頼まれたときに「体調が良くないから」「子育てが忙しいから」「友人と約束があるから」などと伝えてみてはいかがでしょう。断ることを相手に納得してもらう必要はなく、サポートできないことを伝えて、話を終えるのがいいでしょう。
親が不自由を感じ、自分で「どうにかしよう」と思う機会を奪わないこと。
家族が手を出しすぎないことで、必要な公的サービスやプロの助けが入り込む余地が生まれます。
専業主婦であっても、離職中でも「一人で担うことはできません。必要な支援は地域包括支援センターやケアマネジャーに相談して、家族だけで抱えない形にしたいです」と境界線を引きましょう。
【POINT】
・やること→自分の生活時間を先に守る
・やらないこと→時間がある人に介護を押し付けない
介護しながら仕事を続けてもいいの?
Q)親の介護をせずに仕事を続けることに、罪悪感があります
A)解消するのは難しい。罪悪感とは「うまく付き合う」
「仕事ばかりしていないで、もっと親のそばにいてあげるべきではないか」、「自分は親不孝では」……そんなふうに、自分を責めてしまう人は多いものです。

