働かない宣言、スカイダイビング三昧、あり得ないほどの大食い。一流のアスリートだけれど、家庭ではあきれられている夫たち。

11月29日放送の「ジャンクSPORTS」(フジテレビ系)では、家庭ではあきれられている夫とその家族に密着した。

スタジオに登場したのは、アドベンチャーレース・田中正人さん、ベースジャンプ・久保安宏さん、カヌースラローム日本代表の足立和也選手。そして家族の心配をよそに生死をかけたチャレンジをしているアルピニスト・野口健さんはアスリートたちの“味方”の立場で参加した。

夫は「お金を稼ぐ行動を排除」

アドベンチャーレース・田中正人さん
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アドベンチャーレースとは、“地球で最も過酷なレース”と言われ、藪の中や洞窟の中などを4人1組で移動する。現在52歳の田中さんは、そんな過酷なレースで数々の結果を残した日本アドベンチャーレースの第一人者だが、実は全く働いていないという。

そんな正人さんのあきれポイント4つ。

・妻の気遣いを無視
・妻に家計を支えてもらっている
・妻はアルバイトを掛け持ち
・妻の手料理を「無駄」と発言

結婚して20年になる妻・靖恵さんと、中学1年生になる娘・徳(あきら)さんの3人家族。食事を囲む風景は、一見仲の良い普通の家族だが、靖恵さんに「苦労したこと」を訪ねると、「いいものがある」とスマホを見せる。

そこには、「今後一切働かず、トレーニングに専念する」という田中さんからの直筆メッセージの画像が。「突然言われた」と振り返る靖恵さん。紙でこの宣言を渡され、現物は「ビリビリに破いた」と話した。

田中家が暮らす、群馬県みなかみ町。山や川に囲まれたアドベンチャーレーサーにとっては絶好の環境。

5ヵ月後の大会に向け、トレーニングをする正人さんに合わせ、靖恵さんは朝4時から朝食づくり。

丁寧におにぎりを包んでいると、「これ、いらない」とおにぎりを袋から取り出し、妻の気遣いを無視。田中さんいわく、無駄を排除する行動はアドベンチャーレースの職業病とのこと。

マウンテンバイクやカヤックなどを使い、600キロ以上のコースを10日間で競うタイムトライアルレースであるため、余計なものは持ちたくないという。

40分のランニングを行い、その後、チームメンバーと合流。4年目のトレーニング生やまだ1年目のトレーニング生も。田中さんの指導をしてもらうべく、訪れるものは後を絶たない。

カヤック練習では、川の流れを読み進んでいく田中さんだが、一方でトレーニング生は失敗してしまうことも。すると、極寒の川へトレーニング生を何度も頭から放り込み、起き上がるトレーニングをさせる。

その理由を田中さんは「登山の場合は危なくても、止まろうと思えば止まれるが、川の場合は流されているので一瞬でアクションをとらないと死に至る」とトレーニングもストイックだ。

カヤック練習を終えた後は、ランニングを開始。途中、おにぎりを走りながら食べた。これもトレーニングの一環で、1秒でも早くゴールを目指すために止まって食事をとることはほぼないという。

それから到着した場所は乗馬クラブ。次回のレースを想定し、山道コースで乗馬の練習をした。

左から)ゆきぽよ、東尾理子さん、大神いずみさん

その頃、靖恵さんは、リンゴ農園で働いていた。夫の「働かない」宣言により、リンゴ農園とそば店のアルバイトで家計を支えている。

普通の家庭なら「離婚」の話が出てもおかしくはない。しかし、靖恵さんはこう話す。

「うちの父親が(田中さんが)良い人、一生懸命なのはわかったけど、どうやって食っていく?と聞いたときに、素直に『ごめんなさい、わかりません』と言っていて。(それを聞いて)私が働けばいいじゃんって思った」

夫が人生をかけてアドベンチャーレースに挑戦するのであれば、お金は「自分が稼いでサポートする」と心に誓ったという。

そんな靖恵さんの気持ちは地元の人々にも伝わり、近所から収穫で余った野菜をおすそ分けしてもらうことも。

食卓にはそんな“おすそ分け”で靖恵さんが毎日、毎食分自炊している食事を、田中さんは「“食べる時間”と“寝る時間”は時間の無駄。なしで生きていけるならなくていい」とビックリ発言。

レースに必要なもの以外は排除するストイックな姿勢を見せる田中さん。娘はどう思っているのか聞いてみると、「尊敬している」というが、アドベンチャーレーサーになりたいかと聞かれると「嫌です」と即答した。

靖恵さんも「幸せですね。断言できます。お金は大切だと思いますけど、お金で得られないものをたくさんくれる。ご支援してくれる人、チームメンバーも来てくれる。幸せの根源は“感謝”が周りにいっぱいあるから。こんなありがたいことはない。ツラいと思ったことはない」と笑った。

スタジオでは、番組MCの浜田雅功さんから「なぜ、働かない宣言を?」と聞かれると、「プロアスリートとしてやっているので、そこに集中すべき。お金を稼ぐ行動を排除した」と明かす。ゲストの東尾理子さんから「賞金は出るのか?」と聞かれると「出る大会もあるけど、参加する費用で相殺される」と苦笑した。

仕事そっちのけでスカイダイビング

ベースジャンプ・久保安宏さん

続いては、崖や建物の上から飛び出すベースジャンプの久保さん、58歳。上空から飛ぶスカイダイビングと比べ、ベースジャンプは障害物を避ける必要があったり、地面まで数秒のため、パラシュートを開くタイミングが難しく、危険度はマックス。

久保さんは、これまで憑りつかれたように飛び続け、その回数はなんと622回。そして、行き着いたのは、ムササビのような服で飛ぶ、ウイングスーツベースジャンプ。

そんな久保さんの呆れポイントは4つ。

・出勤後15分でコーヒーブレイク
・仕事そっちのけでスカイダイビング
・スカイダイビングをはしご
・働かずに飛んでいることは娘にナイショ

自宅で出迎えてくれたのは、娘・杏夏(あにか)さん、21歳。朝7時に訪れると、久保さんは「朝はがっつり食べて昼はあんまり食べない」と、朝からうなぎを食べていた。

朝食も破天荒な父について杏夏さんは「崖から飛び降りたりして一歩間違ったら危ない。前もマレーシアでベースジャンプをやっていてケガをして、家族のLINEに『死に損ないました』ってきたんですけど、本人的にはたいしたことじゃない」と語る。

娘の心配をよそに世界中を飛び回る久保さんは、プラスチック加工業を営む会社の2代目社長。社員は23人ながら、年商は3億を超える。

出勤後、メールチェックや朝の体操など分刻みのスケジュールで進む。移動する久保さんについていくと、到着した場所は実家。出勤15分で母親とコーヒーブレイクをしていた。

次に向かった先も取引先ではなかった。久保さんは仕事そっちのけでスカイダイビング。「何物にも縛られずに自由にはばたく」ことが久保さんの流儀だという。

次こそ仕事かと思いきや、スカイダイビングのはしご。出社前には「一生懸命仕事をしていますよ」と自信たっぷりに話していたが、飛びまくっていた。

たった1つのミスで命を落としかねないベースジャンプに毎日の訓練が必要だというが、父親の1日を杏夏さんに告げるとあきれ顔。「働かずに飛んでいること」は娘には内緒だった。

そんな久保さんには、「娘と一緒に飛ぶ」という大きな夢があった。しつこく誘い続け、半ば強引に杏夏さんを飛行場へと連れ出し、まずは自分が飛んでいる姿を見せることに。

実は杏夏さんは、4歳のときに父親に室内スカイダイビングで飛ばされたことがトラウマになり、高いところが苦手だといい、大人になってはじめて父親の飛ぶ姿を見た。

すると、楽しそうに飛んでいる父親を見て、心境にも変化が生まれ、「やりたい気持ちが勝っている」と明かすと、さっそく飛んでみることに。インストラクターから説明を受け、父親と一緒に高度4000メートルからのスカイダイビングに挑戦。「鳥みたい!楽しかった!」と笑顔を見せた。

スタジオでは、久保さんは娘と飛ぶという夢がかなったことで嬉しそうな笑顔を見せ、「娘はすでに練習を始めた」と日々トレーニングしていることを明かした。

大食いの夫にあきれ顔の妻

カヌー・足立和也選手

カヌースラロームで東京オリンピック日本代表に選ばれた、足立和也選手、30歳。

高校生の頃から数々の大会で優勝し、昨年には念願の東京五輪日本代表の切符を手に入れた。

そんな足立選手のあきれポイントは4つ。

・毎日お昼と夜、計8人前のご飯を食べる
・練習場所に合わせて2ヵ月に1回引っ越し
・別宅を妻に見せない
・家に居なさすぎて子どもが父親を見て泣く

練習は朝9時から11時と、午後3時から5時の1日2回に分けて行い、朝練を終えると、昼食のために必ず帰宅する。

この日の昼食はうどん。妻・れみ奈さんと3歳の娘と一緒に、足立選手は4玉のうどんをたいらげた。

れみ奈さんは「12時くらいに帰ってきて、毎日4人分の昼食を作ります。晩ご飯も和物を中心に、お米は五合炊いています」と苦笑する。

足立選手は妻があきれてしまうほどの大食いで、お昼と夜で合計8人前のご飯を食べるという。

妻がいないときの食事はお弁当。この日は、昼食に親子丼、カレーライス、サバ弁当と3つの弁当を食べた。どれだけ食費がかさもうが、食べる量は減らせないという。

「体重の維持が難しい。食べないとどんどん痩せていく。水に浮いているスポーツなので、浮力の変化にすごく敏感。体重200~300グラム減ると変化が分かって、500グラム減ると進み方もタイムも違う」

わずかに体重が減るだけでタイムが落ちてしまうため、適正体重の71.5キロを保ち続けるために食べているという。

さらに、妻があきれてしまうのは食事だけではなかった。

れみ奈さんは「昨年は2ヵ月に1回引っ越しがあって。主人の練習場所が変わって、山奥に住んだり、海外に住んだり。知らない環境で誰も知らない人たちと本当に友達もできず、過ごしました」と話すように、かなりの頻度で引っ越しをしたという。

また、足立選手は月に2度ほど、妻を東京に置いて、山口県萩市に通っている。萩市で家を1軒、賃貸で借り、その家を見せてくれないことをれみ奈さんは不安に思っている。

足立選手は「見せるような所ではない」と主張するが、れみ奈さんは「気になる」とこぼす。

そこで番組では、萩市で行うトレーニングに同行。カヌーを運ぶため、1000キロの道のりを車で移動する。

足立選手がれみ奈さんに見せなかった家は、山奥にポツンとたたずむ長屋。家賃は月7000円。キッチンに加えて6畳のリビングにはベッドなどがあるだけだった。

長屋を借りている理由は、目の前にキレイな川があるから。阿武川ダム麓にある特設カヌー場でダムの放水を利用した激しい水流コースで練習している。特設カヌー場は、設計から関わっているという。

ここで、重心移動を巧みに行う脅威のバランス力やどんな激流でもカヌーを操る技術を身に付けた。

「人工の中と自然の中では感じることが全然違うので、気持ちいい。川を見たら(カヌーに)乗りたくなっちゃいます」

大自然の中で、ここでしか積めない実践的なトレーニングのために、時には1週間、家族と離れて練習に没頭することも。

結婚して4年が経ち、あまりにも家にいないせいで3歳の娘は、「パパって分からなかったですもん。帰ってきたら怖くて泣いているんですよ。誰か来たって。それも大変でした」とれみ奈さんは振り返る。

カヌーに人生を捧げる足立選手にオリンピックへの思いを聞くと、「僕はまだ発展途上の選手なので、1年延びたことによって、成長できる部分がたくさん増えて、1年間の準備期間でもう1個上にいけるように頑張りたい」と前を見据えた。

(『ジャンクSPORTS』毎週日曜日夜7:00~8:00放送)