進む認知工作、宣伝工作
一方で中国側の宣伝工作、認知工作は今回も見られた。首脳会談で習主席が台湾独立に反対するようトランプ氏に求めた発言は、中国の新華社通信などが早々に伝えた。25日未明から26日にかけて、各メディアが報じた見出しやタイトルはほぼ全て習主席の台湾に関する発言だ。
中国の台湾に対する立場は言うまでもないが、繰り返し伝えられることで、その「こだわり」が刷り込まれていく寸法だ。

政権がメディアの厳しい眼にさらされる日本やアメリカと違い、中国メディアは政府や共産党の宣伝機関である。夜中でも習主席の発言をいち早く、また大々的に報じ、世論に訴えかける手法は今に始まったものではない。
実は中国が台湾のことを「核心的利益」と言うのも「せいぜい10数年前から使われ始めた言葉」(日中関係筋)だという。そもそも領土を巡る問題は中国に限らず、どこの国でも最も重要かつ基本的な利益である。
日本語であまり使わない「核心的」という言葉を見慣れ、使い慣れ、また聞き慣れている時点で中国の認知工作に無意識に乗せられている可能性がある。

トランプ氏の「中国との同盟国」発言や「台湾への武器売却がディールの材料になる」との意向も加えて考えれば、中国のしたたかさが透けて見える。

