「中国にとって首脳会談は、日本が考えるよりもっとロマンチックなものだ」とあるチャイナスクール(中国語を専門にする外交官)から聞いた。
首脳会談を「ロマンチック」と表現することに驚きも覚えたが、会談の雰囲気や首脳同士の相性を重視することの表れなのだろう。
同じ漢字を使って意思疎通する日中両国だが、その習慣や思考には多くの違いがあり、遠く海を隔てたアメリカとの違いは言わずもがなだ。中国の行動様式から見る米中、日中の“すれ違い”とその現状を考える。
中国で大事な「大環境」と「定位」
5月と9月、2回の米中首脳会談で中国側が強調した「建設的戦略安定関係」は、日本語の意味は理解出来ても、その意義や目的に疑問を感じた人もいるだろう。

中国はまず、相手国との関係を大枠でどう捉えるかが大事なポイントになる。
環境や大局といった意味合いで中国語では「大環境」と呼ばれる。その中で相手との関係をどのように位置づけ、どう付き合うのかを定めていく。これは中国語で「定位」。この「大環境」や「定位」が定まれば個別の政策や課題も自然に動いていく。
習近平国家主席が首脳会談で使った「建設的戦略安定関係」は、中国がアメリカとの関係を位置づける大事な基盤、基礎である。

ちなみに日中関係では第一次安倍政権時代に提唱された「戦略的互恵関係」がこれにあたる。日本では仏を作っても魂を入れるかどうかが大事だと言われるが、中国では魂を入れる仏、いわば「ハコ」も大事だ。

