去年の国勢調査で富山市が総務省に対し、人口を実態より「多く」報告していた問題について、一体なぜこのような問題が起きたのか、そもそも国勢調査の目的とは、国の有識者会議のメンバーの聞きました。
*国勢調査有識者会議 メンバー 天野馨南子さん
「どうしてもヒューマンエラーというのが、以前に比べると起こりやすくなっている。速報値はこうだけれども、最終的な確定値は違う。これはもう普通に起こる。1700以上自治体があるが、全く珍しいことではない」
国勢調査に関する国の有識者会議のメンバーを務める、天野馨南子さんです。
去年行われた「国勢調査」で、富山市の人口は、速報値で40万2133人と公表されましたが、「報告された数字に間違いがあるのでは」と総務省の指摘を受けました。
5年に1度行われる「国勢調査」は人口や世帯の実態を明らかにする国の最も重要な統計調査です。
住民基本台帳では、国民が「住民票を届け出た場所」は把握できますが、「実際に住んでいる場所」は国勢調査でしか把握できません。
産業・職業別の就業者数や昼間と夜間の人口の違いなど、実態に応じた街づくりや福祉対策など行政サービスを行うための指標となる数字です。
*国勢調査有識者会議 メンバー 天野馨南子さん
「家族実態を知る。子供と住んでいる18歳未満の子供であるとか、専業主婦であるのか、共働きであるのか。細かく見る集計」
国勢調査は統計法に基づき、国内に住むすべての人に回答する義務がありますが、今回の回答率は全国で8割にとどまっていました。
回答が得られない世帯には、統計調査員による聞き取りや、住民基本台帳を照らし合わせ記入する作業が行われ、天野さんはこうした過程の中で、ミスが起きているといいます。
*国勢調査有識者会議 メンバー 天野馨南子さん
「高齢化社会の中で、回答者が勘違いしてしまう割合も多発している。例えば速報値と確報値の違いが出てしまうエラーは、高齢者が介護施設から回答し、自宅からも回答して、ダブルでカウントされてしまうことは非常に多い。こういったものもしっかりチェックしなければならない。かなり時間がかかる」
また、回答がない世帯の回収に回る調査員の高齢化も進み、集計ミスが起きているといいます。
国は、QRコードを使うなど、回答率の向上に努めていますが...。
*国勢調査有識者会議 メンバー 天野馨南子さん
「QRコードの回答率も前回より上がっているが、まだ認知度が足りてない部分もある。郵送で返す人は、QRコードから個人情報を取られるのではと塗りつぶしてしまったり。自動的な集計ができなくなるので、それがまた手作業になってしまう」
また、国は2030年の調査で、住民基本台帳やマンション管理組合が持つ住民情報などを参照できるなどの方策を検討しています。
天野さんは国勢調査の目的を改めて理解してほしいと話します。
*国勢調査有識者会議 メンバー 天野馨南子さん
「(国勢調査は)皆さんが出した税金を元に、国が公共的なサービスや保障をフィードバックするための、1番の起点となる素材のデータ。税金に無駄がないようにするための調査だと受け止めれば、正確に回答することの大事さが分かっていただけるのでは」
市は誤差があった具体的な人数や原因については、総務省の審査結果を受けて明らかにするとしています。
