豊田真由子衆院議員、暴行・暴言問題で自民党に離党届

 
 
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自民党の豊田真由子衆院議員が、秘書に暴言を吐いたうえ、暴行を加える様子を22日発売の週刊新潮が報じた。そして昨夜、豊田議員は自民党に離党届を提出した。

都議選に向けて直ちに収拾しなきゃマズイ問題で、おそらく豊田議員に対して「離党しなければ除名する」などと、厳しいことを言ったのだろう。しかし、このような人はなかなか辞めないし、その人の自由なので議員は続ける。

 
 

資質に欠ける国会議員が出てくる2つの理由

議員としての資質が欠ける人が最近多く、議員の品質管理をしろという声があるが、このような人が出てくるのには2つ理由がある。

理由1 議員になるべきではない人が議員になる“水ぶくれ”

1つ目はいわゆる“水ぶくれ”。強い政権だと衆議院選挙で勝てる。そして過半数を取り、安定多数を超えて、3分の2くらいになるとだんだん議員になるべきではない人がなってしまう。“小泉チルドレン”“小沢ガールズ”“安倍チルドレン”“橋下チルドレン”、そして、今度出る“小池チルドレン”などユニークな人が議員になっていた。

豊田議員は2012年の衆院選なので“安倍チルドレン”。“小泉チルドレン”の杉村太蔵さんは、議員になった時にいきなり「2500万円も給料もらえるんですか?」と発言したり「料亭に早く行ってみたい」などと言って怒られた。本来議員になってはいけない人たちがなってしまうのがこの「水ぶくれ問題」だ。

理由2 “議員公募”の是非 公募ではない議員にも“不適任者”

2つ目は、公募の是非。つまり公に議員を募集することの是非だ。公募については以前、宮﨑謙介さんがイクメンで育休が取りたいと言っておきながら、浮気していたというとんでもないことがあって議員辞職した。国会議員なのに育休とは何だというところもあったが、国会は男社会なのでそういうところで一石を投じることは非常に意味があるのでいいことだと思っていたのに不倫をしていた。

彼を面接した人に聞くと、宮崎さんは、ルックスも良くしゃべりもうまい、学歴も良いため政治家になるべき人だと当時思った。

それまで、京都は前原さんなど民進党が強く、自民党に新しい人が出てこなくて、なかなか良い人がいなかった。そのため、彼が出てきた時「良かった、この人しかいない」と思って出した。選挙をやっても馬力があって選挙には勝ってきたが、いくら優秀でも有権者や秘書とのコミュニケーションが上手くとれなかった。

最近は公募見直し論が出ていて、公募するよりも2世や秘書出身者、または地方議員出身者のほうがいいのでは、業界経験も長いことなどからも、うまくいくのではという人もいる。

しかし、そう思っていたら中川俊直さんの不倫問題があった。大西英男さんは地方議員出身だが「がん患者は働かなければいい」発言するなど、公募じゃない人でも適任とは思えない人がいた。

いい人材が議員にならない。豊田さんは桜蔭から東大法学部、国家公務員の上級職、厚生労働省に入って、ハーバード大学に行くという超エリートだが、イコールいい政治家とは限らない。つまり本当に政治家になったほうがいい人、優秀な人は政治家にならない。

政治家は魅力のある職ではないということ。では待遇をよくすればいいのか。年収5000万にするということにもいかない。

“品質管理”唯一の方法は有権者が判断すること

唯一の“品質管理”の方法は有権者がきちんと判断すること。適任とは思えない議員は落選させる。おかしいのは議員の資質がないと思われる人が、次も議員になったりしていること。つまり有権者は何も考えずに投票している可能性がある。

たとえば自分が自民党支持だとする。自分の選挙区で自民党議員がひどいことをした。

その際は小選挙区を棄権して、比例だけ自民党に入れる。もちろんその人が比例復活する可能性もあるが、当選の可能性は下がる。有権者が人本位で選んでだめだと思ったら投票しない、これしかない。議員を甘やかしている。勉強会しても資質は変わらない。

豊田さんは会見もせずこの話もこれで終わりだろう。都議選に直接リンクしているとは言えないが、長引かせるよりは早く幕引きしたほうが都議選に影響は少ないという判断だろう。

平井文夫
平井文夫

言わねばならぬことを言う。神は細部に宿る。
フジテレビ報道局上席解説委員。1959年長崎市生まれ。82年フジテレビ入社。ワシントン特派員、編集長、政治部長、専任局長、「新報道2001」キャスター等を経て現職。