![]()
※メンバーズデータアドベンチャーカンパニー 社長 庄島 学(左)、データ活用支援サービス本部 マネージャー 谷口 啓(中央)、執行役員 データ活用支援サービス本部 本部長 兼 AX本部 AX室 室長 吉川 寛(右)
生成AIの導入が進むなか、多くの企業が「AIを導入しても期待通りの結果が出ない」という課題に直面しています。メンバーズでは、2026年8月18日に「AI Readyデータマネジメント常駐支援サービス」をリリース(※1)。現場に常駐して「業務の文脈(コンテキスト)」と「データ」を繋ぐアプローチが、なぜ生成AIによるビジネス成果の創出に貢献し、企業の意思決定変革の鍵となるのか。執行役員 データ活用支援サービス本部 本部長の吉川 寛、サービスを開発したデータ活用支援サービス本部 マネージャーの谷口 啓、データ領域プロフェッショナル常駐サービスを提供する社内専門組織 メンバーズデータアドベンチャーカンパニー 社長の庄島 学がその理由やサービス開発秘話について語ります。
AIブーム以前から部門の狭間で抜け落ちていた「データマネジメント」
―― データアドベンチャーカンパニーは、AIブームのはるか前から、データ領域のプロフェッショナルがお客さまの現場に常駐し、データと向き合ってきました。カンパニー社長の庄島さんも2020年からデータサイエンティストとしてお客さまの支援をされていましたが、当時はどのような状況でしたか?
庄島:当時、データマネジメントという概念はあまり理解されておりませんでしたが、 データの品質が低いために分析精度が落ちたり、部門間でデータの定義が違ってハレーションが起きたりすることはよくありました。機械学習をビジネスに適用する先端的な動きもありましたが、整備されていないデータを使おうとすると、どうしても「間違った結果」を導き出してしまいます。また、DXの推進に伴い取得できるデータ量が爆発的に増えるなかで、データ品質の担保と管理コストの維持は大きな課題でした。
谷口:私が支援していた小売企業では、キャンペーンの名前がそのまま商品名としてデータ登録されていることがありました。プロモーション情報と、商品を売るという「実務データ」が混ざってしまっていたんです。これでは、どの商品がどれだけ売れているのか、どのキャンペーンの効果なのかを正しく測定できません。本質的な解決にはデータモデルの再設計が必要でしたが、多額の予算や方針変更が伴うため、個別具体の整備と全体最適のバランスにお客さまも迷われていました。
![]()
※「AI Readyデータマネジメント常駐支援サービス」のサービス開発を担当した谷口 啓
庄島:
なぜこうした問題が解決されなかったのかといえば、真っ向から取り組める人材が技術的にも組織ミッション的にもおらず、部門の狭間でデータマネジメントが抜け落ちていたからです。私たちは取引先企業への常駐を通じて「部署間にある誰かがやらなきゃいけないこと」を拾い上げてきましたが、今振り返るとその多くがデータマネジメントと言われる仕事でした。AIが企業の業務に深く取り入れられるようになった今、この「データマネジメントの不在」という問題が、より致命的なものとなっています。
AIを導入したのに成果が出ないのはなぜ?AIの組織的活用でぶつかる「3つの課題」
―― そのような状況からAI時代へと突入したことで、現場にはどのような新しい課題が現れたのでしょうか?
谷口:多くの大企業は何かしらのAIを導入していますが、組織全体で業務プロセスに組み込むとなると、データエンジニアが発生ベースでデータを整備するやり方では通用しません。現場には「データを綺麗にしなければAIの回答精度が上がらない」という課題感はあっても、「じゃあ具体的に何からどう進めたらいいのだろう」と迷走しているのが実態です。
なぜかというと、ファーストアクションとして何をするべきか、どこをゴールにするかが整理できていないからです。とりあえず「業務効率化」にゴールを置きがちですが、これだけでは本質的な事業貢献には繋がりません。また、現場は上から「AIエージェントで何かやって」と指示されて困り果て、データ品質が低いまま実装して成果が出ないという負のスパイラルに陥っています。
庄島:これに関しては課題が3つあると考えています。1つ目は「AIをどの業務プロセスに適用するか」、2つ目は「AIが参照するデータの品質をどう担保するか」、3つ目は「成果を出したあと、どう他部門へ広げるか」です。
さらに、プロジェクトに求められるスピード感が以前とは全く変わっています。以前はPoCで半年ほど検証できましたが、今はもっと短期間で具体的な成果を出すことが求められます。
![]()
※メンバーズデータアドベンチャーカンパニーのカンパニー社長でありデータサイエンティストの庄島 学
ビジネスの「コンテキスト(文脈)」を整える「AI Readyデータマネジメント」とは
―― そうした状況を解決するためにリリースされたのが「AI Readyデータマネジメント常駐支援サービス」ということですが、従来のデータマネジメントとは何が違うのでしょうか。
谷口:本サービスは、データマネジメントを単なるデータ整備施策ではなく、AIによる業務改善から意思決定変革までを支える土台として位置づけています。
最大の特徴は、「1つの業務から小さく実践すること(スモールスタート)」です。 最初から大風呂敷を広げて全社のデータ基盤を構築するようなアプローチはしません。それよりも、成果に繋がりやすい「最初のユースケース」を絞り込み、徹底的にスコープをコントロールします。さらに、実際に現場でAIを活用しながら現場の細かな違和感やフィードバックをリアルタイムにキャッチし、その活用で得たフィードバックを全社的なデータ・AIガバナンスに反映させていきます。これにより、現場に寄り添いつつ全体的な統制も取れるAI活用の土台を作っていくことができるのがこのサービスです。
―― なぜ「AI活用」に「データマネジメント」を接続させる必要があったのでしょうか?
谷口:AIが数字の「意味」を正しく解釈するためには、AIが参照できる形で「ビジネスのコンテキスト(文脈)」を明示的に整理・定義する必要があるからです。
以前から業務や部署ごとにデータ定義がズレていることは現場で痛感していましたが、「AI活用においてなぜデータマネジメントが必要なのか」という問いは、世の中に十分認知されていませんでした。そこで着目したのが、この「ビジネスのコンテキスト」という概念です。ここでいう「コンテキスト」とは、業務マニュアル、指標の計算ルール、用語定義、例外処理の履歴など、すべて文字や数値として書き出される実在のデータです。これらを明示的に整理・定義し、AIが参照できるように整えなければ、AIは数字の意味を正しく解釈できません。
―― 具体的にはどのようなものが業務コンテキストになるのでしょうか。
谷口:たとえば「今月の売上が前年比10%減少した」というファクトがあっても、それが季節変動なのか特定商品の販売終了なのかで意味は180度変わります。データの背景にある情報こそが業務コンテキストです。これまでは社員が暗黙知として処理していましたが、AIがデータを直接読み込んで仕事をする時代になり、その方法は通用しなくなりました。データをAI用に整理することで、人とAIが同じ前提で実務に活用できる「AI Ready」な状態を目指します。弊社の支援では、AI・データの専門人材が企業の現場に常駐し、関係部門をつなぎながら、AI活用ユースケースの実行、改善、ルールや運用の整備、運用定着まで伴走しています。
![]()
週1回の会議では見えない現場の「暗黙知」を拾う常駐支援スタイル
―― メンバーズが提供する「取引先企業への常駐による伴走スタイル」は、コンサルティングやベンダーと比べてどのような強みを発揮しているのでしょうか?
吉川:私たちは日々お客さまの隣にいます。一緒の会議に出たり、同じ仕事をしたり、雑談をしたりしています。週1回1時間のミーティングだけで要件を決めて納品する、といったスタイルでは状況変化を捉えることはできません。要件定義書に載ることのない現場のコンテキストは、日々隣にいて一緒に考えて初めてキャッチできます。
![]()
※データ領域とAI領域におけるサービス開発、事業戦略を担う吉川 寛
なぜ「専門家への丸投げ」は失敗するのか?内製化のカギは現場の「ドメイン専門家」
―― 本サービスでは、お客さま側の「ドメイン(業務)専門家」をプロジェクトに巻き込み、密に連携することを重視しています。なぜでしょうか?
吉川:私たちはデータマネジメントの専門家でありお客さまの「業務の専門家」ではないからです。現場のドメイン専門家は業務判断ができることが当たり前すぎて、自らの知識を言語化せず暗黙知化しているケースが多々あります。そうしたドメイン特有の情報を、対話を通じて「それって実は御社独自の重要な判断ルール(コンテキスト)ですよ」と引き出すことで、我々はデータに背景を持たせることができます。
谷口:現場のお客さまと一緒に明らかにしたいことは、データマネジメントやAIのことではありません。「昨日の業務でなぜその判断をしたのか」「マニュアルと異なる例外処理をした背景は何か」という生々しい業務の背景です。これは、お客さまとしかできないことです。言語化のサポートは私たちが担います。
外部のデータの専門家に任せるだけでは、その専門家が抜けた瞬間に組織に何も残らず元通りになってしまいます。お客さま側のドメイン専門家を巻き込むことで、ノウハウが組織に定着し、最終的な「内製化」へと繋がっていくのです。
「やりきるAX」の実現へ。AIを企業の「意思決定パートナー」にするには
―― 最後に、この「AI Readyデータマネジメント常駐支援サービス」が、メンバーズが2026年8月4日にリリースしたAIサービス群「やりきるAX(AIトランスフォーメーション)」のビジョンとどう結びつくのか教えてください(※2)。
吉川:世の中では「AIを導入した・効率化した」という段階で満足して終わってしまうケースが後を絶ちません。私たちが目指すのは、AIが実際の業務プロセスや日々の意思決定に組み込まれ、確かなビジネス成果を生み出し、更なる投資を促し続ける状態です。それこそが、メンバーズが掲げる「やりきるAX」のビジョンです。
今回の「AI Readyデータマネジメント常駐支援サービス」は、まさにその「やりきるAX」を現場で実現するための土台です。データやコンテキストに不備があり、AIが出す結果が信用できない状態では、実務の意思決定には使えません。私たちが現場に常駐し、お客さま側のドメイン専門家と二人三脚で業務コンテキストを定義・整備する。そうしてAIを「信頼できる意思決定のパートナー」へと育て上げていきます。
![]()
さいごに
「AI Readyデータマネジメント常駐支援サービス」は、データとAIの推進・運用体制を継続的に改善するとともに、全社的なデータ活用方針やAI活用方針との整合を図り、他の業務や部門への展開を見据えてデータマネジメントを高度化することで、AI活用によるビジネス成果の創出に貢献します。
※1:業務改善から意思決定まで、AIの業務実装に向けたデータ環境づくりを支援。「AI Readyデータマネジメント常駐支援サービス」提供開始(2026年8月18日)
・URL:https://www.members.co.jp/company/news/2026/0818
※2:現場部門起点で部門間・経営へとAXを促し、事業変革を実現するAIサービス群「やりきるAX」を提供開始。当事者型伴走で変革サイクルを継続駆動(2026年8月4日)
・URL:https://www.members.co.jp/company/news/2026/0804
「AI Readyデータマネジメント常駐支援サービス」の詳細
▼本記事の完全版はこちら
AI Readyデータマネジメントで「成果を生むAI活用」へ。現場常駐でビジネスとデータを繋ぎ、企業の意思決定を革新するメンバーズの挑戦
・URL:https://www.members.co.jp/column/20260915-aiready-data
行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ
