![]()
リゾートの景色の中に広がる、北海道の豊かな原風景。青空のもと牛たちがのびのびと過ごすファームエリア
‐豊かな海鮮、大地の実り、そして澄んだ空気のなか広がる酪農風景‐
「北海道」と聞いて私たちが思い描くのは、恵まれた大自然と、そこで育まれる美食の数々です。
しかし、星野リゾート トマムで提供する「ファームアフタヌーンティー」は、そうしたイメージを遠くから眺めるだけの旅では終わらせません。
約100ヘクタールにおよぶ広大なファームエリア。秋には白樺の黄葉が風に揺れ、牧草地では牛たちがのびのびと過ごす穏やかな時間が流れています。そこに用意されたタープつきの特等席で味わうのは、この土地で育まれた生乳から作られた出来たてのバターとスコーン、そして自家製チーズを用いた彩り豊かなスイーツたち。
一口味わえば、ミルクの濃厚でピュアな甘みと、トマムの大自然の香りが口いっぱいに広がります。
「誰もが憧れる北海道の酪農風景の中に自ら飛び込み、目の前の牛たちから贈られた恵みを、その風と空気の中で味わう」
単なる優雅なティータイムではなく、北海道の魅力を「風景」と「食」の両面から五感で体感する体験がここにあります。
しかし、この体験が生まれる背景には、一度は失われかけた土地の記憶を取り戻し、届かぬ牛乳の魅力を届けるための知られざる試行錯誤がありました。
![]()
秋めく広大な牧草地をバックに味わう『ファームアフタヌーンティー』。ファーム星野の乳製品で作られたスイーツやセイボリーがスタンドを彩る
ゴルフ場から「ファーム」へ、そして届かぬ牛乳の魅力
かつては約700頭の牛が飼われ、農業が営まれていたといわれる北海道・トマムの地。
リゾート開発によって一時はゴルフ場へと姿を変えたこの広大な土地を、本来の美しく持続可能な農場へと再生させるプロジェクト「ファーム星野」が2016年に始まりました。
ファームが始動した当初は、土壌調査、開墾、牧草の播種など、まずは土壌を作るところから。5頭の乳牛を受け入れ、初めてトマム牛乳生産を開始したのは2018年、プロジェクト開始から約2年が経っていました。
そこから少しずつリゾート内のレストラン、カフェなどで牛乳やチーズの提供を増やしていましたが 、
「この土地だからこそ生まれる豊かな味と感動を、どうすればもっと客さまに届けられるのだろうか」
チームの模索は続いていました。
![]()
プロジェクト発足当初 ゴルフ場をトラクターで耕していく様子
「食べるバター」の誕生と、届かない想い
そんな模索が続いていた2022年。
始まりは、レストラン・カフェなど施設全体のトマムの食をけん引するチームで働く梶原 萌の個人的な食事体験でした。
「街場のビストロで食べたイチジクバターが本当に美味しかった。あの感動を、トマムの牛乳で形にできないだろうか」。
その一つのひらめきから、ファームの牛乳から作る自慢のバターと秋の味覚を掛け合わせた『食べるバターアペロ』の開発がスタートしました。
ファーム星野のスタッフと相談しながら、夏と秋冬で食べた牧草によって風味が変化するトマムの牛乳に合わせて、職人が練る温度を微調整しながら納得のいく美味しさを追求しました。
![]()
食べるバターの試作品。大きさや口に入れたときの舌ざわりなど試行錯誤を重ねた
しかし、いざ提供開始してみると想定外の壁にぶつかります。
自信作のバターアペロの提供数が伸びなかったのです。
「私が感動したイチジクバターの再現まではいかずとも、北海道らしい素材を使った納得いく美味しさのバター10種ができたんです。でも「蟹と昆布」や「鮭と柚子」など、組み合わせが意外すぎて、やっぱりその手に取る勇気が出なかったのかもしれません」
そう梶原は当時を振り返ります。
「おつまみとしてバターを味わう」という新しいスタイルは、当時の顧客にとって馴染みが薄く、思うように予約が入りませんでした。「本当に美味しいものができた」という自負があったからこそ、手に取ってもらえないもどかしさと悔しさがチームに残りました。
「ファームアフタヌーンティー」への転換と新たな課題
![]()
牧場に合うアフタヌーンティースタンドを検討中
「もっと多くのお客さまに、ファーム星野の乳製品の美味しさを届けたい」。
2年目、チームは諦めずに次の一手を模索しました。施設として力を入れておりゲストからの人気も高かった「チーズ」を活用すること、そして当時巷で流行していた「アフタヌーンティー」というスタイルに着目したのです。
「トマムのファーム星野の乳製品を惜しみなく使ったアフタヌーンティーを作ろう」
コンセプトを一新して生まれた『ファームアフタヌーンティー』は、大きな反響を呼び、初年度から予約が殺到する人気コンテンツとなりました。
しかし、ここでまた新たな壁が立ちはだかります。
![]()
開放的で気持ちの良い空間だが、雨が降った日には…
初期の提供方法は、ファームエリアの草地に簡易的な机と椅子を置いただけのものでした。屋外だからこそ雨が降れば開催できず、持ち帰り用BOXに入れてのお渡しし、お部屋での召し上がりに振り替えざるを得なかったのです。
「ただ料理を室内で食べるだけでは、私たちが一番届けたかった『トマムの原風景を五感で感じてもらう』という本質的な価値が達成できないのではないか」
天候に左右されるもどかしさに、チームは再び向き合うことになりました。
原風景と命を五感で味わうストーリー
2年目はタープを貼って雨と日差しを遮る空間に!
「どんな天候でも、最高のロケーションで原風景を感じてほしい」。
そこでチームは、日差しや雨を遮る頭上のタープを配した空間を作り上げました。
さらに、ティータイムを単なる「食事の時間」で終わらせないための体験設計を見直しました。
テーブルにつく前、ゲストは約100ヘクタールの広大なファームエリアをコンシェルジュが運転するカートに乗って巡ります。白樺の黄葉が揺れる心地よい風を感じながら、「ファーム星野」の乳牛の特徴や飼育方法、乳製品づくりに込めたこだわりについて話を聞く時間です。
のびのびと過ごす牛たちの姿に出会い、その背景にある命の物語を知ったうえで特等席へ着く。だからこそ、目の前で味わうバターやチーズの美味しさは、ただの「料理」ではなく「大地と命の恵み」として心に深く刻まれるのです。
「今食べている美味しさが、どこから来て、どのように育まれたのか」をゲスト自身が五感で実感し、大切な人と会話を弾ませる『ファームアフタヌーンティー』。
一度はゴルフ場となった土地が原風景を取り戻したように、人の情熱と自然の恵みが織りなすストーリーは、これからもトマムの風とともに語り継がれていきます。
![]()
行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ
