新米の季節を前に25年産のコメ余りが懸念される中、JAや卸売業者などによるコメに関する懇談会が開かれた。卸業者からは「生産者から消費者まで誰も得をしていない」とコメをめぐる環境に対し、厳しい声が上がった。
■「この2~3年、誰も得をしていない」
新潟市で開かれた新潟米懇談会。新潟県内各地のJAグループや県、コメの卸売業者など約50人が参加した。
JA全農にいがたの伊藤能徳会長や花角知事が冒頭、「生産者・消費者ともに納得いく価格の形成が必要」と訴える中、全国米穀販売事業共済協同組合の山崎元裕代表理事会長は挨拶で「この2年、あるいは3年見て、誰も得をしていない。生産者、そして消費者もそれぞれの団体で、今まで通りではもう済まない時期にきていると思う」と訴えた。
■卸売業者から不安の声“過去に経験のない在庫量”予測
卸売業者からの厳しい言葉で始まった懇談会。
コメをめぐる最新の情勢として、26年産のコメの生産量、今後の需要量、備蓄米の買い戻しなどを加味しても、27年の6月末の在庫が26年の在庫を40万トン上回る、最大280万トン強と過去に経験のない在庫量になるとの予測が発表された。
JA全農からは「最終的に産地と実需者が結びつくような取り組みをしていくことが必要」との話も出たが、意見交換では卸売業者から切迫感を持った発言が相次いだ。
「直近ではこのコメ余りの状況がすぐに解消されるとは当然思っていないが、中長期で見た場合は、離農の影響でいずれまたコメ不足になるのではないか」「政府による備蓄米の21万トンの買い戻しが完了しても、まだ過剰状態が解決しないと心配している。備蓄米の残り38万トンについても早期に買い戻しが実施されるよう国に働きかけていただきたい」
JA全農からは厳しい販売環境にあるが、消費者に新潟米の魅力を訴求していくこと、政府に対し、さらなる備蓄米の買い戻しを要請する考えが示された。
■仮渡し金の追加支払い「断定できない状況」
また、25年に比べ、大幅な減額となった仮渡し金の追加支払いについて問われたJA全農にいがたの伊藤会長は「全国の作況や備蓄米の買い戻し、状況が許せば追加払いができればと考えているが、今現在ではなかなか断定はできない状況」と説明した。
コメ不足から一転、コメ余りの現状にどう対応していくのか…政府の対応が注目される。
