コメ不足から一転、コメ余りによって農家が懸念しているのが、コメ価格の下落だ。新米の季節となったが、市場では古米と新米の価格が逆転し、古米の方が高くなっているのが現状だ。JAから農家に支払われる仮渡し金も減額される中、稲刈りを控える農家の思いを取材した。
■コメ農家 “価格下落”を懸念
日本有数のコメどころ・新潟県南魚沼市でコメ農家を営んでいる山田弘さん。
まもなく収穫する稲を見て「去年並みにはできている、穂数もけっこうある。ちょっと小ぶりな部分もある、まだ全体的に青い」と話した。
もともとは兼業農家だった山田さんだが、2年前からコメ作りに専念。約3ヘクタールの田んぼでコシヒカリを栽培している。
そんな山田さんが懸念するのは、やはりコメの価格の下落だ。
■毎年変動する取引価格に困惑…新たな機械導入も「なかなか思い通りには」
「私もだいぶ農機具にお金をかけたので、まだまだ分割もある。本当は高いほうがいいが、私が決めるわけにはいかない」
25年9月に補助金なども活用しながら約300万円をかけて新たな機械を導入したばかり。
より品質の良いコメ作りのため機械の導入を決断したというが、これ以上、価格が低下すればコメ作りを続けるのは厳しいという。
「毎年かかるのは肥料代、燃料代、農薬などけっこうお金がかかる、春だけで100万円単位の出費が出る。毎年、取引価格が変動する。60キロあたり2万円を切ったら農家をやっていられない」
25年、山田さんのコメはJAとの間で60キロあたり3万5000円~3万7000円で取引されたというが、「本当は極端な話、60キロ3万円で売れれば、一番農家としてはうれしいが、3万円というのはハードルが高すぎる。なかなか思い通りにはいかない」と口にする。
■「消費者に喜んでもらいたい」という思いだけで耐えるにも限界が…
コメの価格が下落する一方で燃料代や肥料代などは高騰し、苦境に立たされているコメ農家。
山田さんは「自分で苦労して作ったものを、お金を出してもらって消費者の方から喜んでもらって、新米はおいしいなと言われるのが一番の励み」と話す。
「消費者に喜んでもらいたい」その思いで稲作に励む山田さんだが、思いだけで耐えるにも限界がある。
持続可能な農業の実現に向けた対応が求められている。
