長期化する円安から一転、外国為替市場では今週、円高が急速に進んだ。海外展開を目指す福島県内の企業も円の値動きを注視している。
■福島県内企業が商談会
9月9日郡山市で開かれたのは、ジェトロ福島と東邦銀行が主催する商談会。海外への販路拡大を目指す県内の食品関連企業21社が参加し、国内の商社との商談に臨んだ。
おのざき(いわき市)の秋元隆太郎さんは「現地の意見とか直接話す(聞く)機会がないのでありがたい機会だなと思った」と話す。
■県産品の輸出額は約2倍に
福島県によると、令和6年度の県産品の輸出額は15億8500万円、令和元年度の約2倍に増えている。この流れを後押ししてきたのが円安だ。
さとう果樹園(福島市)の高橋健さんは「円安を背景にどんどん利益を追及していくような流れというのは、どうしても必要になると思う」と話す。
■販路拡大への期待感
外国為替市場では8日一時1ドル152円台まで円高が進んだが、参加した商社からは輸出への影響を懸念する声よりも販路拡大への期待感の声が多く聞かれた。
愛宕商事(東京)の杉浦正樹さんは「一過性のものと見ていて、結論として円安傾向が続くと思っているので、輸出事業にとっては悪いことではないのかなと」と話す。
■輸出で売上げ伸ばす「ほまれ酒造」
商談会に参加していた喜多方市のほまれ酒蔵も輸出に力を入れる企業の一つだ。
ほまれ酒造では約20年前から海外へ商品を輸出し年々、売上を伸ばしている。世界的なコンテストで最高賞に輝いた日本酒やフルーツの味わいが楽しめるリキュールなども人気があるという。
ほまれ酒造の唐橋裕幸社長は「主にはアメリカですね、あとはカナダ、その北米を含めると輸出額の80%くらいになるんじゃないかと思います」という。
■円高に警戒しつつ商品力を高める
「伝統的な酒造り」がユネスコの無形文化遺産に登録されたこともあり、海外でも注目される日本の酒。ほまれ酒造では円高の動きを警戒しつつも商品力を高めることで、売り上げ全体に占める輸出額を現在の15%から20%にまで伸ばしたいとしている。
唐橋社長は「我々が出来ることってのは限られていますので、どれだけブランド力を高めていくかとか、少し価格が高くても手に取っていただけるような商品づくりが一番我々にできることなのかなと思っています」と語った。
■円相場に注目
円相場は、9月8日一時152円台後半になるなど円安の是正が急ピッチで進んでいる。日銀の利上げによる日米の金利差縮小も意識されていて、「円安」の行方が注目されている。
