「大体胸ぐらいまで車の中に入って、探ったら、なんか大きいもの感触があったんで、そのまま車外に出したところ、今回救出された女性の方で、救出しました」
緊迫した状況を語るのは、いわき市消防本部小名浜消防署の鈴木俊光(すずきとしみつ)さん(32)と塩井慶太(しおいけいた)さん(38)。
■水が集まってくる危険な現場
9月7日、車が水没した福島県いわき市鹿島町のアンダーパスの中で現場の活動にあたった。普段、海や沼の水難救助にあたることは多いものの、「アンダーパス」の現場は未経験。すぐ隣には増水を続ける矢田川があり、行き場をなくした水がどんどん集まってくる危険な現場だったという。
塩井消防司令補は「アンダーバスに現着したような状況では、周りから雨が滝のようにこう流入しているような状態でした。どういった2次災害があるか、そういったことを共有しながら活動に臨みました」と振り返る。
■視界はわずか30センチ
見通せる距離はわずか30センチほど。潜水を始めてから女性を救助するまでに約15分かかった。
鈴木消防士長は「後部座席の大体上、天井あたりに居たと思います。傾斜があるっていうこともありますし、後部座席は少し上に位置してるとこだったので、後ろに空気溜まり、エアポケットっていうものがあって、そこに避難行動をしたのかなと思っております」と話す。
閉じ込められた車の中で必死にもがいたとみられる女性…しかし、搬送先の病院で死亡が確認された。
■冠水した場所は避けて
塩井消防司令補は「(水没すると)車が水の上で浮いてしまって、バックすることもできなかったり、移動するのが困難な状態になってしまいます。そういった場所を避けて通る、迂回して通るっていうのを心掛けていただきたいと思います」と話した。
