全国各地で記録的な大雨が降り、県内でも雨の日が続いて梅雨のような天気となっています。秋はどこへ行ったのか…村田光広気象予報士の解説です。
名古屋市では8日、1時間に100ミリを超える猛烈な雨が降り、観測史上最大となりました。線状降水帯も発生し、記録的な豪雨となりました。
愛知県と岐阜県を流れる庄内川にはレベル5氾濫特別警報が発表され、浸水や冠水の被害が発生しました。
日本各地で連日のようにこのような被害が発生し、梅雨の時期に発生するような集中豪雨が続いています。
この梅雨のような天気は、異例とも言える夏の気象状況と深くつながっています。
ポイントは3つ。まず1つ目は、高気圧の張り出し方です。この夏は高気圧の張り出しが不安定でした。
梅雨の時期は、高気圧が平年よりも大きく北に張り出して、梅雨前線も押し上げられ、北陸地方は空梅雨の傾向となりました。
ところがここに来て、高気圧の勢力が後退し、まるで梅雨の時期と同じようなところにとどまっているのです。北にある秋の空気との間で秋雨前線が発生し、停滞している状況です。
いまになって、急に高気圧が勢力を弱めて、梅雨のようになっているのです。
2つ目の要因が、異常な海水温の高さです。今年は猛暑の影響で、日本近海の海面水温が非常に高くなっています。
8日の日本近海の海面水温を見ると、日本海は27度前後となっています。太平洋側、日本の南は30度になっています。これは、熱帯の海水温と同じ、台風が発達するほどの高温になっているのです。このため、大量の水蒸気が供給されて、雨雲の活動を極端に活発化させています。ひとたび雨が降ると、大変な量になってしまうことになります。
そしてもう1つの要因が、台風の接近です。
福井を襲った集中豪雨は、台風18号から変わった熱帯低気圧が運んだ湿った空気も影響し、前線の活動が強まったことが要因です。今年は9日までに発生した台風が24個と、記録的なハイペースとなっています。
台風の接近が大気の状態を不安定にさせ、大雨をもたらしています。実は、石川や富山の記録的な大雨、そして千葉豪雨も台風が関わっています。
▼高気圧の張り出し▼海面水温▼台風が、梅雨のような長雨をもたらしているのです。
この先の10日間予報も、前線の影響で雨の降る日が多くなる見込みです。少なくとも来週いっぱいは雨の日が続きそうです。
大雨のピークは週末にかけて一旦過ぎますが、来週再び前線の活動が活発になる可能性があり、雨の降り方に注意が必要です。
秋晴れはもうしばらく先、9月下旬以降となりそうです。
