北海道大学は9月9日、理学部の研究室における毒物・劇物の管理について、札幌市から指導を受けたと発表しました。
北大理学部では8月27日朝、大学院生がフッ化水素酸を浴びる事故があり、搬送先の病院で死亡、救助にあたった学生2人も軽傷を負いました。
フッ化水素酸は強い腐食性を持つ化学物質で、皮膚に付着すると体内に浸透し、重篤な症状を引き起こすことがあります。
これを受けて、翌28日に札幌市が立ち入り検査を実施。
その結果、9月2日付けで札幌市保健福祉局から指導書が交付されました。
指導では、毒物及び劇物取締法に違反する4つの不適合事項が確認されています。
具体的には、毒物・劇物の専用保管庫にほかの試薬が混在していたこと、毒物であるフッ化水素酸の管理帳簿が所在不明になっていたこと、保管庫のカギの出納管理簿が存在せず施錠管理が形骸化していたこと、小分け容器に「医薬用外毒物」などの必要な表示がなかったことです。
カギの管理について北海道大学は、保管庫が設置された部屋自体は施錠されており、安全教育を受けた上で管理者が認めた学生に限りカギの取り扱いを許可していたと説明。
ただし、法令上求められる管理体制としては不十分と判断されました。
札幌市は北海道大学に対し、不適合事項の速やかな改善、全学的な法令遵守の管理体制の徹底、事故状況と改善結果の報告を求めています。
北海道大学は「本件を極めて重大な問題と認識しており、指導内容を厳粛に受け止めている」とし、関係行政機関と連携して改善措置を講じるとともに、全学的な管理体制の見直しと再発防止策の徹底を図る方針です。
なお、北海道大学は遺族や関係者のプライバシー保護のため、個人の特定につながる情報は公表しないとしています。
