マイページ
“まなび”の困りごとに向き合った筆記具。「キャンパス マジックフィット」と「キャンパス エニーライナー」の誕生まで
商品開発のSTORY by PR TIMES

“まなび”の困りごとに向き合った筆記具。「キャンパス マジックフィット」と「キャンパス エニーライナー」の誕生まで

Google ニュース プリファードソース
データ提供 PR TIMES
本記事の内容に関するお問い合わせ、または掲載についてのお問い合わせは株式会社 PR TIMES (release_fujitv@prtimes.co.jp)までご連絡ください。また、製品・サービスなどに関するお問い合わせに関しましては、それぞれの発表企業・団体にご連絡ください。

~速く書いても、いい文字が書きやすい*「キャンパス マジックフィット」と、裏うつりしにくい独自開発インクの「キャンパス エニーライナー」。ピンチを乗り越えた逆転の発想で果たす筆記具本格参入の裏側~


コクヨ株式会社(本社:大阪市/社長:黒田 英邦)は、 2025年9月、半世紀にわたり「ノートブランド」として学習現場を支えてきた<Campus>を、学生一人ひとりのまなびを支える“まなびかた”ブランドへとリニューアルしました。それから1年。「中高生の“まなび”をサポートする筆記具」とはどうあるべきか、日本国内のみならずグローバルにも目を向けて考え続けた商品開発の裏側を、開発者インタビューを交えてご紹介します。


*注1)本調査における「速く書いても、いい文字が書きやすい」とは、速記時と丁寧書き時の文字の差が小さい状態を指す。

*注2)日本の中高生111名を対象とした主観評価において、速記時と丁寧書き時の筆記を比較した結果、速記時でも丁寧書きに近い文字が書けると回答した人が過半数を占め、統計的にも有意な差が確認された。(p<0.10)


話を聞いた人:コクヨ株式会社 堤沙也佳(つつみさやか/ブランド戦略担当)、大沢拓也(おおさわたくや/筆記具企画担当・写真左)、松下 欣也(まつしたきんや/筆記具開発担当・写真中央)、扶川 祥平(ふかわしょうへい/筆記具開発担当・写真右)



1.“まなびかた”ブランドの<Campus>が筆記具市場に参入する背景

“まなびかた”に寄り添ってきた<Campus>らしい筆記具とは?

<Campus>は、ノートブランドから“まなびかた”のブランドへのリニューアルを経て、学生が気軽に試行錯誤しながら、主体的かつ継続的にまなびを続けるための、文具とメソッドを組み合わせた“まなびかた”のアイデアを“まなびレシピ”として届け、モノ(文具)とコト(勉強法)の両面から学生のまなびに寄り添うことを目指しています。

ブランド戦略担当の堤は、この1年の手応えをこう振り返ります。


堤:“まなびレシピ”に基づいた商品ラインアップを通じて、キャンパスはノートだけではなく、勉強のモチベーションアップや、スキマ時間の活用など、学生のみなさんに寄り添えるシーンが格段に広がったという感覚があります。この幅をさらに広げていくために、「まなびをサポートする筆記具」は必要不可欠だと考えました。


(左)キャンパス マジックフィット (右)キャンパス エニーライナー


どれだけ学習環境がデジタル化しても、『手で書く』という行為は“まなび”の根幹であるとも言え、この先もなくなることはありません。ノートという『書かれるもの』だけでなく、まなぶ人を最も身近で支えられる<Campus>らしい『書くもの』に必要な要件とは何か。日本、中国、ベトナム、米国の4カ国の中高生を対象に調査をしたところ、学校以外でも長時間勉強し、それによる疲労感も課題であることが分かってきました。

総合文具メーカーとしての幅広い商品群とその使い方の提案に加えて、『筆記具』で世界の学生たちに真正面から向き合うことは、グローバルなまなびのブランドとして進化していくために必然の挑戦でした。


2.キャンパス マジックフィット 開発秘話

土壇場のひらめきで生まれた奇跡の『六角エアポケット構造』


①グローバル展開を見据えて。速記シーンにおける課題の発見

主にゲルペンを使うアジアの学生の学習実態を徹底的に調査すると、彼らは週に1本ゲルペンを使い切るほどの筆記量をこなしていることが判明しました。

さらに学生約450名を対象に「ペンで文字を書く際の困りごと」を調査したところ、多くの学生が「字のきれいさと速さが両立できない」と回答。タブレット学習が進む現代でも、授業中に先生の板書スピードへ必死についていってノートをとる「速記シーン」でのストレスが、学生共通の課題として存在していました。


一方で、筆圧計を用いた計測では、書くスピードが上がると筆圧が不安定になり、ペンの持ち手がブレやすくなるという傾向が見られました。


大沢:中国やアセアン学生の圧倒的な筆記量を支えるグリップ性能を研究する中で、学生は『速く書こうと焦るほど字が崩れてしまう』という悩みを抱えていることが見えてきました。それなら、どんなスピードや筆圧でも手元がブレにくくフィットするグリップを作ろうと考えました。



②土壇場で生まれた奇跡のグリップ構造

理想のグリップの実現に向けて、当初チームが試作を重ねていたのは、平らな面を触っているにもかかわらず凹凸があるように感じるような、触覚の錯覚現象を利用したイリュージョンシボを、鉛筆のような六角状に配置することで握りやすさを向上させるというアイデアでした。


しかし、製品の方向性を決める社内会議では、表面に滑り止めをつけるだけで学生の『速書きでも字が崩れない』という悩みが本当に解決できるのか。

ユーザー調査で結果が出せなければ企画はやり直し、製品化は難しいという判断が下されました。この時点で、残された時間はわずか2週間。大沢たちは開発チームのメンバーと連日ひざを突き合わせ、解決の糸口を探しました。


大沢:六角状の軸は、指の位置が自然と決まり、安定して握れるのが特長です。ただ六角軸は安定するものの、角が指に当たって痛くなりやすい。一方で、一般的な丸軸は手当たりが優しいものの、ツルツル滑って速書きのときに軸がブレやすいという弱点がありました。


「六角軸ならではのブレない安定感と、丸軸の優しさをひとつのグリップで両立できないか?」「グリップ表面の工夫だけではなく、グリップの内部構造そのものを変えてみたらどうだろう?」

——そう考え抜いた末に辿り着いたのが、グリップ内部に6つの穴(空洞)を空ける『六角エアポケット構造』というアイデアでした。


『六角エアポケット構造』とは指当たりのよい丸軸と握りやすい六角軸の長所を掛け合わせたコクヨ独自のグリップ設計。六角形に並んだ6つのエアポケットが握る力に合わせてへこみ指の形にフィットします。


握る力に合わせてエアポケットがへこむ様子


指当たりが柔らかい丸軸でありながら、握った瞬間、内部の空洞が凹むことで指に吸い付くような六角軸のフィット感が生まれます。ユーザー調査のわずか数日前に生まれたこの『六角エアポケット構造』は、実施したユーザー調査でも「丸軸の優しさと六角軸の握りやすさが両立している」と高評価を獲得。ピンチを逆転突破した瞬間でした。


③「グリップの柔らかさ」と「量産性」のジレンマ

『六角エアポケット構造』によって製品化への道が拓けたものの、量産化への道のりは想像以上に険しいものでした。

今回、指への負担を抑え、包み込むようなフィット感を実現するため、一般的なボールペンのグリップよりも柔らかい軟質素材を採用しています。しかし、この柔らかい素材と、内部に6つの空洞を持つ特殊な形状が重なったことで、金型から素材が外れにくく、成形不良が多発してしまったのです。


松下:そこからの数か月間は、まさに部門の垣根を越えた総力戦でした。問題を解決するために、開発、生産、技術、品質部門のメンバーがそれぞれの知見を持ち寄り、リレー形式で現場に貼りついて検証を繰り返しました。金型に特殊な処理を施したり、材料のブレンドから成型にいたるまでの全工程を徹底的に見直したりと、全員の連携プレーで、なんとか量産にこぎつけることができました。



さらにチームは、「速く書いてもいい文字が書きやすい*」ことを客観的に証明するため、学生を対象に実施したモニターテストでは、2分間の速筆記を行ってもらった上で、自分自身が最も丁寧に書いた文字と見比べ、「速筆記した文字のうち何文字が丁寧な字に近いか」を客観的にカウントしてもらう検証を実施。さらには書いた文字を全てスキャンし、線のブレ幅を数値化・分解する検証まで重ねていきました。(コクヨ調べ /2026年4月、n=111名)


こうして、速く書いても、いい文字が書きやすい*シャープペンシル・ゲルインクボールペン「キャンパス マジックフィット」が完成しました。


3. キャンパス エニーライナー 開発秘話

薄い紙でも「裏うつりしにくい」を追求した、新処方のインクと構造


①ラインマーカー使用時の「裏うつり」ストレスの発見

学生の筆記シーンにおいて、もうひとつの大きな悩みとして浮かび上がってきたのが、「インクが裏うつりして見返しにくい」ことでした。開発チームが着手したのは、「これからの学習スタイルに合う新しいラインマーカー」の研究でした。


中学校での授業見学や学生へのヒアリングを重ねる中で、チームは学生の間で定着している「プリントを活用した学習方法」の変化に気づきます。

それはプリントをノートに貼るのではなく、ルーズリーフなどと一緒にバインダーへ挟むスタイルが定着し、教材が「片面印刷」から「両面印刷」へとシフトしているということでした。


扶川:プリントの両面印刷化が進むと、裏面にも文字を書いたりマーキングする機会が増えます。一方、プリント用紙にはわら半紙などの密度の低い紙も依然として多く使われており、従来のラインマーカーではインクが裏に染み込んでしまい、見返しにくさに大きなストレスを感じていることが見えてきました。



その後のユーザー調査でも、教科書・プリント・辞書など多様な紙質の教材を扱う学生にとって、ラインマーカー購入時の最重視ポイントは「裏うつりしないこと」だと裏付けられました。


大沢:教科書や辞書、プリントなど学生が扱う紙質は実に様々です。特に海外の教材は日本の紙よりも紙質が繊細で、裏うつりの悩みが非常に強く出ていました。日本の学生はもちろん、世界中の学生たちが抱えるこの手元のストレスを解消したい——そんな想いから、裏うつりしにくい新たなラインマーカー「キャンパス エニーライナー」の開発が本格的に動き出したのです。


②「インクを紙に染み込ませすぎない」逆転の発想

一般的にラインマーカーは、インクに含まれる色材が水分とともに紙の繊維の奥深くまで浸透することで乾燥し、色が定着します。しかし、この「紙にインクを染み込ませる」というラインマーカーの前提構造こそが、裏うつりを引き起こす要因でした。

そこで開発チームが導き出したのは、「インクを紙の奥に浸透させすぎず、表面に乗せて固める」という従来の常識を覆す逆転の発想でした。


扶川:インクの中の水分量を減らし、その代わりにビーズ状の樹脂と、ボンドのような役割を果たす被膜形成剤という2つの固形成分を配合しました。

まず、ビーズ状の樹脂が、インク中の色材と水分が一緒に紙の奥へ入り込むのを防ぎ、表面にとどまらせてくれます。さらに被膜形成剤は、色材の紙への染み込みを抑えつつ、乾燥すると均一な膜を形成します。この2つの成分の働きによって、薄い紙やわら半紙のような染み込みやすい紙でも『裏うつりしにくい』仕組みを確立できました。

一方で、被膜形成剤が作る均一な膜は、表面がつるつるとしてインクが乾きにくい紙に対してもしっかりと定着し、手が汚れるのを防ぎます。


キャンパス エニーライナーの「エニー(ANY)」には「どんな紙でも」という思いが込められています。

『薄い紙や染み込みやすい紙でも裏うつりしにくい』ことと『染み込みにくい紙でもしっかり乾いて汚れにくい』という、2つの機能を両立させることで、様々な紙を扱う現代の学生に向けた、新たなインク処方が完成しました。



しかし、製品として世に出すために開発チームが取り組んだ課題は「インク処方」だけではありませんでした。いくら染み込みにくいインクを作っても、描いた瞬間にペン先からインクが出すぎてしまえば、紙の表面でインクが溜まり、線の引き終わりのにじみや裏うつりの原因になってしまいます。

この課題へのアプローチとして、インクを蓄える「中綿」と、インクを紙に届ける「ペン先」。この2つの部品の働きに着目しました。


扶川:『中綿がインクを保持する力』と『ペン先がインクを引き出す力』のバランスもかなり調整しました。ペン先を紙に押し当て続けても、中綿側に適度にインクを引き戻す力を持たせることで、インクが必要以上に染み出ていかないように制御しています。



この「固形成分と膜によるインク処方のアプローチ」と、「引き合い制御によるペンの内部構造のアプローチ」のダブルのイノベーションにより、薄い紙でも裏うつりしにくく、つるつるした紙でもしっかり乾いて汚れにくい、新たなラインマーカーが完成したのです。


4.今後への想い

2種類の筆記具に込められたのは、単なる機能の追求だけではなく、「学生たちの手元の些細なストレスを軽減することで、学生たちのまなびを少しでも明るくしたい」という想いでした。


堤:何度壁にぶつかっても、世の中にこの筆記具を届けるんだ!という熱い思いで開発したキャンパスの筆記具との出会いを通して、「これならもっと書いてみよう」「1本のペンから、自分のまなびかたってこんなに変わるんだ」という前向きな変化が生まれたらとても嬉しいなと思います。


大沢:学生の“まなび”にとって、ノートと筆記具は毎日をともにする相棒のような存在です。だからこそ、一人ひとりの“まなびかた”や書き方にフィットする筆記具を届けることで、日々の“まなび”をもっと快適に、前向きなものにしたいと考えています。これからも学生の声に向き合い、学びを支える新しい筆記具を生み出していきます。




行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ
PR TIMES
PR TIMES
商品開発のSTORY by PR TIMESの他の記事
「ラクだから、かわいいをあきらめる」をなくしたかった。2026年、ノンワイヤーの可能性を広げてきたRisa Magliが、その先に届ける「Naruna(ナルナ)」
「ラクだから、かわいいをあきらめる」をなくしたかった。2026年、ノンワイヤーの可能性を広げてきたRisa Magliが、その先に届ける「Naruna(ナルナ)」
旬を逃さぬ一輪一輪の手摘みから。香り高き「金木犀GIN -MATOU-」ができるまで
旬を逃さぬ一輪一輪の手摘みから。香り高き「金木犀GIN -MATOU-」ができるまで
電源断対策の新たな選択肢。アドテックが「SuperCAP」で実現する、産業用PCの安全なシャットダウン
電源断対策の新たな選択肢。アドテックが「SuperCAP」で実現する、産業用PCの安全なシャットダウン
店頭の声を企画へつなぐ。VOLCAN&APHRODITEの一着が生まれるまで
店頭の声を企画へつなぐ。VOLCAN&APHRODITEの一着が生まれるまで
一覧ページへ
×