「よく眠れず、朝になるのが怖い。朝になって職場に行ったら何をされるかわからないという不安だらけ」(ミャンマー人男性)
「500ミリリットルのペットボトルを投げつけられたり、それで頭を殴られたりした」(ミャンマー人男性の代理人弁護士)
北海道京極町の農場で、ミャンマー人労働者が虐待を受けていたとされる問題。
新たに30代のミャンマー人男性が、農場関係者2人から暴行を受けたとして刑事告訴する方針です。
「わからんか、この野郎。ちょっと来い、来いって。だから教えてやるから」(農場関係者)
農場で撮影された映像です。暴言を浴びせられ、胸元をつかまれて屋外に引っ張り出されるミャンマー人労働者が、今回会見を行い刑事告訴の方針を明らかにした男性です。
5月に来日して農場で働き始めましたが、その3日後から暴行が始まったといいます。
現在は農場を出て東京に避難しています。
「お前たちみんなクビになるぞ。ちゃんと理解しないとミャンマーに帰すぞ。お前たちの代わりくらい、すぐいるんだから」(農場関係者)
この問題を巡ってはすでに別のミャンマー人男性が、農業法人の実質的な経営者の町議とその息子から金属製の棒で叩かれたり、平手打ちをされたりするなどの暴行を受けたと警察に届け出ています。
「お前たちの雇い主だぞ。この人から仕事もらってるんだぞ。言うこと聞かないでどうするんだよ」(農場関係者)
暴言や暴行だけではありません。
労働者が暮らす寮の台所にはネズミが出没し、浴室も汚れが激しいなど劣悪な環境です。
今回、ミャンマー人たちは「特定技能」の資格で働いていました。
「特定技能」とは、農業など19の分野で一定の技能や専門性を持つ外国人を即戦力として受け入れる制度です。
北海道では1万2000人あまりが働いています。
農業経済に詳しい専門家は。
「労働力は地方の農業や水産加工業を中心に非常に不足している。それゆえ外国人に頼らざるを得ない状況がある」(北海学園大学経済学部 宮入隆教授)
そんな中で明るみに出た今回の問題。影響は大きいといいます。
「『北海道に行ったら大変なことになる』といううわさが広がってしまったら、外国人労働者が来てくれなくなってしまう。依存度が高いのに 来てもらえなくなることは、北海道としてはものすごく怖い」(宮入教授)
「自分たちが日本にあこがれてきた『日本人は優しい』ということが、こういったことになり悲しくなった。他の労働者が自分たちのようにならないようにしてもらいたい」(ミャンマー人男性)
この言葉を私たちはどう受け止めたらいいのでしょうか。
今回、虐待を受けていたとされるミャンマー人労働者は、国の「特定技能制度」に基づき日本にやって来た外国人です。
「技能実習制度」とは別の制度です。技能実習制度は、技能移転・人材育成など日本の技術を学び、それを自分の国で生かすため、技能を学ぶための制度として作られました。
一方、今回のミャンマー人たちは「特定技能制度」で日本に来ています。特定技能制度は、日本が現在置かれている人手不足への対応。海外の人材に日本へ来てもらい、技能を生かして働いてもらう制度です。
「技能実習制度」が事実上、安い賃金での労働力として扱われるという問題が非常に多かったため、2027年4月からは、別の新しい制度に切り替わります。学びながら働いて、特定技能の在留資格資格というのを目指す設計にもなっています。
今回、「特定技能」で、このような問題が起きてしまいました。
北海道で働く海外の人の姿をよく見るようになりましたが、特定技能が創設された2019年から見てみると、技能実習も特定技能も約2.5倍になっており、外国人労働者の力がなければ、北海道の産業が回らない状況です。
今回の件が京極町の一会社の問題なのか気になりますが、外国人が安心して働ける環境づくり、安心して辞めたりもできる制度ができているのか心配です。
今後の北海道、日本において大きな問題です。今後の対応が注目されます。
