生活道路の法定速度が時速60キロから30キロに引き下げられて、9月7日で1週間です。
車の速度に変化はあるのか。
また法改正についての理解はどこまで広がっているのでしょうか。
車が走行中、子どもが飛び出してきます。
幸い、事故にはなりませんでしたが、こうした危険が多いのが生活道路です。
札幌市中央区の二条小学校の前です。
道路に中央線や中央分離帯がなく幅が5.5メートル未満のものを「生活道路」といいます。
「こちらの道路は二条小学校の通学路になってはいるんですけれど、歩道が幅1メートルほどということで30キロ以上スピードを出してしまうとかなり危険なように感じられます」(渡部健太記者)
道交法の改正で9月1日から生活道路の法定速度が時速60キロから30キロに引き下げられました。
車の速度に変化はあるのか、スピードガンで測ってみます。
「今の車は50キロ近く、減速しないまま交差点に入っていったのでかなり危険だと思われます」(渡部記者)
約30分間、スピードガンで計測したところ車両116台のうち13台が30キロ台で走行。
二輪車を含めて3台が40キロ以上で走行していました。
これまで生活道路で認められていた時速60キロを出すと違反点数は6点。
つまり前科がなくてもすぐに免許停止になります。
法定速度の引き下げにはどのような狙いがあるのでしょうか?
「時速30キロを超えると車と歩行者の交通事故での致死率が急激に高まる」
「法定速度を引き下げることで、大きなケガにつながりにくいのが一番の狙い」(いずれも道警本部 交通規制課 川上拓調査官)
札幌市北区の新琴似北小学校です。
登校や下校の時間には多くの子どもたちが歩道を歩いていきます。
学校前の道路には時速30キロの道路標識が設置されていますが…
「小学校の前にあるこちらの生活道路は交通量の多い道路への抜け道として使われることが多いそうです」(渡部記者)
抜け道としてこの道路を使う車のスピードが速いため、地域の住民が警察に取り締まりを要請しているといいます。
小学校でも子どもたちの安全を心配していました。
「一時停止標識がなく(車が)止まらずに出てきてしまったら…」(新琴似北小学校 西村義仁教頭)
交差点の近くに住む人にも話を聞くと…
「一度ここで向かいに住む子どもが車と事故を起こしたことがある」
「看板もないし30キロ道路標識を地面に書くぐらいしてほしい。子どもが多いから」
「『止まれ』(の標識)も何もない所だから、速度を出すと事故につながる可能性は大いにある。子どもの自転車が一番危ないと思う」(いずれも近くの住民)
自宅に近い生活道路で事故が起きないか、心配している人は少なくない印象です。
「(家の近くで)大きな音立てて走る若者も(いる)。子どもたちが飛び出すのはすごく気になる。児童会館がすぐそばにあるので」(札幌市民)
生活道路の法定速度が30キロに引き下げられて1週間。
理解は広がっているのでしょうか。
「制限速度内でも『急いで』と言う人はいる。そういうときに困る」
「お客様が目的地に早くたどり着けないこともあるが、なるべく説明をして理解してもらって乗務するしかない」(いずれもタクシー運転手)
また冬道を心配する声も聞かれました。
「冬場になって40キロで惰性ついて坂道上がれるところ、30キロになったおかげで上がれない車というのが出てくる可能性があるんじゃないかな」(タクシー運転手)
道警は生活道路での「30キロ」制限について、まずは啓発活動に力を入れたいとしています。
「いつ飛び出しがあるかもしれないということで、いつでもブレーキを踏んで止まれるという意識で運転していただくようお願いします」(道警本部交通規制課 川上拓調査官)
生活道路の法定速度が時速30キロに引き下げられました。
変更を知らないドライバーも多く、注意が必要です。
あらためて、生活道路とはどのような道路が該当するのでしょうか。
道内の一般道全体の約5割を占める「道幅5.5メートル未満の道路」など、中央線や中央分離帯がなく、最高速度の標識も設置されていない道路が対象となります。
道警の交通企画課によりますと、2021年からの5年間に起きた車と歩行者または自転車との事故では、幅5.5メートル以上の幹線道路などでの事故が全体の26.7%だったのに対し、生活道路を含む幅5.5メートル未満の道路では35.8%に上っています。
生活道路では、ドライバーが速度を落として慎重に運転するのはもちろんのこと、歩行者や自転車も周囲の安全を確認するなど、一人ひとりが意識を高めることが求められます。
