岩手県の企画理事の懲戒処分について、県政担当の内記和人記者が解説します。
8月31日、戒告の処分を受けたのは、県の一般職トップに当たる企画理事の1人、千葉幸也氏(60)です。
県によりますと、千葉企画理事は、2024年から2026年2月まで出張した際、勤務時間中にもかかわらず、本来予定のない場所に立ち寄るなどの行為を5回繰り返しました。
このうち、2025年8月には、アイーナの機能見直しの検討に関する出張で、大阪府茨木市の施設を訪問する前に、甲子園球場で他の職員2人と共に、神奈川代表と岐阜代表の高校野球を観戦、試合が延長戦になった際、他の職員1人を約束の時間に合わせて茨木市の施設に向かわせた一方、自身は遅れて施設に向かい、建物の外観だけを視察したということです。
県の職員は出張の際、行き先をあらかじめ申請する必要がありますが、千葉企画理事は、どこに立ち寄っていたのか、詳しく見ていきます。
2024年6月、政府への要望をするための東京出張の際には、予定にないすみだ水族館を訪問、2024年7月には、能登半島地震の対応で派遣された県職員を激励するため、石川県を訪問する前日、予定にない福井県の永平寺を訪問しました。
さらに、2024年10月には、宮城県仙台市に出張した帰り、午後2時半ごろに、盛岡駅の飲食店で酒を飲み、勤務時間内であるにも関わらず、県庁に戻らずに帰宅、そして2025年8月の、大阪出張中の高校野球観戦は、前売りチケットを利用して計画的に訪問したことが判明しています。
2026年2月には、岩手県史の編さんに関する視察で埼玉に出張した際、予定にない東京の上野動物園を訪れていました。
千葉企画理事は、盛岡駅での飲酒を除く4件については「業務の一環でにぎわいの創出や人流について確認するためだった」などと弁明、また、盛岡駅で酒を飲んで県庁に戻らなかったことについては、「休暇申請を失念していた」と話しています。
処分については、9月1日の県議会総務委員会で県議から「甘すぎる」などの批判が相次ぎました。
福井誠司県議
「出張の途中で飲酒をするあるいは、出張の目的地に行く前に甲子園に行って試合を見る。(県職員の)モラルの低下につながる。その意味で戒告は甘いのではないか」
岩渕誠県議
「普通は居続けられないというのが常識的なこと。これだけのことをやって、県庁に居残ろうなんて大きな間違い」
一方、9月4日の定例会見で、達増知事は次のように述べました。
達増知事
「全体として戒告に当たる内容だったと、あってはならない、認められないものだったということ。出張の内容を直前に変更したりとか、権限があるポストに就いたが故の不祥事と言っていいと思う」
4日の会見で達増知事は、今回の5件は「あくまで手続きの不備だった」との認識を示しましたが、他の職員に示しがつかない行動であることは間違いないと思います。
ではここからはこの行為が発覚するまでのいきさつを見ていきます。
臼澤勉県議
「職員は見ています。県民も見ています。なぜ答えられないのでしょうか」
千葉企画理事の行動を巡る問題が明るみに出たのは2026年3月の県議会、県議が告発の情報をもとに、出張での不適切な行為や職員へのパワハラなどの疑惑に対して追及したのです。
これらの問題を巡り議会では、466万円の公費をかけて、知事部局の全職員を対象に調査を行うことが決まりましたが、千葉企画理事は当時、こう答弁していました。
県 千葉幸也企画理事
「私としても調査の中で、しっかり事実関係を話すべきと考えている。この場での答弁は差し控えさせていただきたい」
公表された出張中の不適切な行為は、県の調査で判明したもので、パワハラなどの疑惑については、外部の弁護士による調査が現在(9月7日時点)も継続されています。
県では、弁護士から「重要な事実の判明や証拠の提供があり、調査時間が増える」と申し出があったことから、追加の費用として約1500万円を盛り込んだ補正予算案を9月の県議会に提出するとしています。
千葉企画理事はこの問題を受けて4月に一度、企画理事の職を外れたんですが、県は全職員へのアンケートが終わったことなどから7月に、企画理事に戻しています。
弁護士によるパワハラ疑惑の調査結果は、11月末までに、県に報告される予定ですが、県庁内の組織の正常化のためにも可能な限り調査を尽くしてほしいと思いますし、そこでどんな結果が出るのか注目したいと思います。
