住宅街など地域の人たちが日常生活で使う、中央線や中央分離帯のない比較的狭い道路、「生活道路」のルールが、9月1日から変わりました。
■幹線道路の“抜け道”に…子供の「飛び出し事故」も
1日朝、名古屋市緑区に設置された、持ち運び可能なオービス。速度超過の車がないか取り締まりが行われたほか、通行するドライバーにチラシを配って注意を呼び掛けました。

この場所は、近くを走る幹線道路の混雑を避ける“抜け道”として利用される「生活道路」。地域の安全を守るため、自治会でお金を出し合ってカラーコーンを購入し、時速30キロで走るよう呼びかけています。
付近の住民:
「(コーンの設置は)あまり効果ない。時速30キロと60キロではかなり違うもんね。(速度制限は)大賛成」

住民も歓迎する法定速度の引き下げ、その狙いは何でしょうか。
交通事故鑑定人の熊谷宗徳さん:
「交通事故は全体では減っているのに、なぜか生活道路における事故はずっと減らずに横ばいが続いている。車両と歩行者の事故で、車両の速度が時速30キロを超えると、急に死亡事故率が高くなってしまう。速度が一番の“悪”」
警察庁の統計によりますと、自動車の速度による歩行者の致死率は、時速30キロを超えると急激に上昇を始め、時速60キロ程度の場合、30キロの時の18倍ほどになります。

中でも、注意が必要なのが子供です。
交通事故鑑定人の熊谷宗徳さん:
「小学生の歩行中の死傷者数の約3割が、飛び出し事故といわれています。時速30キロで走っていれば、歩行者の動向などが見えやすい」
愛知県江南市の布袋小学校の児童たちが通学路として使う道路。比較的道幅は広いものの、近くに駅や高速道路の入り口などがあり、車の通りが多い危険なポイントで、地域のボランティアなどによる見守りも行われています。

子供たちの下校時間にあわせ、この場所でも警察が取り締まりと啓発を行いました。
愛知県警江南署の鈴木健署長:
「ドライバーの方には、生活道路は“スローダウン”ということを意識して安全運転に努めていただきたい」
■身近な生活道路 時速30キロ超で致死率“急増”
9月からスタートした生活道路での法定速度引き下げですが、そもそも生活道路とは、どんな道路なのでしょうか?
警察庁によりますと、地域住民の日常生活に利用される、中央線や中央分離帯などがない比較的狭い道路のことを指すということです。一般的には幅5.5m未満の道路とされていて、全国の道路の実に71.3%を占めています。

このうち、標識などで最高速度がすでに制限されている道路は今回の対象ではなく、その規制に従う必要があります。
自動車と歩行者が衝突した場合、速度が時速30キロを超えると、歩行者の致死率が急激に上昇し、時速60キロの時と30キロの時を比べると致死率はおよそ18倍になります。
交通死亡事故の7割以上が時速30キロ以上というデータもあり、まさに命を守るための取り組みです。

