9月1日は防災の日です。熊本地震の発生から1か月余り。被災地では、生活を支えるための支援が続いています。その現場で見えてきた課題から、佐賀にいま必要な備えは何か。現地に入った県職員や支援団体の声から考えます。
【リポーター】
「熊本地震が発災してから佐賀県は支援を贈り続けています。県庁・危機管理センターでは、派遣する職員やホテル、公用車を調整しています」
7月の熊本地震、発災直後から職員を派遣してきた佐賀県庁。
ホワイトボードには職員の名前や行き先、期間などがびっしりと書き込まれています。
熊本県では一時、避難所に1万467人が身を寄せ、発災から1カ月経っても2400人余りが避難生活を余儀なくされています。
震度7を観測した氷川町で8月7日から10日間、支援にあたった県危機管理防災課の香田稜太さん。
行政と支援団体の間に入り、被災者のニーズを町に伝える「橋渡し役」を担いました。
発災直後の熊本県の対応について。
【佐賀県危機管理防災課 香田稜太さん】
「熊本県はかなり(訓練で)場数を踏んでいるし、実際の災害対応も経験している。熊本が蓄えている物資もあり、人・物の動きは、集まること自体は早かったと思う」
全国から次々と寄せられる大量の支援物資。
香田さんはそれらを前にして「佐賀だったらどうするか」そのさばき方に不安を感じました。
【県危機管理防災課 香田稜太さん】
「佐賀県でも、いっぱい物や人が入ってきた時、誰がさばく、音頭を取る、采配することは、今後課題になる。ただの置物にならないかという不安はあった」
県内では、SAGAサンライズパークなど5か所が大量に届く支援物資の受け入れ拠点に指定されています。
ただ、誰が仕分けどう運ぶのか。運用体制をさらに具体化し、民間の力を借りることも視野に入れています。
【県危機管理防災課 香田稜太さん】
「行政がやるより普段から荷物を集配する業者にお願いした方が絶対いいと思う。そこの準備が今から必要と(部署内で)話していた」
場所の見通しが立っている今、次の課題は各地から届いた支援物資をどう動かすのか。
宅配業者などとの連携や、物流の仕組みまで見通して備える必要がありそうです。
佐賀市にある災害支援団体シビックフォースの後藤忍さん。
発災からのべ7日、熊本県へ物資を送り続けてきました。
その中で見えてきたのは物資を「誰に届けるのか」という課題です。
【CivicForce 後藤忍さん】
「自治体の倉庫にいっぱい物があっても、本当に必要な人になかなか届かないことがよくある。今回、在宅避難者もかなりいるが全然把握が進んでいなかった」
指定避難所の避難者に比べ、在宅避難者や車中泊の人たちの状況については把握しにくいのが実情です。
そこでシビックフォースは、地域で物資を配る人やNPOと独自に連携し、支援を必要とする人を見つけて物資を届けることができました。
【CivicForce 後藤忍さん】
「(今後)自治会単位とかで、支援が必要な人を把握するとか避難状況を把握するという(構造が)必要だと思う」
避難所以外の「被災者」をどのように把握して、必要な支援をどう届けるのか。
抜け・漏れなく支援物資を届けるために、物流の体制と被災者の情報を把握する仕組みの両方を、平時の今見直す必要があります。
【原竹】
支援物資はほしいタイミングで手元にそろうとは限りません。
支援が届くまでを乗り切る一人一人の備えも必要です。
今回取材した県の防災担当者とシビックフォースは、国などの支援が届くまでに時間がかかることを想定し、最低3日分の食料や携帯トイレを備えておく。
車のガソリンは半分になったら満タンにする習慣をつける。
ポータブル電源や太陽光充電器などを備え、発災後3日間を慌てず過ごせるようにすることを呼びかけています。
行政や地域の備えも重要ですが、その支援が届くまでまず自分や家族を守るのは1人1人の備えです。
防災の日をきっかけに、自分や家族に何が必要なのか改めて確認してみてください。
