福岡県議会の最大会派、自民党県議団に所属する江藤秀之議員が31日、会派から「会員資格停止」の処分を受けました。
17日の臨時議会では、当時の蔵内勇夫議長の辞職勧告決議案の採決を中止する動議が自民党県議団の林泰輔議員から出され、自民党県議団の会派拘束に反して、江藤議員が会派内でただ1人反対に回りました。
この行動をめぐって自民党県議団は、江藤議員を12月議会閉会までの間、会員資格停止処分としました。
理由について自民党県議団の渡辺勝将会長は、江藤議員が動議提出の当日の議員総会で何の発言もせずに動議に反対したためだとし、江藤議員は会派の議員総会に出席できなくなるということです。
一方、江藤議員は31日、記者団の取材に応じ、処分について「中止動議に対する国民・県民の怒りを理解せず反対議員を処分することは、自民党県議団が県民感情を何一つ分かっていない証」「動議に拘束を乱用し、反対した議員を処分すること自体、議会制民主主義の根幹を揺るがす行為」などと厳しく批判しました。
江藤議員は吉松源昭議員とともに、正副議長ポストをめぐる金銭授受疑惑を証言しています。
記者団との主なやりとりは以下の通りです。
江藤議員:
今回の処分は、先般の臨時議会において蔵内議長に対する辞職勧告決議案の採決中止動議に対し、県議団が動議賛成への党議拘束をかけ、それに従わず反対票を投じた「党議拘束違反」とされています。
本来、党議拘束とは県民福祉や公の利益を守るために行使すべきものだと思っています。疑惑の渦中にある個人1人を守り、採決から逃れるための中止動議に党議拘束を乱用し、それに反対した議員を処分すること自体、議会制民主主義の根幹を揺るがす行為だと思っています。
蔵内前議長が議員辞職まで追い込まれた最大の要因は、あの中止動議によって採決から逃れたことにあります。その結果、党本部および高市総裁から「全員非公認」という極めて重い警告を受ける事態を招きました。党本部が県連に強く求めているのは、組織の自浄作用の確立です。
今回の処分は自浄作用を果たすどころか、都合の悪い意見を排除するものであり、党本部の意向に真っ向から逆行しています。あの中止動議に対する国民・県民の怒りを理解せず反対議員を処分することは、自民党県議団が県民感情を何一つ分かっていない証でもあります。
今問われているのは個人の処分や次期選挙における公認の是非といった内輪の損得勘定ではありません。自民党福岡県議団が507万人の県民から再び負託に足る組織として信頼を回復できるかどうかが問われています。
この私への処分を世論がどう受け止めるのか、より一層自民党への信頼失墜とはなりはしないか。自民党県議団ではもう一度慎重に議論をしていただきたい。
ーー処分を言い渡された際、渡辺会長には何か言ったか。
江藤議員:
承服することはできませんと言いました。先ほど言ったことを少し話して、もう一度議論はできませんかと。
ーー自民党県議団を出るつもりがないのは変わらないか。
江藤議員:
変わりないです。 自民党の中じゃないと物が言えないというのは分かると思っているので会派内にはおります。ただ会派の資格がないだけで、中におります。
ーー自民党を中から変えていくのか。
江藤議員:
渡辺会長とは「自助能力が今なくなっているんですよ」と話しました。「だから、これをしっかり作ってもらうのがあなたの仕事でしょう」とも言いました。
ーー渡辺会長は「(議員総会で)江藤議員から発言がなかったので、同じ方向を向いているのかどうかわからなかった」と話していたが。
江藤議員:
あのときは5分前に動議(の話)が出たんですよ。5分前に「こういうことやります」と言われても間に合わないですよ。「今から議論する」と言ったところで「なんでかけるんですか」とまた元に戻るので、動議には私は反対させていただきました。
ーー「同じ方向を向いてるかどうか分からない」という指摘については。
江藤議員:
同じ方向を向いてると思います。自浄能力を発揮させるとはっきり言っていただいたので、これは私も見させていただきたいと思うし、人事もできるだけ早めに役員を決めていくと言われたので「そこは頼むよ」とはっきり伝えました。
ーー自民党県議団の現状をどうみているか。
江藤議員:
自浄能力が欠けているということもはっきり言わせていただいたし、県議団としては少し若い人たちが言葉を発せるようになった。これが私が最初から言っている「若い人たちの声を吸い上げてくれ」ということだったので、今それが少しずつできているじゃないですかということも言わせていただいた。
ーー党本部から公認が出ない話になっていることについては。
江藤議員:
無所属でも頑張りますので。
ーー党本部から厳しい指摘を受けている県議団についてはどう思うか。
江藤議員:
ガバナンス、要は自浄能力が発揮できていないということをはっきり言われていると思うので、県議団と県連はちょっと違うのですが、一緒にやっていかなくちゃいけないと私は思っております。
――変わっていけると思うか。
江藤議員:
いけると思います。しっかりやります。
