俳優の大東駿介さんが、訪れた街のうんちくや、まだ地元住民にも知られていないような魅力を探す「発見!てくてく学」。
今回訪れたのは、神戸・三宮の地下街です。
三宮にある国内最大級のショッピングセンター「さんセンタープラザ」。
3つのビルで構成されたこの施設の地下1階には、100軒以上の飲食店が集まるグルメ激戦区が広がっています。1970年代の誕生以来、神戸っ子の胃袋を支え続けてきました。
【大東駿介さん】「三宮でお腹すいたら、ここ来たら何かしら見つかるわけや。いいですね、腹すかせてますよ!」
安くて美味い!バラエティ豊かな名店を大東さんがめぐります!
さらに、震災からの復興を「食」の力で乗り越えた歴史も学びます。
■ 飲食店が100店以上!
さんセンタープラザは、センタープラザ西館・センタープラザ・さんプラザと3つのビルで構成されています。
洋食店やパスタ店、とんかつ店など、100軒以上の飲食店が立ち並びます。
ひとりでランチに来たという女性が食べたのはカツオ専門店「才谷梅太郎」のカツオ丼。
自分好みのカツオのネタを選んで丼にすることができます。
カウンターの店が多く、女性ひとりでも気軽に入れるのも、さんセンタープラザの魅力です。
■なぜ飲食店が集まった?
ところで、なぜこれほど多くの飲食店が集まっているのでしょうか。
地下街で長年営業する和菓子店の女性に尋ねると、意外な歴史が明らかになりました。
もともとこの地下街は「公設市場」として機能していたのです。
跡継ぎがいなくなった市場の店舗が次々と空き、その跡地に飲食店が入っていったことで、現在のグルメ街が形成されたということです。
■1979年創業「吉兵衛」の秘伝かつ丼
和菓子店の方に「古くからある店」として教えてもらったのが、1979年創業の「かつ丼吉兵衛」です。ランチタイムは多くの会社員でにぎわっています。
2代目の上林守さんによると、先代は中学卒業後に料理の世界に入り、全国を修行して回った末、水産会社の紹介でこの地に店を構えたといいます。
吉兵衛のかつ丼は、甘み・うまみ・香りが絶妙なバランスの豚肩ロースを使用。
出汁で煮てもサクサク感が出るよう、ドライパン粉を採用しているのが特徴です。
一番人気は肩ロースの卵とじかつ丼で、創業から変わらないあっさりとした秘伝の出汁が肉のうまみを引き立てます。
さらに夏限定の「ひやだしかつ丼」も常連客から大人気。
冷えた出汁をカツ丼にかけてさらさらといただく一品に、大東さんも大興奮で食べ進めます。
【大東駿介さん】「初体験やな…。これはうまい!」
■神戸っ子の思い出の味「冷凍みかんゼリー」
吉兵衛には、神戸っ子なら誰もが知っているデザートがあります。
それが「冷凍みかんゼリー」です。
もともと神戸市の学校給食でしか食べられないものでしたが、上林さんがメーカーに掛け合い、飲食店でも販売できるようにしたのです。
給食では朝のうちに常温に出しておき、昼食時に半分溶けた「半シャリ」状態で食べるのが定番。
吉兵衛でもその絶妙な「半シャリ」を再現してお客さんに提供しています。
【上林さん】「親御さんと、いまの子どもと共通の食材で話題になったらいいかなと思って扱い始めました」
【大東駿介さん】「かつ丼の口直しとして完璧!」
■震災を乗り越えた「食の力」
1995年の阪神淡路大震災では、三宮の地下街も大きな被害を受けました。
ビルは傾き、立ち入りが制限される状態に。
当時中学1年生だった上林さんは、アーケードが落ちたその上を歩いた記憶があるといいます。
しかし先代は、「早く何か商売しないと」と、震災後わずか1か月以内にプロパンガスを手配し、地上で露店営業を始めました。周囲の店がまだ再開できない中、吉兵衛はいち早く営業していたということです。
当時の写真を見ると、「かつ丼400円」、「てんこ盛りプラス100円」と書かれています。
【大東駿介さん】「お父さんの人情味のある表現ですね。大森じゃなくててんこ盛り。元気が出る表現」
【上林さん】「先代の思い、『かつ丼を通して人に活力を提供できるんだ』と。そこを大切に、いまでもスタッフに『かつ丼で活力を』をミッションにやってます」
■餃子の名店「イチロー」の店名の由来は?
続いて大東さんが訪れたのは、1996年創業の餃子専門店「イチロー」。
上海出身の店主・翁金芳さんが営むこの店は、神戸ならではの「味噌だれ餃子」が名物です。
高級ブランド豚「神戸ポークプレミアム」を使い、粗めにカットしたキャベツをたっぷり入れて特注の薄皮で包みます。
白味噌と鰹出汁のまろやかな味噌だれと、辛口の自家製ラー油でいただきます。
【大東駿介さん】「皮もちもち!あんもさっぱりしてて美味い」
店名の由来も震災と深い関わりがありました。
当時、別の飲食店で働いていた翁さんは震災で職を失いました。
そんな中、イチロー選手が在籍していたオリックスブルーウェーブが「がんばろうKOBE」をスローガンに掲げリーグ優勝。
翁さんはイチロー選手から生きる勇気をもらい、翌年この店をオープンしたのです。
【翁金芳さん】「私も彼みたいに頑張って、みんなにおいしいもの作って、少しでも元気出せるように、こっちも頑張ろうと思って」
■餃子店が本気で作る究極のハンバーグ
そんなイチローのもう一つの人気メニューがハンバーグです。
どの店で食べても美味しいと感じなかった翁さんが、玉ねぎを7時間かけて炒めるなど試行錯誤を重ね、およそ10年前に販売を開始しました。
餃子と同じ焼き方でふっくらと仕上げるのが特徴の、肉汁たっぷりの逸品です。
塩コショウとデミグラスソースでいただきます。
【大東駿介さん】「美味しい!これまで食べたハンバーグと全然違う」
最後に大東さんはこう語りました。
【大東駿介さん】「神戸とか三宮は震災を経て、だからこそ、より想いが強くなって、飲食で人を元気づけたり。好転して素敵な店が育まれたんだなと、すごく感じました」
(関西テレビ「newsランナー 大東駿介の発見!てくてく学」2026年8月20日放送)
