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【北海道マラソン2026】名門・旭化成で社会人1年目の夏に挑む塩出翔太「一発ギャフンと言わせたい」  |FNNプライムオンライン

【北海道マラソン2026】名門・旭化成で社会人1年目の夏に挑む塩出翔太「一発ギャフンと言わせたい」  

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 青山学院大の箱根駅伝3連覇を支え、区間賞と区間新記録も手にした塩出翔太が、旭化成のユニフォームで真夏の札幌に立つ。
社会人1年目の夏。トラックシーズンのレース出場を見送り、照準を合わせてきたのが8月30日の北海道マラソンだ。フルマラソンは今年2月の別府大分毎日マラソンに続いて2度目。デビュー戦は途中棄権に終わったが、その悔しさを糧に、MGC出場権獲得を目指す。

別大の棄権を糧にMGC出場権へ

 「できればここでMGC出場権を獲得したいという思いで北海道マラソンに決めました」  別府大分毎日マラソンでは、途中棄権という結果に終わったが、その経験を次への糧にしている。
 「別大マラソンに一度エントリーして走らせてもらったんですけど、途中棄権ということで、マラソンのきつさや難しさを感じることができました。実業団に入って、新たな練習と環境で北海道マラソンにチャレンジしたいなという思いで取り組んでいます」

 実業団入り後、最初のマラソンをあえて夏に設定した。チームの監督、コーチからは難しいレースになることも伝えられていた。
 「監督、コーチには『難しいマラソンにはなるよ』と言われていました。ここでいいきっかけをつくりたいなっていうのもありましたし、しっかりMGC出場権を獲得したいという思いがあったので、この大会に絞らせてもらったというのもきっかけではあります」

 北海道マラソンは映像でも見たことがなかったという。
 「全部が初めてっていう感じですが、練習はできているのでしっかり先頭集団に食らいついていきたいなというのはあります」

故障明けから積み上げた土台 鍵は暑さへの対応

 入社直後はアキレス腱などを痛め、トラックレースには出場しなかった。社会人としてスピード練習に取り組む移行期に、故障が重なったという。それでも、北海道マラソンに向けた準備は着実に進んでいる。
 「入社してすぐはアキレス腱など、いろいろ故障がありました。トラックレースには出ず、北海道マラソンに合わせて練習してきましたが、順調に距離も踏めていますし、練習もできています。残り1か月ほどで状態を上げて、3位以内を狙っていきたいです」

 実業団では、競技にかけられる時間が増えた。走り込みやトレーニングにより多くの時間を使える環境に身を置き、マラソンに必要な土台をつくってきた。一方、夏のフルマラソンで最も重要になるのは暑さへの対応だ。
 「まずは暑さに慣れることが大切だと思います。あとは土台づくり。まだ距離踏めると思うので、しっかり距離踏んで北海道マラソンにチャレンジしたいです」

7月・士別ハーフマラソン
7月・士別ハーフマラソン
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レースプランは「ついていく」 勝負は30km以降

 MGC出場権を狙う選手が揃う北海道マラソンは、厳しいレースになることが予想される。塩出が描くレースプランは、強い選手が作る集団で粘り、後半の勝負に備える。
 「30km、35km以降にばらけてきたとき、仕掛けた選手についていけるかが大事になると思いますし、こぼれたら厳しいと思います」

 自ら先頭でペースをつくるのではなく、まずは集団に食らいつく。夏のレースでは、早い段階からふるい落としが始まる可能性も見据えている。
 「自分で引っ張るというより、ついていくことが一番です。強い選手が集まると聞いているので、必然的にハイペースになったり、ハーフくらいまでにふるい落としが始まったりすると思います。やってきた練習を信じて、ひたすらついていく。後半勝負ということだけを考えて走りたいです」

 別大で実感したのは、マラソンには練習だけでは測れない難しさがあるということだった。暑さやレース展開にも左右される後半戦への警戒とともに、練習の手応えがそのまま結果につながるとは限らない怖さも知った。
 「30km以降は本当にきつくなります。精神的にも体的にもそうですし、レース展開や暑さによっても変わってくる。それがマラソンの難しさだと思います」
「練習ができていて、状態がいいと分かっていても、走り始めて30kmを過ぎてから一気に落ちることもある。本当にごまかしが利かない競技だと感じます」

練習中の塩出翔太選手
練習中の塩出翔太選手

駅伝とマラソンは「全く違う」 一人で積む距離

 大学時代は駅伝を軸に、チーム全員で一つのレースへ向かった。実業団に入り、マラソンを主戦場に据える中で、その景色は大きく変わった。
 「練習は全く違います。長距離という一つのくくりにまとめられがちですが、マラソンは練習から本当にきつくて、ひたすらに距離を踏みます。5000m、10000mとも全く違う練習で仕上げていきます」

 駅伝を軸に、チームで同じ目標を追った大学時代とは異なり、実業団では個人の目標レースに合わせた準備が中心になる。
 「大学では、一つのレースをみんなで狙っていくことが多かったです。実業団では、自分が出たいレースを狙っていく。トラック選手はトラックに、マラソン選手はマラソンに向けて練習するので、個人で練習することが多くなりました」

 「駅伝は、みんなで狙った大会に合わせていくので、きつい時も声を掛け合って頑張れると思います。でもマラソンは、自分が出たいレースに合わせていくので、練習も一人になります。40km走など、きつい練習も月に4、5本入ってきます」

名門・旭化成を選んだ理由「好きだけじゃ走れない」

 進路に選んだのは、実業団屈指の名門だった。
 「逃げられない環境でやりたいという思いがありました。やるなら強いチームでやりたい。妥協したくなかったので、強いチームに入ってしっかり走るという気持ちで旭化成を選びました」

 学生時代と異なり、走ることは仕事にもなった。会社を背負い、報酬を受けて競技に向き合う責任が、日々の練習に対する意識を変えた。
 「お金をいただいている以上、ある程度結果を残さないといけない。好きだけじゃ走れないなっていうことは感じています」

 青学大で過ごした4年間は、競技面でも精神面でも今につながっている。
 「めったにできない経験だったと思います。陸上を続ける中で、チームスポーツで勝つ経験はこれから先もなかなかできないと思うので、本当にいい経験でした」

 大学時代の練習は、現在の自分の状態を測る基準にもなっている。
「実業団に入っても、大学時代の練習と比べて、これができているからレースもこれくらいいけるだろう、という一つの指標になっています」

 原晋監督から学んだのは、競技以前の部分でもあった。生活規律や時間管理、チーム内で意見をすり合わせることの重要性だ。
「監督がテレビでも話されていますが、私生活の面では本当に厳しい方でした。時間の徹底や、寮でのルールもそうですし、ミーティングも多かったです」
「チームの意見をすり合わせることの大切さを、大学の中で感じました」

塩出翔太選手(左)と大六野秀畝選手(右)
塩出翔太選手(左)と大六野秀畝選手(右)

同期・黒田朝日への悔しさ「一発ギャフンと言わせたい」

 今年2月の別大では、同学年の黒田朝日(GMOインターネットグループ)がMGC出場権を手にした。一方の塩出は途中棄権。そこには、尊敬と悔しさの両方が残った。
 「本当に、すごいなと思いました。取るだろうなとは思っていましたし、大学3年のころからマラソンにチャレンジして結果を出していたので、年間を通じた結果を見ても取るんだろうなという感じはありました」

 別大で塩出は、黒田の走りを頼りにしながら勝負する展開を思い描いていた。
「彼についていって、最後に体力を残して勝負できるかというプランでした。でも、全く歯が立たなかった。自分にとっては初めて本格的に走るマラソンでもあって、走り方も正直よく分からなかったです」
「すごいという気持ちがある反面、悔しいという気持ちも半分ありました」

 大学卒業後は所属が分かれ、駅伝でもライバルとして対戦することになる。
「もちろん意識しています。同期ですし、これからは全く別のチームで、駅伝でもGMOがライバルになってくると思います。黒田を意識して駅伝やマラソンに取り組んでいきたいです」

 だからこそ、夏のマラソンで結果を残す意味は大きい。
「夏のマラソンで取れたらインパクトを与えられると思います。自分も駅伝やほかのマラソンに向けて集中して練習することができると思うので、取って一発ギャフンと言わせたいという気持ちはあります」

夏のマラソンで結果を残す
夏のマラソンで結果を残す

MGC、そして日の丸へ

 MGCは、憧れの舞台でもある。
 「マラソンにはいろいろなレースがありますが、タイムや順位の条件をクリアした選手しか出られないレースです。そもそもレベルが高いと思います」
 「まずは出場しないと話にならない段階があると思います。出場して、その経験を味わうってことが大切になる。北海道をはじめ、ほかのレースでも頑張っていきたいです」

 その先に見据えるのは五輪や世界大会だ。塩出は、世界の選手と戦う可能性をロードに感じている。
 「もちろん五輪や世界大会には出たいです。海外の選手としっかり戦えるのは、正直、マラソンなのかなって思っています。自分はトラックよりもロードの方が可能性あると思うので、チャレンジするからには、そういう舞台に立てるように頑張りたいです」

 多くのランナーと観衆が集う北海道マラソンで、青学大卒業後も成長を続ける姿を示したいと考えている。
 「自分がマラソンで活躍すれば、旭化成のチーム全体にもいい影響を与えられると思います。応援してくださる皆さんにも、青学を卒業しても頑張っている姿を見せられたらいいです」

 厳しい暑さ、直線が続く新川通、そして30km以降の消耗戦。社会人1年目の塩出は、未知の条件がそろう札幌で「ついていく」と腹を決めた。先頭集団で粘り、MGC出場権を目指す。その先には、同期への“回答”と、日の丸を背負う未来がある。

<放送予定>
「カネカスポーツスペシャル北海道マラソン2026」
8月30日(日) 朝8時25分~(UHB・北海道ローカル)
8月30日(日) 朝8時28分~(BSフジ)
<ゲスト・解説>
ハリー杉山(テイクオフ)
増田明美(スポーツジャーナリスト)
渡辺康幸(住友電工陸上競技部監督)

北海道文化放送
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