火葬も埋葬もせずに捨てる人もいる。
最近はコンビニのゴミ箱に捨てているケースもあるという。
齋藤さんも「コンビニから、『ゴミ箱にペットの遺体が捨ててある』と連絡が入ることもあります。
そういう場合は無料で引き取り、火葬して供養しています」と話す。
また、動物の遺体は一般廃棄物なので、1匹いくらか払ってゴミ処理する人もいるという。
以下、齋藤さんの話をまとめる。
「ペットの死は子どもを失う悲しみに近い」
「ペットの死を深く悲しむご家族は多いですね。
人間社会のスタンダードを年老いた両親、ご自身夫婦、子供だとします。
亡くなる順番でいえば両親、次に自分たち、子供です。
ご両親が亡くなるのは悲しいけど、大往生なら仕方がない面もある。
ところが、病気とか事故で子供が突然、先に亡くなったら……。
その時の悲しみは他人には計り知れないものがあると思います。
親が先に亡くなるのとはやはり違います。
ペットの死はそんな子供が先に亡くなった時の感情と似ていると思います。
心の準備ができていない、どうしていいかわからない状態。
ですから、ペットの葬儀ではシクシク泣くというわきまえた感じではなく、人目もはばからず、ウワーッという感じで、大きな声で泣かれる方が多いんです。
それはどんな大人の方でも、です。
ペットの死は特別なものだと思います。
何かの信仰なのか、ご自身の気持ちの問題なのかわかりませんが、お骨を自分の身体の一部にしたいという人がいて、少量を食べる方もいらっしゃいます」
四十九日法要から納骨まで 霊園が担う供養
大森ペット霊堂では火葬後、骨壺を預かり、供養もしている。
約1500の家族から預かっているが、1家族で2体といったケースもあるので全部で2000体ほど。
「ここで火葬したご家族には四十九日とか一周忌とかにご連絡を差し上げるようにしています。
ここで法要をやってほしいという意味ではなく、つい忘れている人もいるのでそのお知らせが目的です。
お正月とお盆には必ず、お経をあげてもらうので、預けている方がたくさんお参りに見えます。
それから毎週土曜日にもお経を読んでもらっているので、そのおりに来られる方もいます。
宗派は日蓮宗、浄土真宗ですが、ご要望があれば、他の宗派、キリスト教の方にも対応しています」
「全国から埋葬してほしいという依頼もあります。
北海道とか遠方からここまで遺体を持ってくるのは難しいので、遺骨を送って来て、ここでペットを安眠させてほしいという方です。
その場合は埋葬料として1万円いただいています」
同霊堂では1日に10体ほど火葬する。
1年で3600体。
25年として9万体を火葬してきた計算になる。
峯田淳1959(昭和34)年山形県生まれ。コラムニスト。
埼玉大学卒業。フリーランスを経て日刊現代入社、芸能文化編集部長を経て編集委員。
退社後も「日刊ゲンダイ」の編集を含め執筆活動。編著に『おふくろメシ 80のごはんの物語』、著書に『旅打ちグルメ放浪記』など。

