「ミャンマー国籍の男性らが警察署へ入ります」(木村洋太記者)
ミャンマー労働者を虐待か―農場の実質的な経営者らを刑事告訴
倶知安警察署に入っていくミャンマー国籍の労働者。

労働組合とともに北海道後志の京極町にある農場の実質的な経営者らを刑事告訴した。
当時19歳のミャンマー国籍の男性は7月5日、京極町の農業法人の実質的な経営者の町議とその息子の2人から畑で金属製の棒でたたかれ、けがをしたほか、翌日、平手打ちされるなどの暴行を受けたと訴えている。

「特定技能労働者」として入国―日常的に暴力や脅迫的な言動に…
男性は、国内の人手不足をカバーするため、農業や建設、食品製造など14分野に導入されている「特定技能労働者」として入国していた。

告訴状によると、男性らミャンマー国籍の労働者らは、日常的に暴力や脅迫的な言動にさらされていたという。
「今回の被害はごく一部で告訴事実に限らず全体について真相究明していただきたい」(代理人の小野寺信勝弁護士)

現場で繰り返される虐待行為の一部始終
「わからんか、この野郎。ちょっとこい、こいって、だから教えてやるから」(農業法人の関係者)

暴言を吐かれて服をつかまれ、倉庫の外に引っ張り出されたのは、ミャンマー国籍の特定技能労働者。
農場で撮影された映像や音声には、現場で繰り返される虐待行為の一部始終が残されていた。

「みんなクビになるぞ」「代わりはいくらでもいる」と暴言
「お前たちみんなクビになるぞ。ちゃんと理解しないとミャンマーに帰すぞ。インドネシア人でもベトナム人でもいるんだから。お前たちの代わりくらいすぐいるんだから」(農業法人の関係者)
理不尽とも捉えられる暴言は、ほかにも。
「どうして社長でも専務でも俺の言うことも聞かないんだ。お前たちの雇い主だぞ。この人から仕事もらってるんだぞ。言うこと聞かないでどうするんだよ」(農業法人の関係者)
札幌地域労働組合によると、ミャンマー国籍の10代から30代の特定技能労働者6人は、京極町の農業法人の関係者から金属製の棒でたたかれたり、セクハラを受けたりした人がいるという。

現場では約20人が労働 逃げ出した人は複数か
故郷から遠く離れ、夢を抱いて飛び込んだ地で受け続けた虐待。現場では約20人が働いているという。

もともと30人以上いたミャンマーからの労働者の中には、逃げ出した人が複数いるという話も。
暴行を受けたミャンマーからの労働者は…。
「足がたくさん痛い。たたかれた時は怖かった」(告訴した男性)
UHBは農業法人側に取材を申し込んだが―

「いまは対応しない。何かあればこちらから連絡すると話していました」
告訴状が提出された警察は、「中身を精査して適切に対応いたします」とコメントしている。
特定技能労働者側の主張
ミャンマー国籍の特定技能労働者側の主張を時系列にまとめた。

2026年の5月18日に日本に入国、翌19日から仕事を始めている。
その3日後、 5月22日には初めての暴行。この日以降、「機械を壊した」「羊が逃げた」などと理由をつけられて暴行を受けていた。また「胸をつつく」「尻をたたく」などのセクハラが行われていた。
7月26日に退職し男女6人は保護され、8月24日、刑事告訴に至っている。
告訴に至った男性の主張は、より具体的だ。
7月5日に受けた暴行は、畑で金属製の棒で足や腕・頭をたたかれ、けがを負った。さらに、事務所で胸を蹴られたということ。
さらに、翌日、首を絞められて平手打ちをされたということ。
代理人によると、これはごく一部で、全体の真相解明をしていかなければならないとのこと。
日本で働く外国人の方の数がどんどん増える中で、安心して働けない労働環境が常態化していたとしたらショックなことだ。
警察は、告訴状の対応を検討するとしている。
