熊本県で最大震度7を観測した地震の発生から4週間。今回の地震では地域で長く根付いてきた老舗の商店も多く被災している。今年でちょうど創業100年を迎えた氷川町の味噌醤油蔵もその一つだ。被災し倒壊の恐れがあるとして店主は軒先避難しながら生活している。
創業100年の老舗味噌醤油蔵が被災
今田長八商店・今田和美さん(74):
一番奥が「ところてん」を作る部屋だったけれど全く通れない。行ったら危ない。ここ(天井や壁)が落ちてくるんじゃないか。

氷川町宮原の「今田長八(いまだちょうはち)商店」。味噌や醤油を作る老舗の醸造元だ。創業は今からちょうど100年前の1926年。
12年前の2014年、私たちは「塩こうじ」の取材で今田さんの元を訪ねていた。

今田長八商店・今田和美さん(2014年取材):
塩味は感じるが、うまみがある。そこが“麹の力”だと思う。

素朴な素材と手作りにこだわり、地域の食卓を長年支えてきた蔵元は、今回の地震で倒壊こそ免れたものの、大きな被害に遭った。
建物の裏に案内してもらうと…。
今田長八商店・今田和美さん:
ここから見るとこんな状態。

隣の家屋が今にも崩れ落ちてきそうな状態で、今田さんの店舗兼住宅は、2階の住居部分が大きく下に沈み込み危険性が高いため、立ち入らないようにしているという。

店先に並んだペットボトルは、近くの川や井戸から汲んできた水だ。断水が長引いていたため、こうして日なたで温めてお風呂に使っていた。
軒先避難の生活 倉庫を仮住まいに
今田長八商店・今田和美さん:
(Q.今はここが住まいですか?)ここで昼間とか夕方とかゆっくりしていて、(ベッドの)基礎も(家族が)作ってくれて、(自宅の)畳を作ってここに置いた。

道向かいの倉庫の方が安全ということで取り急ぎ、家財道具を運び込み、仮の住まいとしている。

夫の正明さんは、駐車場で車中泊をしている。

今田長八商店・今田正明さん(72):
(大変なのは)みんな一緒ばってんね。まさかね…。(揺れへの)恐怖はある。ビクッてする。それでここで生活している、ここは安心だから…。
今田長八商店・今田和美さん:
これが唯一あるので、またうち独特の味噌が仕込める。

地震の前に仕込んでいた味噌や醤油など難を逃れた商品もあり、できる範囲で販売しながら、店と住まいをどうするか、今後の行く先を考えている。

今田長八商店・今田和美さん:
暮らせる場所を確保したのちに、そこで、こぢんまりした店をつくりたいと思ってる。店はしたい。神様が「もうちょっと仕事せえよ」っておっしゃってくださるかなって…そんなふうに受け止めている。

