伊東市の前市長・田久保眞紀 被告の学歴詐称問題をめぐり、田久保被告のパソコンから、偽造した「卒業証書」とみられるデータが押収されていたことが捜査関係者への取材でわかった。田久保被告の犯行を裏付ける重要な証拠と言えそうだ。
偽の卒業証書を作成した罪などで在宅起訴
伊東市の前市長・田久保眞紀 被告は、大学を除籍されていたにもかかわらず、経歴調査票や市の広報誌に「東洋大学法学部卒業」と記した学歴詐称が問題となり、二度にわたる不信任の議決の末に失職したほか、2026年3月には、偽の卒業証書を作成し市議会の正副議長などに見せたとされる有印私文書偽造・同行使、市議会の百条委員会で虚偽の証言をしたとされる地方自治法違反の罪で在宅起訴されている。
卒業証書偽造の手口 「卒業」の認識は?
田久保被告は2025年6月28日に東洋大学へ訪れた際に初めて除籍となった事実を知ったと、同年7月2日の会見で明かし、その後も一貫して同様の主張を繰り返してきた。7月2日の会見では「一度卒業という扱いになってなぜ除籍になっているのかはきちんと事実関係に基づいて確認していかないと(いけない)」とまで述べている。
ところが、起訴状によると、田久保被告は市長に就任した5月29日から6月4日までの間に卒業証書を”自作”し、さらにはインターネットを通じて業者に作成させた学長名と学部長名の印鑑を押印するなどしたとされる。それでも卒業したという認識だったのだろうか。
取得した単位は卒業に必要な半分程度
捜査関係者によれば、田久保被告は市長就任後、市職員から卒業を証明する資料の提出を求められていて、その翌日に印鑑を発注していたと見られている。少なくともこの時点ではすでに東洋大学を卒業していない認識を有していたと考えられる。田久保被告が東洋大学で取得した単位は、卒業に必要な単位の半分程度だったという。
そして、静岡県警は2026年2月14日、伊東市にある田久保被告の自宅を家宅捜索した。捜索は約7時間に及び、警察は押収した資料を手に現地を後にしている。捜査関係者によると、これらの捜査で田久保被告のパソコンから、偽造した「卒業証書」とみられるデータが押収されていたという。
「押収拒絶権」を盾に「卒業証書」提出拒否
偽造されたとされる卒業証書は重要な証拠であることは間違いないが、田久保被告は代理人弁護士の福島正洋 弁護士に預けており、福島弁護士は刑事訴訟法に規定された「押収拒絶権」を盾に捜査機関への提出を拒否した。
証拠隠滅の疑いで告発
このため、この学歴詐称問題で発足した市民団体のメンバーである伊東市民は8月19日、偽造したとされる「卒業証書」について、福島弁護士が捜査機関からの提出を拒否し、所属する法律会計事務所の金庫に保管していたのは証拠隠滅にあたるとして、東京地方検察庁に告発した。
これまでのテレビ静岡の取材に対し、福島弁護士は、押収拒絶権について「日本の弁護士で一番研究している自信がある」と強い自負をのぞかせていた。
犯行を否認する文書 法廷で無罪主張へ
そして、捜査関係者によると、田久保被告側はこれまでの主張通り「本人が卒業したと思っていたので、そもそも偽造する動機がない」とする旨の犯行を否認する文書を裁判所に提出している。また、「卒業証書が本物であるかどうかの証明のための積極的な証拠の提出はしない」という理由で、偽造されたとされる「卒業証書」は提出しない考えを示しているという。
田久保 被告は裁判でも無罪を主張するとみられ、法廷での検察との闘いが注目される。
(テレビ静岡)

