2025年10月に行われた伊東市議会議員選挙で当選した20人の中で唯一、田久保眞紀 前市長を支持していた新人の片桐基至 議員に浮上していた経歴詐称疑惑。警察署への告発が不受理となったことを受け、告発人は2026年7月31日、静岡地方検察庁に田久保氏や片桐氏を公職選挙法違反の罪で告発した。
訓練で”脱落”もパイロット?
2025年10月の伊東市議選で1351票を獲得し初当選した片桐基至 議員は告示前から田久保眞紀 前市長を支持すると表明し、田久保前市長に対して二度目の不信任案が提出された際は反対討論を行なった上で全議員の中で唯一反対票を投じた。
高校卒業後、航空自衛隊に13年間在籍していた片桐議員は、選挙戦に向けて作成したリーフレットやホームページで、自身の経歴について「航空機整備員、パイロット及び防空システム管理者に従事」などと記していたが、「疑念を抱く方がいる」として11月4日にSNSを更新。この中で、片桐議員は「詳しく経験を書くのであれば、基本操縦(T-4)後期課程の途中(飛行時間200時間超)でコースアウトとなりました。ウイングマークは取得していません」と明らかにした上で「伊東市民への対面においては、ウイングマークを取得していない事は日頃より伝えております」と釈明している。
ただ、航空自衛隊によると、すべての基本操縦過程を通過し、ウイングマークを取得した隊員ついて「パイロット」と呼び、コースアウトとは技量不足などを理由に罷免されたことを意味するという。このため、「コースアウトし、ウイングマークを取得できなかった人が『パイロットに従事した』と言えるのか?」という質問に対しては「パイロットになれなかった人」との認識を示している。
一方、片桐議員はSNSであわせて「選挙時に問題があるものか法律家に確認したところ、飛行していたのは事実であるので問題ないとのことでした」とも記していて、航空自衛隊の見解を受けて取材を申し込んだところ「私としては、パンフレット(リーフレット)は主な職歴というか、業務内容のような形でやっていて、パイロットになったと言うつもりはなかった。以前の選挙などは(航空)学生という感じで書いていたので、地元の人にもウイングマークを取得していないというのは言っていて、みんなそういう認識だった。やっていた仕事として整備員とパイロット、システム管理という感じで表記していたので、肩書きとしてパイロットと言うつもりはなかった。自分でも元空自パイロットという肩書は今までも使ったことがない」と述べた。
田久保氏も“虚偽”の経歴を紹介
片桐議員をめぐっては、田久保前市長も市議選の前に自身のSNSで「元航空自衛隊のパイロットで空を飛びながら『真に日本を守るためには政治を変える必要がある』と決意して政治家を志した」と紹介していた。
このため千葉県に住む30代の自治体職員の男性は、片桐氏が「パイロット」などと虚偽の公表をしたことや、田久保 前市長が片桐氏を当選させる目的で、SNSで「元航空自衛隊のパイロット」などと虚偽の経歴を公表する紹介する投稿をしたことは、伊東市議会議員選挙に関連して行われた選挙運動における虚偽事項公表事案にあたり、公職選挙法に違反しているとして、2025年10月に伊東警察署に告発状を提出した。しかし、告発人によると、警察は2026年3月「不受理」とした。
警察で「不受理」も…静岡地検に告発
「不受理」となったものの、男性は、航空自衛隊がウイングマークの未取得者を「パイロットになれなかった人」との認識を示す報道があったことや、「法律家への確認があったとしても虚偽事項公表罪の故意は否定されない」とする弁護士の見解を新しい証拠として、2026年7月31日静岡地方検察庁に告発した。
「市民を二重に欺き極めて悪質」
告発した男性は、「学歴詐称問題で市政の信頼を大きく損なった田久保氏が支援する候補者らにおいても、再び経歴詐称の疑いが生じたことは伊東市民を二重に欺くものであり、極めて悪質だと言わざるを得ません」「捜査当局においては、速やかに事実関係を精査し、厳正な処分がなされることを強く求めます」とコメントしている。
別の落選候補も告発
なお、千葉県の男性は「伊東市議選で落選した候補者も、大手インターネット通販会社に勤務していた事実がないのに、選挙公報などで、大手インターネット通販会社のコンサルタントと虚偽の経歴を公表した」として、公職選挙法の虚偽事項公表罪で告発した。
(テレビ静岡)

