8月も後半になった今も、鹿児島県内では猛暑日が予想される地点があり、熱中症への警戒は続いている。そんな中、鹿屋市の病院の医師が「グラウンドゴルフで体調を崩す高齢者が後を絶たない」と注意を呼びかけている。「楽しいことをしているにもかかわらず、命に関わる状態に陥る可能性がある」——その言葉の重さは、現場の診察室から生まれたものだ。

血液検査で発覚した「隠れ熱中症」

鹿屋市にある大隅鹿屋病院の循環器内科・辻貴裕院長は、今シーズン、グラウンドゴルフに参加した高齢者が熱中症に至るケースを複数診察している。

辻院長が特に印象的だと語るのは、症状を自覚していない患者のケースだ。「たまたま私の定期の外来に来られた方が血液検査をするとすごく脱水になっていて、『きのう、グラウンドゴルフに行きませんでしたか?』と言うと『その通りです』」。自覚症状がないまま深刻な脱水状態になっていたという。

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さらに先週には、91歳の男性患者が「人が足りないからお願いされて」グラウンドゴルフに参加し、その日のうちに倒れ込んで軽い熱中症で入院した。辻院長によると、今シーズンだけで入院に至ったケースがすでに2件ある。

「断りづらい」空気が危険を招く

グラウンドゴルフは高齢者の間に広く普及している生涯スポーツであり、地域のコミュニティを支える憩いの場でもある。しかしその「チームプレー」という性質が、一つの落とし穴になっていると辻院長は指摘する。

診察した患者たちは口をそろえて「チームプレーなので、体調がすぐれない日や気温が高い日でも断りづらい」と話すという。91歳の男性も「無理して行った」という状況だった。楽しさとコミュニティへの義務感が重なることで、高齢者が自身の体調よりも参加を優先してしまうのだ。

 
 

「きょうは暑いので参加しなくていい」と言える仕組みを

辻院長は個人の努力だけでなく、チーム全体での対応を求めている。「本人、家族、もしくはチームのリーダーでも臨機応変に『きょうは暑いので参加されなくてもいいですよ』というような仕組みをうまく作れるといいと思う」と話す。

高齢になると暑さを感じにくくなったり、体内の水分調節機能が低下したりするため、自覚のないまま熱中症が進行するリスクが高い。辻院長が「大事な問題だと思う」と言葉に力を込めるのは、そうした医学的な背景があるからでもある。

鹿児島県内では来週にかけても猛暑日が予想される地点がある。グラウンドゴルフを楽しむ高齢者とその家族、そしてチームを率いるリーダーたちが「今日は休もう」と言い合える仕組みをつくることが、命を守る第一歩となる。

【動画で見る▶まだまだ続く暑い日々 「グラウンドゴルフで熱中症」に注意を 】

鹿児島テレビ
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