2026年4月、島根県警に新たな部署「検視官室」が新設されました。
現場に赴いて、遺体の状況から事件性がないかを調べる検視官を増員したためです。
“声なき証言者”、遺体に向き合う検視官を取材しました。

島根県警察本部に2026年4月、新設された「検視官室」の足立大樹室長(44)。

検視官室・足立大樹室長:
色々わからないこともあって、その都度こういったもので調べたり勉強したりとか。

机の下から取り出したのは、人間の体のしくみに関する本。
検視官になって2年目、医学的な疑問はその都度確認しています。

「検視官」は、死因のわからない遺体が事件や犯罪とのかかわりがないかを判断する専門職員で、刑事として10年以上の捜査経験があり、法医学の専門研修を受けた警部、警視などの警察官が務めます。
島根県警では今2026年度に2人増員され、あわせて7人が新設された「検視官室」に配属されました。

「死因がわからない」、「外傷がある」などの理由で警察が調べた遺体の数は、島根県内では2025年に1171体、10年前の約1.3倍に増加しています。
そのほとんどは病死と判断され、全体の4割は一人暮らし、自宅で亡くなっていました。

少子高齢化が進み、こうした「孤独死」が年々増加する中、「検視官」の仕事も
増えています。

検視官室・足立大樹室長:
犯罪性の見逃し、要は事件性のあるご遺体を事件性がないという誤った判断するというのが1番避けたいこと。

警察署から連絡を受けると、検視官は現場に向かいます。

検視官室・足立大樹室長:
(捜査員が)現場に到着してから概要をまとめてもらって逐一、臨場途中に電話で報告が入ってきて、必要な指示をこちらから出す。

検視では、現場の状況を確認したうえで遺体を警察署の霊安室に移すケースも少なくありません。

検視官室・足立大樹室長:
こちらが「霊安室」になりまして、大体この霊安室の中でご遺体の検視をすることになります。

松江警察署の霊安室…それほど広くない部屋の真ん中に寝台が置かれています。

検視官室・足立大樹室長:
基本的にはビニール手袋、腕抜き、帽子、マスク。こういった形で検視をすることになります。

検視は、サポート役の警察官と2人組で行われます。

検視官室・足立大樹室長:
頭の傷は結構重要になるので、クシで髪をかき分けていって丁寧に、小さな傷も見落とさないように。

かたわらにはさまざまな器具。
まぶたの裏などを調べるときに使うピンセットは、遺体が傷つかないよう先端が丸く加工されています。
遺体の尊厳を守りながら、遺体の状況と亡くなった経緯に矛盾がないか慎重に調べます。

検視官室・足立大樹室長:
見た目には小さな傷、目立たない傷なんですけど実際、体の中は大きく出血したりとか骨折してたりとかいったこともありますので、些細な傷も見逃さないように
注意して体を綿密に見ていくという形になります。

検視が終わると記録を整理、必要があれば司法解剖を行う手続きをとります。

検視官室・足立大樹室長:
検視官という仕事はやっぱり、そんな希望してやりたいっていう人は少ないと思うが、やっぱりすごくやりがいのある仕事だと思いますし、本当に大事な仕事だと思っているので。

心身の負担などを配慮して、検視官の任期は2年程度、検視官になって2年目の足立室長も「声なき証言者」に向き合う毎日です。

検視官室・足立大樹室長:
亡くなった方の最後の声をしっかり聞いてあげることにもつながると思いますし、ご遺族に対して説明できることも増えると思うので、そういう意識で頑張っていきたい。

TSKさんいん中央テレビ
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