捕獲したクジラを船内に引き込み、解体・冷凍保管までできる世界で唯一の捕鯨母船『関鯨丸』が、就航後、博多港に初めて入港した。

船内で解体・冷帯保存“海のクジラ工場”

8月20日、夏の陽射しに照らされた博多港に姿を現した捕鯨船『関鯨丸』。老朽化した前任の『日新丸』に代わり2024年に竣工した日本の商業捕鯨を支える中核船だ。

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全長約112メートル、重さ約9300トン。モーター駆動の電気推進システムを採用した最新鋭の設備と機能を備えた海上工場型の設計が特徴の関鯨丸。

2019年に日本がIWC(国際捕鯨委員会)脱退後に再開された日本独自の商業捕鯨体制の象徴でもある。

巨大な船体から鯨の“かぶり物”を着けて降りてきたのは、船を所有する『共同船舶』社長の所英樹さんだ。

「この関鯨丸、補助金1円も入っていません。80億円かかりましたが、全部借り入れです。私が死んだ時には、骨はここから撒いて欲しいというくらい愛しています」とクジラへの愛を語り、報道陣に鯨の論文が掲載された学術誌を手渡した。

重さ最大70トン級のクジラを引き揚げることが可能な関鯨丸は、2026年4月18日に母港の下関港を出港。小型捕鯨船と船団を組んで北海道や東北沖などの排他的経済水域(EEZ)内で操業。

2024年に水産庁が商業捕鯨の対象として約50年ぶりに捕獲解禁となったナガスクジラなど、捕鯨船が捕った鯨を船内の最新設備で解体・冷凍保存し、港で陸揚げする。

2026年は既に121頭のクジラを捕獲しているという。

課題は鯨肉の消費拡大

この日、船の乗組員のために作られたクジラベーコンが報道陣に振舞われた。口に入れると、柔らかくて上品な脂の甘さが伝わってくる。

鯨肉を巡っては、国内の消費量をいかに増やしていくか。反捕鯨団体からの反発を危惧して、鯨肉を取り扱わない大手スーパーも少なくないという中、需要喚起が課題となっている。このため、共同船舶は、生肉を下関市や福岡市など各地の市場に上場するなど、さまざまな取り組みを展開している。

今回捕獲した鯨肉は、8月21日、福岡市内のスーパーで販売される予定だ。

共同船舶は「非常に体にもいいことは間違いない。クジラの美味しさを福岡の人にも知って欲しい」と、鯨肉の消費拡大に意欲を見せていた。

(テレビ西日本)

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