北海道・東北のFNN各局が取材したシリーズ企画。今回は「この夏、ひと駅寄り道」をテーマに、ターミナル駅や有名な観光地の最寄り駅の1つ隣の駅に注目した。山形からは、JR鶴岡駅の隣・羽前大山駅を起点に、数百年継承された60種類以上の「在来作物」を用いた伝統の漬物や、江戸時代の製法を今に伝える蔵元の地酒、さらには加茂水族館で味わえる世界唯一のクラゲ料理など、風土が育んだ奥深い食の魅力を伝える。
漬物グランプリ入賞の在来野菜ピクルス
山形・鶴岡市(つるおかし)は庄内平野に位置し、雄大な山々と日本海に囲まれ、豊かな食材と独自の食文化を誇り、日本で初めて「ユネスコ食文化創造都市」に認定された。
夏の行楽シーズンを迎え、ターミナル駅であるJR鶴岡駅の1つ隣のJR羽前大山駅から街歩きをスタートさせる。
まず訪れたのは、駅から歩いてすぐ目に入る歴史を感じる建物、100年以上の歴史を持つ老舗漬物店“本長(ほんちょう)”。

店内には年間を通じて約50種類の商品が並び、そのうち約10種類は地元で守られてきた在来野菜を使用している。
鶴岡市は、農家が数百年にわたって種を守り継いできた「在来野菜」の宝庫であり、その種類は60種類以上に上る。

たとえば、皮が柔らかくえぐみが少ない“沖田なす”の浅漬け。
鶴岡ではナスと言えば小さめな“民田なす”ばかりだったが、浅漬にしてナスを食べたいということで、薄皮系統のナスが栽培されたそう。

そして今、最も注目を集めているのが、2026年の漬物グランプリで「地域特産品特別賞」を受賞した“外内島(とのじま)きゅうり”のピクルス。

本長・本間光廣さん
日本人好みになるよう酸味を少し抑えて作りました。
ピクルスを細かく刻んでマヨネーズで和え、パンにつけて食べるのが地元の小学生の間で一番の人気となっています。

<つけもの処本長の情報>
鶴岡市大山1-7-7
電話:0235-33-2023
年始休み
伝統製法が生む地酒とカクテル
本長がある鶴岡市大山地区は、かつて40軒を超える蔵元が立ち並んだ酒どころ。
現在も伝統の製法を守る4つの酒蔵が、それぞれ異なる特徴を持つ地酒を製造している。

加藤嘉八郎酒造を代表する日本酒「十水(とみず)」は、江戸時代に行われていた白米と水を10石ずつという、少ない水の割合で仕込む「十水仕込み」を現代風に再現した芳醇な味わいと酸味が調和した純米酒。

加藤嘉八郎酒造の加藤嘉晃さんは「コメが豊富に入っているため、普通の酒よりも味がしっかりしているが、食事に合わせるため後味・キレ味はさわやかになるよう仕上げている」と話していた。

歴史ある製法で作られた愛され続ける地酒…だけではなく、自慢の日本酒をベースにした見た目もかわいらしい“日本酒カクテル”もある。
飲む直前に瓶をバーテンダーのように振ると、山形県産フルーツの石焼ジャムと日本酒が混ざり合う。

加藤嘉八郎酒造・加藤嘉晃さん:
「この酒は、山形といえばフルーツがたくさん採れるので、素晴らしい果物をより酒という切り口で、果物よりも果物の良さを伝えられるような酒として作っています」

<加藤嘉八郎酒造の情報>
鶴岡市大山3-1-38
電話:0235-33-2008
世界唯一のクラゲ料理を堪能
続いてやってきたのは、全国から観光客が集まるクラゲ展示数世界一の水族館「東北エプソンアクアリウムかもすい」。
2026年4月に鶴岡市立加茂水族館から名称を変えリニューアルオープンし、世界各地のクラゲがその神秘的な姿で訪れた人を魅了している。

実はこの水族館では、クラゲを見るだけでなく食べることもできるという。
さっそく、館内のレストラン「沖海月(おきみづき)」でいただいてみた。
4月に誕生した新メニュー「クラゲ御膳」には5種類のクラゲが使われていて、世界中を探してもここでしか食べられない。

海の厄介者とされる“越前クラゲ”や、丸くてかわいらしい見た目の“キャノンボール”は数の子のようなゴリゴリした食感で見た目とのギャップも楽しい。

越前クラゲの食感は、海藻に近い印象だったが歯切れもよく、コンニャクとはちょっと違った感じで、味は特にない。

料理長・須田剛史さん:
クラゲは全部味がない。
この鶴岡でクラゲを食べるという食文化を残したいという気持ちで作っています。
世界中の人たちに食べに来てもらいたい。

このほか、クラゲラーメン・クラゲソフトなど、かもすいでしか味わえない一品をぜひ楽しんでほしい。

<東北エプソンアクアリウムかもすいの情報>
鶴岡市今泉大久保657-1
電話:0235-33-3036
無休
風土と歴史に育まれた鶴岡の食をめぐる旅を、ぜひ楽しんでみては。
(さくらんぼテレビ)

