福井県内の原発から出る使用済み核燃料の主要な搬出先となる青森県六ヶ所村の再処理工場を巡り、国の資源エネルギー庁と関西電力の幹部が18日、県の求めに応じて県外搬出に向けた考え方をあらためて説明しました。
ただ、搬出先の一つである青森県六ヶ所村の再処理工場について、完成時期などへの具体的な言及はなく、この問題の先行きは不透明なままです。
18日は、資源エネルギー庁の久米孝次長と関西電力の水田仁原子力事業本部長が県庁を訪れ、武部衛副知事と面談しました。
関電が策定した使用済み核燃料の県外搬出に向けた工程表=いわゆるロードマップで重要な搬出先となっている青森県六ヶ所村の再処理工場について、国は既に完成が遅れる可能性を認めていますが、18日の面談で完成時期への具体的な言及はありませんでした。
関電の水田本部長は、仮に完成の遅れが明らかになった場合は、実効性のあるロードマップを提示し直すとしました。
◆歴代の福井県知事「使用済み核燃料の貯蔵・処分まで引き受ける義務はない」
そもそも、なぜ青森県で建設が進む再処理工場の完成時期が、いま注目されているのか、経緯を振り返ります。
日本国内の原発から出る使用済み核燃料について、国は青森県六ヶ所村の再処理工場で再処理し、燃料としてリサイクルする方針を定めています。
一方、半世紀以上にわたり原発を受け入れてきた福井県は、使用済み核燃料の負担は立地以外の地域が負うべきだとの立場から、歴代の知事は国や電力会社に一貫して県外への搬出を求めてきました。
2013年には、当時の西川一誠知事が「福井県は発電は受け入れてきたが、使用済み核燃料の貯蔵・処分まで引き受ける義務や義理はない」と明言。ただ、この計画の肝となる再処理工場は1993年の着工から27回延期を繰り返していて、国内の電力会社は使用済み核燃料の“やり場”に頭を悩ませています。
◆県内原発のプールは数年で満杯に
関西電力は現在、県内で美浜・大飯・高浜の3カ所であわせて7基の原発を稼働させていますが、使用済み核燃料の貯蔵プールの容量はひっ迫しています。
このまま行けば▼高浜原発が2028年度頃▼美浜原発が2029年度頃▼大飯原発は2030年度頃にプールが満杯になり、原発の運転を停止せざるを得なくなります。
この状況を打開しようと、関電は3年前に新たな施設の設置に動き出しました。
当時、原子力事業本部の水田仁本部長は「将来の搬出に備え発電所構内に乾式貯蔵施設の設置を検討していきたい」と説明していました。
◆県外搬出ロードマップ
乾式貯蔵施設とは、使用済み核燃料を「キャスク」と呼ばれる金属容器に入れ水を使わず空気で冷却して保管する設備です。安全性や効率性に優れるとして関電は設置したい考えですが、県は使用済み核燃料が無期限に保管されることを懸念し、あくまでも建設に慎重です。
県はこの計画を了解する前提として関電が作成した県外搬出に向けた工程表=いわゆるロードマップを確実に実行することを条件としました。
ロードマップでは使用済み核燃料の搬出先として▼フランス国内▼日本国内どこかの中間貯蔵施設▼青森県六ヶ所村で建設中の再処理工場と3カ所を盛り込みました。
◆「現状は事前了解の判断できない」石田知事
乾式貯蔵施設の建設に向けて動き出したのは、杉本前知事の時でした。
六ヶ所再処理工場の運営者である日本原燃が、原子力規制委員会へ工事計画の説明を終えた段階で事前了解の判断を行うとしていましたが、それを待たずに自身のセクハラ問題で辞職。
後を引き継いだ石田知事は、就任当初こそ前知事の方針を踏襲するとしていましたが―
石田嵩人知事:
「再処理工場の竣工目標が遅れる可能性がある中で、現状は事前了解の判断はできないと考えている」
これまでの方針を転換して判断を先送りしました。
一方、県議会からは―
力野豊県議:
「約束なんですから…設工認の説明終了をもって判断するという。ゴールポストを変えることはだめ、卑怯だ」
石田知事がいつどのような判断を下すのか、注目されます。
