10月に入り、私たちの生活を取り巻く環境が大きく変わった。食料品の値上げラッシュがピークを迎える一方、ビールの酒税が引き下げられるという"朗報"もある。鹿児島市のスーパーでは、買い物客から「1回の買い物で1000円くらい変わっている」という切実な声が聞かれた。10月1日、イオン鹿児島店での取材から、変化の実態を報告する。
「家計簿をつけているから感じる」――値上げの波、生活直撃
10月1日の午後、鹿児島市のイオン鹿児島店を訪れると、買い物客から値上げを肌で感じているという声が次々と上がった。
「家計簿をつけているので値上げを感じる。1回の買い物で1000円くらい変わっている」
「野菜が高くなって離乳食も大変。曜日で安い日があるのでそこを狙って買っている。全体的に下がってくれたらうれしい」

帝国データバンクによると、10月に値上げが予定されている飲食料品は3153品目にのぼる。内訳を見ると、缶チューハイやビールなどの酒類・飲料が1399点と最多で、マヨネーズやしょうゆなどの調味料が820点、冷凍食品などの加工食品が668点と続く。
9月・10月の2カ月で年間値上げの4割が集中
2026年の月別推移を見ると、値上げは9月と10月に極端に集中している。9月は4965品目、10月は3153品目と、この2カ月だけで年間に値上げされる2万1187品目のうち約4割を占める計算だ。家庭の食卓を支える食料品への影響は、秋の入り口に一気に押し寄せている形となる。
ビールが減税、売り場面積は5割から7〜8割へ拡大
値上げが続く中、10月1日から価格が下がったものもある。酒税法の改正により、ビール・発泡酒・第三のビールの酒税が350ミリリットルあたり54.25円に統一されたのだ。
この変更により、ビールは9.1円の減税となった一方、発泡酒や第三のビールは7.26円の増税となった。

イオン鹿児島店では、この変化をいち早く売り場に反映させた。記者が店内を歩くと、これまで新商品を置いていたコーナーがビール売り場に様変わりしていた。アルコール飲料売り場に占めるビールのスペースは、従来の約5割から7〜8割ほどへと大幅に拡大。ビールの需要アップを見越した対応だという。
買い物客の反応も前向きなものが目立った。
「同じ値段だったらビールを飲んでもいいかな」
「ビールが発泡酒などと値段が一緒ぐらいになったからいいなと思う」
「ビールが好きだからあまり気にしないが、高いよりかは安い方がいい」

毎日の楽しみを発泡酒や第三のビールからビールに切り替えようという声も聞かれ、酒税の変更が消費者の選択に直接影響を与えていることがうかがえる。
10月の変化はほかにも ゆうパック値上げ、電気・ガス支援も終了
10月から私たちの生活に関わる変化は、食料品やビールにとどまらない。
日本郵便が宅配便「ゆうパック」を2〜40%程度値上げする。ネット通販の利用が日常化した今、多くの家庭にとって無視できない変化だ。
また、夏場に実施されていた電気・ガス代に対する政府の支援が終了し、10月の使用分から実質的な値上げとなる。秋から冬にかけて暖房需要が高まる時期と重なることもあり、家計への影響は少なくない。
さらに、運転手不足などを背景に県内の路線バスが減便される。日々の通勤や通学に路線バスを利用している住民にとっては、生活動線そのものに関わる問題だ。
食料品の値上げ、酒税改正、宅配便の料金改定、光熱費支援の終了、そして交通網の縮小――10月は、鹿児島に暮らす人々の生活にとって多くの変化が重なる月となった。値上げラッシュが続く中、日々の買い物や移動のスタイルを見直す動きが、地域のあちこちで生まれていきそうだ。
【動画で見る▶【きょうから10月】値上げに酒税変更 鹿児島市のスーパーは 】

