ポートフォリオに債券や金を加える
将来の市場がどうなるのかは、誰にも予測がつきません。それであれば、複数の資産を組み合わせておくのがベターです。
1920年代から2010年代までの100年間を10年ごとに区分して、株・債券・金の3つの資産クラスの実質リターン(インフレを考慮したリターン)がどうだったかを示したのが次の表です。もっともパフォーマンスがよかった資産を黄色、もっともパフォーマンスが悪かった資産をグレーにしています。
株はパフォーマンスが好調な資産であることがわかります。3つの資産クラスの中でももっとも値上がりしたことが6回もあります。しかし、株も常に好調というわけではありません。1930年代・2000年代は逆に、他の資産と比べてもっともパフォーマンスが悪かった資産となっています。株が不調なときには、債券や金が値上がりしています。
よって、価格変動の大きい株(株に投資する投資信託)だけに投資するのではなく、債券(債券に投資する投資信託)、金(金に投資する投資信託)へ投資を行ったり、複数の資産に投資するバランス型投資信託を活用したりすれば、資産全体の値下がりリスクを軽減しながら、堅実に資産を増やす期待ができます。
高配当株を組み込む方法も
暴落期間中にもインカムゲイン(配当)という形でリターンを得たいなら、高配当株(高配当株に投資する投資信託)を組み合わせるのもひとつの手です。高配当株とは、株価に占める配当金の割合(配当利回り)が高い銘柄のこと。一般に、配当利回り(1株あたり配当金÷株価)が3%を超えると高配当といわれます。
高配当株であっても市場全体の暴落が起こると株価は連れて(引っ張られて)下がりますが、株価が下落した際に相対的に配当利回りが上昇し、ほかの銘柄と比べると高配当と言えるため買われやすくなるという特徴(下方硬直性)があります。また、値下がりから回復するまでの我慢の時期にもリターンが得られ続けるのが精神的に嬉しいポイントであり、下落からの回復も待ちやすくなります。
生活防衛資金を確保し、長期的な資産形成にも取り組むことで、もしものときにも暮らしを守る力を高めることができます。普段から「お金の備え」と「資産形成」の両方を実践していきましょう。
頼藤 太希(よりふじ・たいき)
経済評論家・マネーコンサルタント。(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。早稲田大学オープンカレッジ講師。ファイナンシャルプランナー三田会代表。

