テレビ西日本の単独インタビューに「ワンヘルスに関して未着手の事業は、当面凍結する」と答えた福岡県の服部誠太郎・知事(71)。この発言に対し、渦中にある“福岡県議会のドン”蔵内勇夫・議長(72)がコメントを発表した。
議長「ワンヘルスはすでに国策に…」
8月13日正午前、福岡県議会事務局から報道各社に届いた『昨日の知事発言に対する蔵内議長コメント』と題された文書。

そこには福岡県の服部誠太郎・知事(71)の「ワンヘルスに関して未着手の事業は、当面凍結」という記者会見の発言に対して、福岡県議会の蔵内勇夫・議長(72)の名前でコメントが寄せられていた。
全文は、以下の通りだ。
「昨日の知事の発言について、詳細は承知しておりませんが、行政改革審議会にワンヘルスに関するすべての事業について政策面の検証を諮問され、その答申が出るまでは、現段階で未着手の事業等を凍結することを表明されたと伺っております」

「服部知事はこれまで、世界に選ばれる福岡県を目指してこられました。そしてワンヘルスについては、知事はこれまで県議会とその重要性を共有し、共に取り組んできたものと承知しております。国に対して共に要望を続けた結果、G7広島サミットで議論され、先月、閣議決定された政府の骨太の方針に明記されるに至り、地方の一自治体が国を動かし、ワンヘルスは国策となりました。私はこの『ワンヘルス』の中心に、福岡県の大きな存在があると思っております」

「そして世界では、人類共通の課題として、ワンヘルスアプローチに基づく人獣共通感染症対策等の取り組みが協議されており、また国際的な学会でもワンヘルスが認められるに至っております。かつて服部知事が提唱された『ワンヘルスのダボス会議』、来年、世界の何処かで開催できるよう、引き続き頑張ってまいります」

「私といたしましては、まずは、今回の知事の問題提起が行革審でどのように評価されるのかを見極めるとともに、行革審における検証が一日も早く進められ、県民の福祉の向上のため、必要な事業が早期に再開されることを望んでおります」
知事「議長との忖度を生む関係は…」
県議会の蔵内議長が旗振り役となり、服部知事も同調してきたワンヘルス政策。
関連予算はこの5年間で約58億円にのぼっているが、服部知事は8月7日、テレビ西日本の単独インタビューで、有識者による行政改革審議会の結論が出るまで「未着手の事業は当面凍結する」と明らかにした。

その際、服部知事は蔵内議長との関係について「県議会のなかで、最重鎮といわれる蔵内さんに対する過度な配慮というものが、私も含め執行部の側にあったと。このことは認めざるを得ないと思います。県政を変えると申し上げて、県政の根底から根こそぎ変えると申し上げて、当然過度な配慮、忖度が生じるような関係は一切断っていく」と述べた。
「忖度を生む関係は根本的に見直したい」と発言した服部知事に対して、蔵内議長は8月10日の記者会見で「是非、そうやって頂きたいと思います。知事も毅然として知事としての執行を行って頂きたい。職員に対する1つの知事の責任ではないかと思ってます」と述べた。
議長「批判の嵐に晒されている」
2026年7月、吉松源昭・県議が、6年前の議長就任に際して自民党県議団の幹部に約2000万円を支払ったことを告発したことに端を発し、県民をはじめ、いま全国から福岡県議会に疑惑の目が向けられているが、蔵内議長は8月初め頃、地元の支援者に文書を送っている。

▼蔵内議長からの文書の内容(一部)
「一部議員の突然の告発に扇動されたマスコミと世論による批判の嵐に晒され、県議会のみならず福岡県の名誉さえ、地に落ちています」

“批判の嵐にさらされている”と説明する蔵内議長。ただ、8月10日の会見では、この責任をとって辞任する考えはないとしている。

記者) 議員辞職は否定するか。
蔵内議長) 僕、なんで(辞職)しなきゃ、いけないんだろうか。まだ、匿名で私に何かお金を渡したと仰っておるんでしょ。私はね、是非その人にお会いしたいんだよね。十数年前の話であって、本人の勘違いもあるんじゃないかと思うんですよ。
記者) 来年の統一選に出馬するか。
蔵内議長) それはもう皆さん既に、お感じになっている通りで、今それを言う必要はないと思っている。

2027年春の県議選には出馬しないのでは、ともとれる発言。疑惑に揺れる県議会をどのように導いていくのか、議長としての手腕が問われている。
(テレビ西日本)

