鹿児島県内でも震度5強の揺れを記録した熊本地震から、9月28日で2カ月が経過した。九州新幹線の全線運行再開を機に、大きな打撃を受けた出水市の物産店では利用客が急回復。シルバーウィークの売り上げが2025年同時期の「2倍近く」に達するなど、明るい兆しが見えている。
売り上げ激減から一転、賑わいを取り戻した出水駅の物産店
出水駅構内にある観光特産品館「飛来里」は、北薩地域のお茶やお菓子など地元の特産品を取り扱う店だ。熊本地震による直接的な被害に加え、九州新幹線の一部区間運休が追い打ちをかけ、売り上げは大幅に落ち込んだ。8月下旬には弁当などの商品数が絞り込まれ、利用客の姿もまばらな状態が続いていた。
転機となったのは9月18日の九州新幹線全線運行再開だ。2カ月ぶりに新幹線が戻ってきたことで、大阪など遠方からの利用客も駅を訪れるようになった。28日には店頭に震災前の9割程度まで商品が並び、午前中から駅弁や土産物を買い求める客の姿が見られた。大阪から姉の介護で出水を訪れたという利用客は「やっぱり新幹線がないと不便」と話す。

「帰省できなかった分が集中した」、11月のツルの季節も期待
店を運営する出水市観光特産品協会の益田茂満事務局長は、シルバーウィークの好調な売り上げをこう分析する。「8月に夏休み帰省できなかったお客様などが(シルバーウィークに)帰省されたのではないか」。夏に抑えられた需要が一気に流れ込んできた格好だ。
益田事務局長はさらに先を見据える。「11月からツルの時期になるので、復興割を利用して、出水に観光、帰省などしてもらえれば」。出水市はナベヅルなどの渡り鳥が飛来することで知られ、毎年冬に多くの観光客を集める地域だ。復興割と組み合わせることで、さらなる客足の回復を期待している。
復興はまだ道半ば、熊本では1500人超が避難所生活
一方で、熊本県ではいまなお1514人が避難所生活を余儀なくされており、地震の爪痕は色濃く残ったままだ。鹿児島県内では、熊本県から出たごみを霧島市クリーンセンターで受け入れるなど、隣県としての支援が現在も続いている。
出水の物産店に賑わいが戻りつつあることは、確かな回復の兆しである。しかし被災県を支える隣県として、熊本地震からの完全な復興にはまだ時間がかかる。地域が一体となった歩みは、まだ続いている。
【動画で見る▶熊本地震から2カ月 新幹線再開で物産館ににぎわい戻る【鹿児島・出水市】】

