「悪口を言ってはいけません」と親や先生などから注意されたことはないだろうか。

今、かわいい動物たちが「なぜ悪口を言ってはいけないのか」を説明したイラストがTwitterに投稿され、話題になっている。

それがこちら。

投稿では悪口(陰口)の伝わり方を、そして、最終的に“巡り巡って自分に返ってくる”ことを、4つのイラストと言葉で、簡潔に分かりやすく説明してくれている。

4つのイラストで「なぜ悪口を言ってはいけないのか」を紹介

「なぜ悪口を言ってはいけないのか」というと、まず「そもそも伝えたいように伝わらないから」だという。

リスが「ヘビは性格がわるい」と話したとしても、言葉のままに受け取るハリネズミや、「僕の悪口も言われてそう…」とリスにマイナスな印象を受けるキツネなど、悪口を聞いた動物はリスの言葉に対し、それぞれ異なる受け止め方をする。

リスがどういった経緯で悪口を言ったのか分からない中、この最初の段階から、リスの伝えたいことがいろいろな捉え方をされていることが分かる。

この記事の画像(7枚)

そして、続く2つ目の理由は「意図しない伝播の仕方をするから」。

リスの悪口を聞いた動物が、さらに自分の友人である動物たちに“主観も含めて”悪口を話してしまうというのだ。

それぞれの主観による受け止め方や話し方をするため、最初の意図とは異なった内容で話が伝わっていく事がある、ということを説明してくれている。例えば、リスからヘビの悪口を聞いたフクロウは「リスとヘビは仲悪いよ」とモグラに話してしまうが、これはリスが意図した広がり方ではないだろう。

もちろん、その話を広げたフクロウも悪口を言ったとして、マイナスな印象を受けることもありそうだ。

3つ目の理由は、「ヘビ(本人)に伝わるから」。

リスから始まった悪口が、フクロウ→モグラを介してヘビ当人に届いてしまうのである。「ぶっちゃけお前リスに嫌われてるみたいだよ」などと言われたヘビ当人は、驚きと共にショックを受け、傷つくことだろう。

そして、最後の4つの目は「面倒な事になって返ってくるから」。

傷ついたヘビから、“リスに悪口を言われている”ことを聞いたのはヘラジカ。大きなヘラジカに問い詰められるリスが、「いや悪口を言ったのではなくて…」としどろもどろに言い訳を述べている様子が描かれている。

ヘラジカが自分の尊敬する人や大切な人だったら? またSNSが発達した今の時代、一気に社会全体に「リスがヘビの悪口を言った」ということが伝わるかもしれない。
悪口という負の要素が“巡り巡って自分に返ってくる”ということがよく分かる。
 

この投稿に多くのユーザーが共感し、「絵本感覚で分かりやすい」「子供たちにもわかりやすく教えられます」などの反響があり、18万以上のいいねがついた。(11月19日時点)

簡潔で分かりやすいイラストだが、そもそもこのイラストを作ったのはどうしてなのだろうか? 何か参考にしたエピソードなどがあったのだろうか?

ツイートを投稿した、メディアプロモーション事業などを展開する会社free web hopeの相原ゆうきさん(@fwh_aihara)に話を聞いた。

「もしも悪口を言っていたのが自分だったら」

ーー「なぜ悪口を言ってはいけないのか」をイラストで紹介したのはどうして?

今回のイラストはたまたま飲みの場が一緒になった社外の人がいて、図のような構図をぼんやり頭で思い浮かべていたものを整理したという経緯です。


ーー参考にしたエピソードなどある?

僕は会社経営をしているのでヘラジカの立場なのですが、ヘラジカの立場にいるとイラストのような相談を、悪口を言われた本人や2枚目の状態の時に聞くことがたまにあります。

その度「もしも悪口を言っていたのが自分だったら」と常々考えさせられ、軽率な言動はあとあと面倒な事になる・不要な対立を産んだりする、と感じていました。

ーーそれぞれの動物のイメージはある?

なんとなくですが、おしゃべり好きなリスがいて、一般的には忌避されているヘビ「誤解を生みやすいキャラ」という設定で、ヘラジカが森のまとめ役のようなイメージでした。

かわいいモグラが案外ゲスだったりなど、それぞれの動物に持っているかわいい・強そう・気味が悪いなどのイメージをそのまま当てはめたり、逆説的に使ったりなどしました。

今回の反響で一層深く考えさせられた

ーー多くの反響があるが、それに対してはどう思う?

予想以上の反響にとても驚いています。また、中には「ヘビが傷つくから」など悪口を言ってはいけない理由に関して多様な意見が交わされていて、僕自身このテーマについてより一層深く考えさせられました


ーーイラストにどんな思いを込めた?

ほんのノリや軽口だったつもりが、聞いてる側には意図せず伝わっていくさまを俯瞰する事で、自分の評価が下がったり誰かが傷ついたりする事が少しでも減っていき、健全な人間関係の構築に役立てられればと思っています。

ネットが普及している今、その伝達力・スピードはすさまじく、このイラスト以上の規模であっという間に広がってしまい、悪口が本人に届いてしまうことだろう。

悪口を言ってその場はスッキリするかもしれないが、今回のイラストのようなことになるかもしれないことは肝に銘じておきたい。
 

【関連記事】
24時間365日いつでもどこでも…今の子どもたちが直面する“ネットいじめ”
誹謗中傷はリツイートでも責任問われる…学校向け「トラブル事例集」を追加した理由を総務省に聞いた

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。