フィギュアスケート日本男子現役最年長の友野一希。「本気で狙いに行く」と語っていた昨季の五輪シーズンでは、夢のオリンピックへ勝負をかけたが、あと一歩が届かなかった。
今年で28歳。フィギュア界ではベテランの域にいるため去就が注目されたが、友野は五輪の代表最終選考会を兼ねた全日本選手権を終えて早々に現役続行を決断した。
「自分が思い描く最高の演技をたくさん届けられるようにしたい」
シーズンの終わりにそう語った友野のオフシーズンにインタビューを敢行。
“エンターテイナー”として人々を魅了し続けながら、競技者として結果にも結びつけたいという思いは、信頼する振付師と二人三脚で作り上げた新しいプログラムに込められていた。
五輪シーズンを戦い見えた新たな景色
3度目の挑戦となったミラノ・コルティナ五輪に向けて、すべてをかけたという友野。今回は過去一番自信があったというが、鬼門のフリーで失速してしまい全日本選手権では総合7位。シーズンを通してフリーに泣かされた。
演技を終えた友野は、「200%の1年間だったので、悔しい結果には終わったけれど素晴らしい1年間だった。いい状態で臨んで気持ち的にも最後まで自分を信じ切ってやれたので、そこは良かった」と振り返った。
続けて、「こういう状況でも自分を信じて演技できたのは、この全日本までの期間をやり切れたから。悔しさはありつつも、気持ちいいぐらいに若手が頑張ってくれたおかげで、まだまだスケーターとして成長し続けなければならない」と語った。
「6分間練習の時も思って、このオリンピックシーズンに最終グループで、こんなに素晴らしい選手たちと一緒に試合ができて幸せでした。自分はこういう結果になってしまいましたが、何かは残せたんじゃないかなと思います」
そう感謝と手応えを口にした友野。満足いく結果は得られなかったが、会場からは健闘を称え、赤いバナーとともに温かい拍手が送られた。

