まもなく新米の季節がやってきますが、その価格は去年に比べて安くなるとの見方が出ています。
こうした状況に生産者からは懸念の声が上がっています。
◆記者リポート
「福津市内の田んぼにお邪魔していますが、見て下さい、すでに緑の稲穂が広がっています」
福岡県福津市に広がる田んぼ。
ここで栽培されているのは、通常の品種より早く収穫できる早場米「にじのきらめき」です。
8月半ばにも始まる収穫を前に、大きく実った穂が垂れています。
このまま台風などの影響がなければ十分な収量が得られる見通しですが、ことしは新たな懸念があるといいます。
それは、大幅に下がるとみられている米の価格です。
全国の主産地に先がけて早場米が出荷される宮崎県や高知県では、JAが米の集荷の際に先払いする「概算金」の額が昨年に比べ4割近く安くなっているといいます。
コメの民間在庫量が今年6月末時点で過去最大の243万トンに達するなど、コメが余っていることが主な理由です。
早場米の概算金は主産地の米の価格の先行指標とされていて、このままだと県内の米の価格も下がる可能性があると話します。
◆くわの農園 桑野由美さん
「いろんな物が上がっているので(去年は)『これでペイできるかな』ぐらいの感覚でしたね。せっかく30年ぐらい前の価格に戻ったのに、また下がるのかって」
2024年のコメの平均価格は5キロで2200円程度。
その水準にまで価格が下がってしまうと農家はやっていけないと桑野さんは考えています。
その理由が上がり続ける経費です。
農機具の買い換え費用は1台につき数百万円から数千万円。
さらにここ数年、肥料や農薬の価格は値上がりしつづけていて、現在は3年前と比べると3割ほど高くなっているといいます。
また、コメを入れるためのビニール袋などの梱包材も、中東情勢が悪化して以降値上がりしていて、農家を取り巻く環境は去年と比べても厳しくなっていると話します。
◆くわの農園 桑野由美さん
「今年は(価格が)下がって消費者の方も喜ぶかもしれないけど、もしかしたら来年(コメ作りを)やめる方が多くなってくると、またお米の量が減ってきて、数年後にはまた価格が上がるかもしれない。『農家でもちゃんと、もうけが出るよ、利益が出るよ、生活ができるよ』っていうのじゃないと、今から若い人たちがやってくれないのではないかなと思ってます」
日本のコメ作りを後世に残していけるのか、消費者側も考えていく必要があるのかもしれません。
