ロンドン、リオとオリンピック2大会連続でメダルを獲得。2018年にはプロ卓球リーグTリーグが発足。東京オリンピックでのメダルも有力視されるなど、卓球の人気は勢いを増している。

11月22日放送の「ジャンクSPORTS」(フジテレビ系)では、レジェンドから新時代のヤングスターまで、今注目の卓球選手が登場。番組オリジナルの卓球ゲームで対決した。

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スタジオには、リオオリンピック男子シングルスで銅、団体で銀メダルを格闘した水谷隼選手、同じくリオオリンピックの団体で銀メダルを獲得した吉村真晴選手、弟で昨年の世界選手権に出場した吉村和弘選手、2021年に開催予定の世界選手権への出場を決めている森薗政崇選手、昨シーズンのTリーグで最多の14勝をあげ、MVPを獲得した森さくら選手、2019年世界ジュニア卓球選手権大会・女子シングルスで準優勝し、中学3年生ながらTリーグでプレーする小塩遙菜選手が登場。

「声」も使い分け

昨シーズンのTリーグでMVPを獲得した森選手、24歳。

持ち前のパワーを生かした強打を含む強気の攻撃で相手をねじふせる、豪快なプレースタイル。昨シーズンのTリーグでは、平野美宇選手、早田ひな選手らと所属チーム「日本生命レッドエルフ」を優勝に導いた。

そんな森選手の特徴は、試合中に発する気合い入りまくりの「大声」。高音や低音、何を言っているのか分からない奇声までバリエーションも豊富。プレーでも声でもファンを沸かすTリーグ注目の選手。

試合中に「大声」を発する森選手のVTRを見た番組MCの浜田雅功さんは「試合中に大声出すのはいいの?」と質問。森選手は「ルール違反じゃないです。緊張しやすいので、テンションを上げたいときは高音を出したり、落ち着かせたいときは低音を出したり」と使い分けているという。

小塩選手は実際に森選手と試合をしたことがあるといい、「いきなり叫ぶのでビックリして、笑っちゃいました」と明かした。

すると森薗選手も「同じ会場で同じタイミングで試合に入った時、(森選手側から)いろんな音が飛んでくるから気になって試合に集中できない」と指摘。森選手から「いやいや、森薗さんの方がデカい。同じ仲間だと思っています」と“仲間認定”されると、森薗選手は「仲間でない」とキッパリ否定。

そこで番組では森薗選手が試合中にどんな声を出しているのか検証。森薗選手が試合中に大声を発するVTRを見た浜田さんは「これ、言われた方がイラッとするよね」と投げかけると、森薗選手は「自分で“ダッシャウメッ”なんて言っている自覚ない」と自分が発している声に驚いていた。

しかし、森選手は「(大声出すことは)やめられない。習慣になっているので」と明かし、森薗選手も「これをやめようと思ったら、絶対にパフォーマンスが落ちるよね」とうなずいた。

そして水谷選手は大声を出す選手への対策について「2パターンあって、1つは相手より大きい声で威圧したりする。もう1つは、点数をあげない。とにかく点数を取って相手を黙らせる」と冷静に分析した。

マイペースだからカットマンに?

次世代の新生・小塩選手、15歳。卓球選手だった母親の影響で9歳から卓球を始め、2019年世界ジュニア選手権で準優勝を果たし、現在18歳以下の世界ランキングで1位。

そんな小塩選手の特徴は「カットマンスタイル」。ボールを切るように回転をかけて相手のミスを誘ったり、スキを見て速攻を仕掛ける独特な戦い方。どんなスマッシュが来ても、拾って、拾って、拾いまくる。どんなに体勢を崩されても立て直し、スキを見たカウンターでラリーを制す。粘りと大胆さを求められるプレースタイル。

カットマン以外でもネットの外側から相手コートに落す「横入れ」も得意。カットマンと横入れを武器に14歳にしてTリーガーとなり、未来の卓球界を担う新生として注目されている。

水谷選手いわく、カットマンは“絶滅危惧種”的な存在だという。「令和に入ってから男子も女子も少ないです。カットマンは守って、守ってチャンスがあれば反撃するので、Mっ気が強い。バックスピンをかけているので、打つ側もとても疲れる。相手のミスを誘って粘って、粘って打ちあぐねた球で攻めていく」と解説。

小塩選手がカットマンになったきっかけは、マイペースな性格が合っていると母親から勧められたことだというが、「ラリーが長すぎて自分もイライラすることがある」と明かした。

小塩選手は卓球以外に、ボクシングもやっているといい、母・真弓さんもボクシングのライセンスを持っているという。

ボクシングを始めたきっかけについて真弓さんは「家の近くにジムがあって、行ってみたいと遙菜が言ったので体験してみたら楽しかったようで。ジムの会長に『お母さんも動けそうだからやってみたら?』と言われて一緒に始めました」と話す。

見学中に勧誘されたことでボクシングにのめり込み、真弓さんは岐阜県初の女子プロボクサーにまでなった。さらに、妹の悠菜さんはボクシングで2019年の小学生チャンピオンになり、卓球でも姉譲りのカットマンで2016年の全日本卓球選手権大会・バンビ女子で優勝している。

遙菜さんもボクシングをやっていることはメリットもあったといい、「卓球と足の動きが似ていて、少し動けるようになりました」と明かした。

番組オリジナルゲームで対決

そして、日本トップレベルの卓球選手による、番組オリジナルゲームで対決も。

まずは、極細の卓球台で行う「ガチガチタイマン対決」から。通常の約3分の1(50センチ)の幅の卓球台で交代制シングルスを行う。水谷選手、森薗選手、小塩選手の「水谷チーム」と、吉村兄弟、森選手の「吉村チーム」に分かれ、12点先取で勝負。

まずは小塩選手対森選手から。小塩選手は極細の卓球台でもカットマンスタイルを貫き、森選手のミスを誘ってポイントゲット。両チームとも選手交代し、森薗選手は「調子がいい!」と絶好調をアピールするが、次のラリーで早速ミスをし、「もうダメかもしれない」と弱気に。

吉村チームは得意の「大声」で対決を盛り上げ、一進一退の攻防が続き、吉村チームが7点を取ったところで、卓球台がチェンジ。通常の約10分の1のサイズ(15センチ)の幅の卓球台に。

あまりに細すぎる卓球台に水谷選手は「これは“ゾノる”」とこぼし、森薗選手も「確実に“ゾノり”ます」と断言。

ちなみに、“ゾノる”とは以前、森薗選手が番組に出演して行った対決で、プロらしからぬミスをした際に浜田さんから「ゾノる」とツッコまれて生まれた言葉。

15センチの幅に苦戦を強いられながらも、最後は吉村チームの勝利で終わった。

まさかのハプニングが!

次の対決は「プラレールスマッシュ対決」。走るプラレールの上の的をスマッシュで撃ち落とす。プラレールは全部で5台あり、的の大きさはどんどん小さくなっていく。2周する間に5つの的をすべて落せば5ポイント獲得のパーフェクト。この対決はアシストをする方も重要になる。

このゲームでは、小塩選手と森選手ペア、吉村兄弟ペア、森薗選手と水谷選手ペアで勝負。

小塩選手はパーフェクトを出し、和弘選手は3ポイント、森薗選手もパーフェクトとハイレベルな戦いが続いたため、さらに難しい的を用意。3センチ×3センチの的の「レベル6」は、4センチあるピンポン球よりも小さい。

プレッシャーからか森選手は思うように的を撃てず、2ポイント。一方の水谷選手は表情をあまり変えることなく軽々とクリアし、5ポイント。

ここまで小塩選手と森選手ペアは7ポイント、森薗選手と水谷選手ペアは10ポイント、吉村兄弟ペアは真晴選手の挑戦を残し、3ポイントに。真晴選手が「レベル6」も倒してパーフェクトを出しても勝利することができないため、「レベル6」を倒すことで3ポイント獲得とルールを変更。

真晴選手は自らパーフェクトかつ、誰も倒していない「レベル6」を倒すというプレッシャーを課し、最後の勝負へ。真剣な表情で次々とクリアし、2周目で残った「レベル6」に挑もうと集中力がピークに達していたとき、突然プラレールが停止。

浜田さんもまさかのハプニングに驚き、真晴選手も調子を取り戻せないまま、結果は5ポイント。この対決は森薗選手、水谷選手の勝利で終わった。

悔しそうにする真晴選手に浜田さんが「いまだ!」と再び「レベル6」への挑戦を促すと、一発でクリア。水谷選手も再挑戦するとこちらも一発でクリア。この流れに乗って森薗選手も挑戦すると、「レベル6」を倒すことができず、悔しさを残して終わった。

(『ジャンクSPORTS』毎週日曜日夜7:00~8:00放送)