熊本地震で工場の煙突3本が倒壊し社員ら9人が死亡した日本製紙が会見を開き、当時414人が勤務していたことや、死亡した9人の状況などを公表した。煙突倒壊の原因について、専門家は長周期地震動の共鳴を指摘した。
熊本地震で工場の煙突3本が倒壊
川崎健太記者(ヘリリポート):
この工場の中にある煙突が、完全に折れていることが確認できます。先端部分は、この工場の敷地内に飛び込むように、下の方を向いて倒れています。

最大震度6強を観測した八代市にある工場内で煙突3本が倒壊。一部が建物に落下した。
日本製紙株式会社 瀬邊 明社長:
被害の全容、および原因に関わる調査につきましては、外部の学識経験者専門家を含めた調査体制の構築を進めているところであります。
10年前の地震では大きな被害の報告がなかった八代工場。
なぜ今回大きな被害が出たのだろうか。
社員6人と協力会社社員3人が死亡…社長が哀悼の意
地震発生から8日が経過したきょう、日本製紙が初めて行った会見で明らかになったのは地震発生当時の八代工場の詳しい状況だ。

当時工場内には日本製紙の社員186人のほか、協力会社の社員など228人の合計414人が勤務していたという。
このうち日本製紙の社員6人と協力会社の社員3人の合わせて9人が死亡したという。

尊い命が失われたことへの受け止めについて、瀬邊社長は次のように話した。

日本製紙株式会社 瀬邊 明社長:
本当にこれ以上無い悲しくつらい出来事でございます。心から哀悼の意を捧げたいと思っております。
日本製紙の社員6人が死亡した際の状況について、八代工場長も務める山邉常務執行役員は、
亡くなった従業員6人が同じ部屋にいて、デスクワークをしていて被災した可能性があり、同じ机の並びで座っていた場所で2人が救出されたことを明らかにした。
また協力会社の3人が死亡した状況については詳細がわかっていないという。
煙突倒壊の原因の一つは長周期地震動か
10年前の地震では大きな被害の報告がなかった八代工場でなぜ今回煙突が倒壊したのだろうか。

その原因の1つとみられているのがゆっくりと大きく揺れる長周期地震動だ。
高く細い建物を大きく長時間揺らす長周期地震動では震源から遠く離れた場所でも被害が出ることがある。

先週の地震発生時、八代市では長周期の地震動階級最大の『レベル4』が観測されていた。
専門家が指摘する長周期地震動との“共鳴”
専門家は煙突倒壊と長周期地震動の関係を次のように指摘する。

東北大学 災害国際研究所 遠田晋次教授:
なぜこういう長周期の揺れが起きたかっていうと、八代平野特有の非常に軟弱な地盤が厚いということ。そういう影響でゆっさゆっさした揺れが増幅強調された。それが日本製紙の八代工場の煙突破壊につながったとも言えます。これは長周期の波と煙突の(揺れの)周期が同期した共鳴した可能性が十分にあります。
それぞれ70メートル、80メートル、110メートルの高さがあったという3本の煙突。
倒壊した原因について日本製紙側は…。

日本製紙株式会社 杉野光広 副社長:
非常に難しいところではあると思うんですね。今回の地震によって煙突が倒壊しました。このメカニズム、これは地震といってもその場所場所でかなり揺れ方が違うんじゃないかと。ここは専門家に入って頂いて色々と調査をすべきで、調査委員会を立ち上げてきっちり検証して参りたいという風に思っております。
老朽化の可能性は?国交省が原因調査へ
会見では工場内の鉄筋コンクリートついても質問が及んだ。

記者:
交換の時期が近かったと聞きましたが?
日本製紙株式会社 山邊義貞 八代工場長:
直近の測定データはございません。鉄筋コンクリートの硬さは測ってございませんけど、老朽化していたかどうかは、事故調査委員会の方で調べないと。私ども現任も近づけない状態なので、現時点では分かりません。
国交省は4日、煙突が倒壊した原因究明に向け調査に乗り出すとしている。
(「イット!」8月5日放送より)

