子どもたちの素朴なギモンに答える「教えて!石川さん」。今回は元気いっぱいの3姉弟から寄せられたこんなギモン。
金沢市に住む前川さん3姉弟。2026年6月、いつもの通学路で子どもたちが見つけたのは、道路に空いた大きな穴でした。なぜ穴が開くのだろう? 今回はそんなギモンを解き明かします。
なぜ道路に大きな穴が開くのだろう?
子ども達:
道路のこの辺に陥没が起きてしまいました。こんな身近なところで陥没が起きるなんて思っていなくてすごく怖かった。車が通れなくなってびっくりしました。
6月に金沢市柳橋町の市道で撮影された写真。道路に直径30センチから50センチほどの穴がぽっかりと開いていた。
しかしこの2日後には穴はふさがっていたという。
道路の陥没は全国で頻発している
石川県内では2024年度の1年間で道路がへこんだり穴が開いたりする「道路陥没」が93件確認された。
また2025年1月には、埼玉県八潮市で大きな陥没事故が起きた。トラック1台が穴に転落し、74歳の男性運転手が命を落とした。
八潮市の事故は地下にある下水道管が壊れたことが原因だった。どうして下水道管が壊れると道路に穴が開くのだろうか。金沢市内の下水道などを管理する金沢市企業局にやってきた。
金沢市柳橋町の“穴”の原因は?

金沢市企業局下水道整備課 竹中拓人さん:
道路下の状況ですが、まずこちらが車が走るアスファルトになっています。その下に土砂が埋まっていまして、その中に下水道管が埋められている状況です。

竹中さん:
下水道管が古くなると下水道管に隙間や穴が生じることがあります。下水道管に穴ができると、その穴から土砂が下水道管内に入ることがあり最終的に道路に穴が開くことがあります。
道路の下には、私たちの生活に欠かせない水道管やガス管、下水道管などが通っている。もし下水道管が壊れると、まわりの土や砂が管の中に入りこむ。すると土や砂がなくなった場所に空っぽの空間ができる。その空間が大きくなると道路を支えきれなくなり、道路に穴が開いてしまうという。
全国では下水道管が壊れることで道路がへこんだり穴が開いてしまう事故が、毎年たくさん起きている。主な原因は下水道管が年々、古くなっていること。多くの下水道管は50年以上前、町や道路がどんどん整備された高度経済成長期に作られた。
このため今では古い管が増えていて、壊れないように点検や修理を進めていくことが大きな課題となっている。しかし、地下につながるマンホールは人が入るだけでも大変。中は暗くて狭いため下水道管の異常を見つけるのは簡単ではない。
下水道管の異常を見つける凄いロボットが!
この問題を解消するために開発された最新の技術があると聞いてやってきたのが、小松市の会社HOKURYOだ。
2025年にHOKURYOが開発したのは、タイヤのついた細い機械(奥)と、大きなスクリューがついた機械(手前)。狭い下水道管の点検に活躍するロボットだ。
達さん:
人が入れない小さな管の中に入れて、中の状況を調査するロボットです。カメラで確認できるようになっています。
2025年に開発したのは、狭い下水道管の中を入って調べることができるロボットだ。スクリューがついたロボットは水が溜まっている下水道管の中でも進み、ロボットについたカメラで状況を映しながら異常を素早く見つけることができるという。
達さん:
今ロボットの技術が進化して、ある程度の管でも人が入らずに作業ができるようになってきているので、人が安全に仕事ができるということで、こういうロボットはますます必要になってくると思います。
人が入れない場所でも安全に、そして効率よく点検できることから、ロボットは道路の安全を守る重要な役割を担っている。
子ども達が見つけた“穴”の原因を探る

では今回子どもたちが見つけた穴も、下水道管の破損が原因だったのだろうか。金沢市の下水道を管理する金沢市企業局にやってきた。
金沢市企業局下水道整備課 竹中拓人さん:
あー、これは下水道管が原因ではないと思います。場所はこちらですよね。私たちも通報を受けまして下水道管を調査を行ったんですけども、下水道管が原因ではありませんでした。
下水道管が原因ではないと判断し、企業局は他の係の人に引き継いでいました。
「道路が川の横」だったことが原因の可能性
金沢市河川水防課 島田鴻河さん:
陥没ではこのあたりに1メートル角ほどの穴が開いてました。自分もこれほど大きい陥没を見ることがなかったので、ちょっと焦りと、すぐに対応しないといけないという気持ちになりました。
島田さんは通報を受けて、現場の道路の穴を直接確認していた。
島田さん:
はっきりとした原因は解っていないんですけど、道路の下にある水の流れや水の高さの変動によって、道路の下にある土が川の方に流れてしまたったことが原因かなと考えています。護岸、コンクリートのブロック積みの老朽化であったり、目地に隙間があいていたりすると、そこから土が抜けることがあったりもします。

子ども達が見つけた道路の穴のすぐ隣には柳橋川が通っている。川の端は「堤防」という壁になっていて、大雨が降って川の水量が増えたときに、周りの道路や家に水が流れていかないようにする役割がある。今回、この堤防が一部ひびわれていた可能性がある。

島田さんは、堤防にひびが入ったことで、道路の下にあった土や砂が川の水と一緒に少しずつ流れてしまい、空間ができて穴が開いたと考えている。
島田さん:
道路側からコンクリートを流し込んだんですけど、川の方にコンクリートが流れ出ることを防ぐために、今は大型土嚢で抑えるような形で配置している。

道路の穴の確認から2日後、生コンクリートを流し込み道が通れるようになった。今回開いた穴は下水道管の破損が原因ではなく、道路が川の横だったことが関係していたようだ。
島田さん:
全ての道路をパトロールし切ることは中々できない状況なので、連絡を受けて金沢市が気づけることもありますので、また見つけたらご連絡いただきたい。
子どもたちのギモンを掘り下げると、道路の下には私たちの暮らしを支えるたくさんの仕組みが隠れているということ、そしてその安全を守るためにたくさんの人や技術が関わっていることが解った。
皆さんも、疑問があったら石川テレビのホームページから疑問を寄せてほしい。
(石川テレビ・8月4日放送)
