福島県会津若松市の中心部からわずか一駅、JR只見(ただみ)線の七日町(なぬかまち)駅周辺には、大正から昭和にかけての風情が色濃く残る。江戸時代から繁華街として栄えたこのエリアは、古い蔵や洋館が並び、訪れる人をノスタルジックな世界へいざなう。本記事では、伝統の会津木綿を身にまとい、郷土料理や機織(はたお)り体験を通じて「昭和レトロ」の魅力を再発見する、夏の寄り道観光プランを紹介する。

会津木綿の浴衣で街歩き

歴史と文化が息づく会津若松駅の隣に位置する七日町駅は、駅舎そのものがレトロな雰囲気を漂わせている。
メイン通りはかつて会津随一の繁華街として賑わい、現在も大正ロマンや昭和レトロの香りを残す建物が軒を連ねる。

ノスタルジックな景色 福島県会津若松市七日町
ノスタルジックな景色 福島県会津若松市七日町
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街歩きをより一層楽しむため、まずは装いを整える。通り沿いにある「大善屋呉服店」では、会津地方の伝統工芸品である会津木綿の浴衣をレンタル可能。着付け師と相談しながら、レトロな街並みに映える一着を選ぶことができる。伝統の木綿が肌に馴染み、日常とは異なる高揚感とともに散策が始まる。

伝統の味「豆腐もち」

浴衣姿で街を歩き、赤べことの触れ合いを楽しんでいると、不意に「豆腐もち」と書かれた看板が目に飛び込んでくる。
和スイーツとコーヒーを提供する「なぬかまち茶房 結(ゆい)」の看板メニューが、この「豆腐もち」。餅の上に、カツオ節とダシを効かせた豆腐の餡(あん)をたっぷりとかけた一品。

なぬかまち茶房 結
なぬかまち茶房 結
豆腐もちと和スイーツのセット
豆腐もちと和スイーツのセット

会津若松市民の間でも知る人ぞ知る存在だが、もともとは正月や盆、結婚式といったハレの日に客をもてなすために振る舞われてきた伝統料理だ。
さらに、昭和レトロの象徴ともいえるクリームソーダを注文すれば、より一層時代を遡った気分に浸ることができる。アイスクリームとソーダが反応して泡が溢れ出す「ブクブクトラップ」も、この旅ならではの微笑ましい体験となる。

紙から生まれる「紙糸」の美

食後には、会津の文化と伝統により深く触れる。
訪れたのは、再生和紙を活用した独創的な作品を手がける「会津型染織TSUMUGI(つむぎ)」。
店内には、企業などから回収された紙資源を原料とする「紙糸(かみいと)」を用いた製品が並ぶ。紙を細く切り、撚(よ)りをかけて作られた糸は、一見すると布そのものの質感を持つ。

再生和紙から作られた紙糸
再生和紙から作られた紙糸

この工房では、紙糸を使った機織り体験が可能。足元のペダルを踏み替え、横糸をトントンと打ち込む作業は、さながら「鶴の恩返し」の世界に迷い込んだかのような感覚をもたらす。

伝統の型紙「会津型」を使い染色体験

作品が完成した後は、江戸時代に着物の柄を染める際に用いられた伝統の型紙「会津型(あいづかた)」を使い、赤べこなどの模様を染め入れることもできる。

デジタルを離れる贅沢な時間

伝統の機織りや染物体験を終えると、ある気づきが生まれる。
レトロな街並みには写真映えするスポットが数多く存在するが、スマートフォンを置き、目の前の作業に一点集中する時間は、現代において最も「懐かしく」、そして貴重な体験となる。

機織り体験 目の前の作業に集中
機織り体験 目の前の作業に集中

デジタルデバイスから一時的に離れ、五感を使って伝統に触れる。会津若松からの一駅寄り道は、忙しい日常の中で忘れていた「集中する喜び」を再発見させてくれる旅となる。
(福島テレビ)

<スポット情報>

《大善屋呉服店》
TEL:0242-27-0404
営業時間:平日11:00~19:00/土日祝10:00~18:00
定休日:水曜日
※レンタルは7日前までに電話かHPから要予約

大善屋呉服店
大善屋呉服店

《なぬかまち茶房「結」》
TEL:0242-23-7302
営業時間:11:00~16:00
定休日:火曜日(不定休あり)

なぬかまち茶房「結」
なぬかまち茶房「結」

《会津型染織TSUMUGI》
営業時間:10:00~17:00
定休日:月曜日・火曜日
※体験はHPから予約可(空きがあれば当日もOK)

会津型染織TSUMUGI
会津型染織TSUMUGI
福島テレビ
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