歴史的な円安に歯止めをかけるために日米が異例の協調介入を行いました。
フジテレビ経済部の高田圭太部長と見ていきます。
ポイントは「28年ぶり なぜ協調介入」「日米連携 円安歯止めは?」の2つです。
―― 日米による円買いの協調介入は28年ぶりということですが、なぜこのタイミングで異例の対応となったのでしょうか。
経済部・高田圭太部長:
まず異例の対応について、日本単独での為替介入はこれまでも適宜行われてきたんですが、日米の円買いの協調介入は28年ぶりです。28年前というと当時は橋本龍太郎政権や長野オリンピックで盛り上がっていたという大昔で、かなり久しぶりの決断です。
協調介入というのは、単独介入に比べて国際的にも強いメッセージになって効果も大きいです。ただ、国の利害が一致しないとできないというところで、条件が難しいためレアなんです。今回実現したのは、政府関係者によると、片山財務大臣とアメリカのベッセント財務長官の意思が一致し、そして日米の利害が一致したからだということです。
実際に3日、協調介入を発表し、そのあと「今後も介入はちゅうちょしない」と言った矢先にまた円高が急激に進んだわけで、これも介入だと断定できるとすれば相当強い意志を示した形といえます。
―― 協調介入を受け、円相場は155円台前半まで円高が進みました。これは効果は出ているとみていいのでしょうか。
経済部・高田圭太部長:
何回か戻ってはいるんですが、これだけ何回も繰り返したことで効果は出ているし、出さざるを得ない状況だといえます。
まず日本側としては今回、消費税がタイミングでありました。高市総理が消費税の減税を表明したことで、日本の財政とか円の信頼が損なわれるという懸念があった中で、それを完全に払拭するような市場の空気を作りたかったということで、結果を出さざるを得ない。
加えて、3日に三村財務官が「日米通貨同盟の完成形」という聞きなれない言葉を使いました。
これは“日米両政府で円ドルの相場を一定の範囲に固定しよう”という意味で、1980年代などに使われた言葉です。今回、同盟という言葉だったりベッセント財務長官が“国家安全保障”という言葉まで使っていて、強烈な意思の表れがでていて、今回効果を出さざるを得ないということの背景にうかがえます。
―― 続いて、日米による協調介入で円安そのものに歯止めがかかるのでしょうか?また今後、円安に戻ってしまう可能性はないですか?
経済部・高田圭太部長:
日本経済の意思としても、高市政権もここで政治的なことで円安は許さないという意思にしても、今後の介入への警戒感も、市場にできてきたということで、3日の水準を維持する力は一定程度生まれるとみられます。
ただし、これまでの円安の原因だった「日米の金利差」「日本の財政の不安」といった要因が解消されているわけではありません。なので、今後戻るかどうかは日米政府の腹の固め方でしたり、市場との神経戦の行方次第となりそうです。
―― 最後に、私たちの国民生活という視点ではどう見ればいいのでしょうか。
経済部・高田圭太部長:
まず円安が原因の物価高について、これも少しですけど歯止めにはなるかなというところと、夏休みに海外旅行に行く人にとっては、少し円高になったメリットがあると思います。
ただ、もし円高が今後大幅に進めば、日本の輸出でもうけている企業の業績に影響が出て、今後の賃上げなどにマイナスになる可能性もあるので、安定した状況ができるのか注視する必要がありそうです。
