変わる学校行事「修学旅行」どう実施する?
オンライン文化祭、ソーシャルディスタンス運動会など、学校行事が様変わりしている。
この記事の画像(31枚)「ココ調」が全国の小・中・高の53校にアンケートを行ったところ、ほとんどの学校で「修学旅行に変わるものを実施した(予定も含む)」(32校)もしくは「延期」(14校)という回答が得られた。
岐阜県の土岐市立土岐津小学校では、中止になった修学旅行の代わりに「思い出に残る行事を楽しみたい!」と、小学6年生たちが企画・運営をして「スポーツフェスティバル」を開催。
さらに、グラウンドで花火を打ち上げる学校まで!
今回の「ココ調」は、コロナ禍でもアイデアと工夫で思い出に残る、様々な修学旅行のかたちを取材した。
ユーチューバーさながら!先生が旅先から生配信
まず向かったのは、神奈川・小田原市の旭丘高等学校。
9月末に実施した修学旅行はどのようなものだったのか?
水野浩 理事長・学校長:
今年は私はじめ2人の教師が長崎に参りまして、いわゆるオンラインで旅行を行いました
これまで35年間、毎年9月に3泊4日で長崎へ平和学習に行っているというこちらの高校。
しかし、2020年は先生だけが現地へ。学校と生中継スタイルでのオンライン修学旅行を行った。
そのことを最初に聞いた生徒たちは…
2年 西村紗耶さん:
すごく楽しみにしていたから、先生だけ行くって聞いて「え~っ…」とはなりましたね
やはり生徒の本音は「実際に行きたい」!
そこで、先生たちは…
旅行委員担当 秋山将輝先生:
おはようございます!オンライン修学旅行2日目、長崎の爆心地公園からお届けいたします
先生自らリポーター、そしてカメラマンを担当。
行けなかった生徒の代わりに千羽鶴を奉納している様子など、少しでも興味を持ってもらえるようにテレビ中継さながらにリポートしていた。
カメラマンを担当した情報専門委員 佐藤英也先生:
見るんだったらここは見たいよなとか、ユーチューバーさながらに(やっていた)
リポーターを担当した旅行委員担当 秋山将輝先生:
現地に行かないと分からない状況もあったので、場面場面に応じて対応していくっていうところが大変だなと
そんな先生たちの努力のかいあってか、生中継が終わると生徒たちから大きな拍手が起こった。
2年 亀田碧さん:
先生の説明の仕方とか上手だった
2年 下村樹さん:
先生がテレビのリポーターみたいで、普段とは違った勉強の仕方ができた
2年 松田一也さん:
大人になったら(実際に)見に行きたいなと思いました
夜の学校で肝試し&脱出ゲーム
さらに、新潟県の上越市立板倉中学校では…
生徒:
夜の学校で肝試しと脱出ゲームをやりました
毎年、2泊3日で京都・奈良に行っていたという修学旅行の代わりに実施したのが、肝試しと脱出ゲーム。
この企画、一体誰が考えたのか?
大谷杏子さん:
お金をかけないで自分たちの手でやりたいと思って。夜の学校って思い出に残ると思ったので(肝試しを)提案しました
生徒自らが発案し、3週間かけて放課後や休み時間を使って準備。先生や保護者が安全面をサポートして実現したという。
小林夏寧さん:
すごく怖かったです
廣瀬清彦先生:
ずっと悲鳴が上がりっぱなしでした
生徒の思いを受け止め、許可を出した校長先生は…
藤田賢一郎校長:
修学旅行が中止になっても(コロナに)屈したことにはならないけれども、生徒たちが「私たちは修学旅行に行けなかった残念な学年だ」と思ったら屈したことになる。(生徒たちは)屈しなかったと思っています
夜間の水族館を貸し切り イルカショーも
一方、修学旅行生を受け入れる施設にも様々な工夫があった。
福井県坂井市にある越前松島水族館では…
鈴木隆史館長:
一般のお客さまがお帰りになった閉館後に、夜間貸切営業というのを行っておりまして
閉館後の誰もいない水族館を2時間貸し切れるプラン!
これが今、修学旅行で人気となっていて、9月以降、20の学校から予約が入っているという。(1日1団体のみ、税込み10万円)
取材した日も修学旅行のバスが着いたのは、閉館後の午後5時。地元・福井の小学生と先生、わずか26人での貸し切り営業だ。その人気の理由は?
越前市岡本小学校 6年担任 山本佳那先生:
いつもだったら関西方面に行く形だったんですけど、やはり密にならない、安心して楽しめることが一番だったのと、水族館を貸切するっていうのが、すごく夢みたいだな、ワクワクするなって
さらに、普段は見られない水族館の裏側が見学できたり…
夜間ならではの、ライトアップされた特別なイルカショーも特等席で独占できる(※オプション別料金)。
生徒A:
デカッ!
生徒B:
こんなに間近で見れないよ
生徒C:
わぁ、カワイイ~!
生徒D:
逆に県内ってなかなか行かなかったので、地元の楽しさを知れて楽しいです
飼育員に接客も 地元の遊園地で職業体験
一方、栃木県にある那須ハイランドパークにも地元の中学生たちが訪れていたのだが…
横山ルリカ リポーター:
修学旅行で遊びに来たのかと思いきや、動物の小屋のお掃除を始めましたよ
横山ルリカ リポーター:
こちらアトラクションの入口ですが、入口の方にも修学旅行の生徒のみなさんがいらっしゃって、接客をしていますね
なぜか遊ばずに、園内の色々なところで働いている修学旅行生たち。
これは一体?
那須ハイランドパーク パーク事業部 相河友二さん:
今年7月から始めている新旅行プランで、「体験型研修旅行」という1日で職業体験と遊びを両方味わえるプランとなっております
この日、職業体験をしていた那須塩原市立黒磯北中学校は例年、2泊3日で京都・奈良を訪れていたが、2020年は学校から約20分のテーマパークで日帰りに変更。
こちらを選んだ理由は?
3年主任 渋井博之先生:
入学した時から、コミュニケーション力の向上という感じで指導してきた内容なので、地元ということと、キャリア学習の1つがここでやらせてもらえるということで、ありがたかったですね
実際に職業体験をした生徒たちに話を聞くと…
生徒A:
今、コロナっていう状況ですけど、人と関わることができて、いい体験ができたと思います
生徒B:
やっぱり「ありがとう」とか言われると、とても嬉しくなったりして。しっかり言葉を伝えてあげたいなって感じました
その生徒たちの接客を受けた一般のお客さんはというと?
男性客A:
快く丁寧に対応してもらったので全然、最初は違和感なかった
男性客B:
お客さん側としては、普通の飼育員さんだと思って、安心して子供を任せられる感じがしましたね
先生と保護者から生徒たちへサプライズ
そして午後5時。職業体験が終わり、学校へ戻ると…
横山ルリカ リポーター:
すごーい!火が今、こちらに向かってきています!
生徒たちを待っていたのは、校庭でのキャンプファイヤー。
3学年 部会長 小貫奈都示さん:
普通の行事とかも今年はだいぶ中止になってしまったり、短縮になってしまったので、子供たちにちょっとサプライズもしたかった
修学旅行へ行けなかった子供たちへ、保護者からのサプライズプレゼントだった。
さらに…
横山ルリカ リポーター:
なになに!? わぁ~学校の校庭で打ち上げ花火が上がってますよ!大きい!
学校の校庭で花火を打ち上げるという、超ビッグサプライズ付き。
生徒たち:
うわ~めっちゃキレイ!ヤバい!
生徒C:地域の方々と先生に感謝しかないなと思いました
生徒D:
例年通りじゃない修学旅行っていうのは、僕もみんなにとっても逆に一生忘れられないような思い出になったんじゃないかなと思います
花火師を呼んでのサプライズ。生徒たちだけでなく保護者も先生も感動した様子だった。
(「めざましテレビ」『ココ調』11月17日放送分より)
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