広島県内の中山間地を巡り、地域の魅力を探す“アポなし旅”。今回訪れた世羅町小国で辰已麗アナウンサーが出会ったのは、ヤギを育てる農家だった。コメづくりと畜産を組み合わせ、里山の農業に新たな可能性を見出している。

雨の日に出会ったヤギの群れ

世羅町小国の田園地帯を歩く辰已アナウンサー。出会ったのは、人ではなくヤギだった。
「あら~、ヤギ!かわいい」
雨のため、この日はヤギたちも囲いの中でのんびりと草を食べていた。その奥の民家から姿を見せたのは、農家の重丸孝礼さん(70)。
「突然すみません。近くへ行ってもいいですか?」

農家の重丸孝礼さんと出会った辰已麗アナウンサー
農家の重丸孝礼さんと出会った辰已麗アナウンサー
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突然の訪問にも、重丸さんは快く迎えてくれた。話を聞くと、一家でコメづくりと畜産を営んでいるという。
「牧場と言えるほどの規模じゃないから…」
そう話しながら、普段は公開していないヤギ舎へ案内してくれた。

ヤギ舎にはメスのヤギが16頭
ヤギ舎にはメスのヤギが16頭

中には16頭のメスのヤギがいた。本来なら山へ放牧されるが、この日はあいにくの雨。
「雨だから山にも行きたがらないし、呼び戻すのも大変だから」
毎朝、乳を搾って山へ放し、夕方になると呼び戻す。それが重丸さん一家の日課だという。

手搾りミルクで作るヤギチーズ

この「やぎ丸農場」では、手搾りしたヤギの乳でチーズを作っている。

ヤギのミルクでチーズなどの加工品を製造
ヤギのミルクでチーズなどの加工品を製造

看板商品の「セラ・シェーブル」は代表的なヤギのチーズ。パッケージに描かれたヤギのイラストも愛らしく、ほのぼのとした里山の雰囲気を感じさせる。

濃厚な味わいのヤギチーズ「セラ・シェーブル」
濃厚な味わいのヤギチーズ「セラ・シェーブル」

「口いっぱいにヤギが広がると思います。最初は少しだけ食べてみてください」
重丸さんに勧められ、辰已アナウンサーがひと口。
「ん~!濃い!おいしい!」
「牛のチーズにはないような食感だと思います。軽く酸味もあります。これにキュッとワインやビールを…」

ヤギの乳を手搾りする息子の重丸雅紀さん
ヤギの乳を手搾りする息子の重丸雅紀さん

このチーズを作っているのが息子の雅紀さん(43)だ。大学卒業後、一度は別の仕事に就いたものの、「やっぱり農業がしたい」と北海道で酪農を学んだ。
その後、地元へ戻ってヤギを飼い始め、毎日の搾乳を担当。ヤギのミルクでチーズなどの加工品を製造販売する今のスタイルを確立させた。

「コメだけじゃ難しい」里山の挑戦

もともとはコメ農家だった重丸さん。息子から「チーズを作りたい」と聞いたときの思いを話してくれた。

ヤギチーズ作りへの思いを語る重丸孝礼さん
ヤギチーズ作りへの思いを語る重丸孝礼さん

「希望というか、なんか面白そうだなと。中山間地域のこれからのことを考えると、なかなかコメだけじゃ難しいなというのもあるし」
コメづくりと畜産を組み合わせた農業が、これからの地域農業の一つの道しるべになれば――。そんな思いで新たな挑戦を続けている。

広島県世羅町小国にある「やぎ丸農場」と周辺の里山
広島県世羅町小国にある「やぎ丸農場」と周辺の里山

「もう少し若い人が農業の分野に入ってくれたら、地区も楽しくなるかなと思いますけど」
辰已アナウンサーが「小国では息子さんが第一人者ですね」と話すと、重丸さんは照れくさそうに笑った。
「そう思ってもらえたらいいんですけど…。ただの変わり者かもしれません」

偶然の出会いから始まったヤギ農場への訪問。親子が選んだ新しい農業の形には、里山の未来につながるヒントが詰まっていた。

(テレビ新広島)

テレビ新広島
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