夏のスタミナ食の定番、ウナギ。『土用の丑の日』を翌日に控えた福岡市内のウナギ専門店では食欲をそそる美味しそうな匂いが店内に充満し、スーパーの売り場には、かば焼きなどのウナギ商品がところ狭しと並んでいた。気になるその価格なのだが―。
前年よりも安く手頃な価格に
じっくり香ばしく焼かれ、たっぷりの甘辛いタレが食欲をそそるウナギ。夏の定番のスタミナ食だ。

福岡市中央区にあるウナギ専門店『うなぎ仁』。鹿児島県産のウナギに、甘さを抑えた継ぎ足しのタレが自慢だ。

2026年は、土用の丑の日が週末と重なることから、例年以上の集客と売り上げに期待を寄せていた。「今年は『土用の丑の日』が日曜日なので、1000食分くらいドカンと出るのかなと…」(『うなぎ仁』清水康仁・店主)。

一方、ウナギの卸会社『福岡淡水』(福岡・新宮町)では、1年で最も消費量が増える『土用の丑の日』を前に出荷のピークを迎えていた

『福岡淡水』で取り扱う国産ウナギは、鹿児島県から仕入れている。流水に浸して“臭み”や“泥”を抜き、九州北部や中国地方の魚市場や飲食店などに出荷。この日だけで約2トンのウナギが送り出された。

最近の流通事情についてこの道50年以上の堺徳昭・社長に話を聞くと「稚魚が獲れて、獲れて。日本だけじゃない台湾も中国も…、ウナギ、ウナギになっている。こんなことはないですよ」と驚きの表情で話していた。

稚魚のシラスウナギが豊漁に
一般的にウナギは、漁で獲れた稚魚のシラスウナギを半年から1年ほどかけて養殖し、出荷される。

水産庁によるとシラスウナギの漁獲量は、昨シーズン18トンとその前年に比べて約11トン増え、ここ10年で最も豊漁だった2020年を超えているという。

シラスウナギが豊漁だったことから価格は、直近2年で下落傾向となっているのだ。

昨シーズンの稚魚が成長して、まさに市場に出回っている2026年は、いわゆる“当たり年”。取引価格は、1キロ当たり130万円と前年の約半分になっている。

土用の丑の日を前に普段の約10倍を仕入れ
稚魚の価格が下がったことで、スーパーのウナギ商品の価格にも変化が表れていた。『イオン九州』の水産担当・上野悠二郎さんは「去年に比べて価格が値下がりしている。国産は約1割、中国産は3~4割安い価格で販売している」と話す。

『イオン香椎浜店』では、自社ブランドの鹿児島産かば焼きが2025年より200円ほど安い2354円で販売。

うな重が同じく300円ほど安い1274円で販売するなど、殆どのウナギ商品を値下げしていた。

例年は少量の入荷だが、価格が下がった2026年は、より需要が高まると見込み、いつもより多い約10倍の量を仕入れたという。

「土用の日でしょ。ウナギを食べたいなと思って。スタミナとかは、この歳だから余り考えないけど、やっぱり食べたいと思う。不思議だね」(70代・男性客)。

「家で手軽に食べられればいいかなって。季節感はありますね。元気が出そうな気がします」(70代・女性客)。

庶民にとっては“高嶺の花”でもある高級食材、ウナギ。物価高騰が続くなか、ウナギの“当たり年”の2026年、スタミナをつけて猛暑の夏を乗り切りたい。
(テレビ西日本)

