値上げラッシュが続く中、コンビニが相次いで“値下げ商品”を発売。『具なしラーメン』に『のりなしおにぎり』と、従来あったものを省いて価格を下げている。
筆者も早速、買いに行った。おにぎりの棚に「のりなし」と「のり付き」。同じ具材でも「のりなし」が30~50円、2割程安い。『具なしラーメン』も、ローソンのオリジナル冷凍麺類の平均より2割以上安いという。
「これらの商品は、両方とも入口は“節約”ですが、その先の考え方は真逆です」
と分析するのは、コンビニ業界に精通する流通アナリストの渡辺広明氏。詳しく聞いた。
うまさ追求の“引き算ラーメン”
【流通アナリスト 渡辺広明氏】
『具なしラーメン』と『のりなしおにぎり』は、どちらも根底には“節約”があります。
ですが、ラーメンは“おいしさ”を、おにぎりは“安さ”を追求した結果、それぞれ具をなくしたり、のりを取ったりしたのではないでしょうか。
ローソンの『具なしラーメン』は、「高品質なカップラーメンをお手頃価格で食べたい」というお客さまの声を受けて開発した「スープ激うま!」シリーズから生まれた冷凍麺です。
コンビニの冷凍やチルドのラーメンは、「麺」や「スープ」「タレ」などにとことんこだわり、人気ラーメン店と比べても遜色ないクオリティに達しています。
しかし、チャーシューなどの具材はお店と比べるとどうしても一歩劣ると感じている方も多いのではないでしょうか。
もちろん商品によりますが、保存性を高める加工などがされるため、致し方ないことだと思います。
そういう事情を逆手にとって、
「こだわり抜いた麺とスープのみを低価格で販売します。具材はお好きなものをカスタマイズして自分流の最高においしいラーメンを召し上がってください」
というのが、『具なしラーメン』のコンセプトとしてあるように思います。
選択肢を増やす“あえてシンプルおにぎり”
今、コンビニのおにぎりは各社とも「高級」から「お手頃」まで多くのラインナップがあります。
厳選した米とのりに、いくらや黒毛和牛など高級食材を具とした300円を超えるものから、混ぜご飯を握った100円台前半で買える「のりなし」まで、実にたくさんの種類が棚に並んでいます。
新たに発売された『のりなしおにぎり』は「お米本来のおいしさをダイレクトに味わっていただく」をコンセプトに、お米の食感や香り、甘みにこだわる一方、価格上昇が続くのりを外し、またパッケージの簡素化でもコストを抑え、同じ具材の『手巻きおにぎり(のりあり)』より2割ほど安い価格を実現しました。
つまり、「こだわりのお米を使いつつ、安さを追求した商品」ということです。
「のりが好きな方は『手巻きおにぎり』を、安さを優先したい方は『のりなしおにぎり』を選んで下さい。高級具材もありますよ。混ぜご飯もありますよ。どうぞお好きなものを食べ分けて下さい」ということだと思います。
止まらない物価高、「新たな価値」を探るコンビニ
今、コンビニのおにぎりは「のりなし」が急増、全体の2~3割程度を占めています。
背景には、2022年ごろから続く“のりの記録的不作”による価格上昇があります。加えて昨今の米の高騰や、物価高で節約志向という消費者の強いニーズもあります。
コンビニにとっておにぎりは主力商品です。当然、開発には力が入ります。
もち麦など米より安価でヘルシーな食材を混ぜたおにぎりや、サイズを大きくしてお得感を打ち出したもの、そして今回の「従来品と同じ具材ののりなしおにぎり」など、各社とも試行錯誤している状況だと思います。
今後どのような商品が発売されるのか。もしかしたら米価格が落ち着いて、のりを付けた低価格商品が出せるかもしれません。
今までにない切り口の商品が出てくるかもしれません。期待したいと思います。
(流通アナリスト 渡辺広明氏)
取材: 高知さんさんテレビ

