東日本大震災で傷ついた心を救ってくれたのは、幼い頃に食べた一枚のクレープでした。石巻市出身の女性が今、宮城の味を世界へ届けようと奮闘しています。
今年、挑戦するのは、ほほえみの国・タイでの新店舗オープン!宮城名物「ずんだ」に込めた思いを取材しました。

タイの首都バンコクのショッピングモールで開かれたのは…。

記者リポート
「日本からおよそ5000キロ、タイ・バンコクで東北の魅力を伝えるイベントが始まり、多くの人でにぎわっています」

仙台牛に、牛たん!目移りする東北の味覚がずらりと並ぶ中…。ひときわ人気を集めていたのが、宮城名物「ずんだ」を使ったクレープです!

タイ人購入客
「甘じょっぱくて生クリームとの相性も抜群でおいしい」
「甘すぎずコクがあって何個でも食べられそうです」

お客さんも大絶賛!バンコク支局のスタッフも食べてみると…?

バンコク支局プロデューサー
「タイの人はすごく甘いのが好きなんですが、ちょっとしょっぱさもあって、優しい甘さで初めてです!」

遠藤桃華さん
「ずんだクレープで~す」

オーナーは、石巻市出身の遠藤桃華さん、27歳。東日本大震災で自宅が被災し、いとこ3人を津波で亡くしました。

幼い頃から大のクレープ好きで、笑顔の絶えなかった遠藤さん。しかし、震災後、仙台に引っ越しを余儀なくされ、ふさぎ込む日々を送っていました。

遠藤桃華さん
「けっこうネガティブな気持ちで過ごしてたんですけど、大好きなクレープ屋さんが家の近くにたくさんあって、仙台に来てよかったって初めて思って」

落ち込む自分を勇気づけてくれた大好きなクレープ。今度は自分が「作る側」になって、誰かを笑顔にしたい。

遠藤桃華さん
「自分がクレープを食べて中学生の時に元気をもらったように、自分も好きなクレープでいろんな人を笑顔にしていきたいなと思って…」

修業を重ねた遠藤さんは、大阪で「クレープえんどう」を開業。現在は3店舗を展開し、去年、初めて海外に進出しました。
生地に使う塩や小麦粉は、ふるさと・宮城県産。今回のイベントでも、用意したおよそ300個が2日間で完売する大盛況となりました。

そしてこの秋、遠藤さんは海外2店舗目をオープンさせます。舞台はバンコク中心部のアソーク地区。オフィスやマンションが立ち並び、多くの人が行き交う激戦区です。

遠藤桃華さん
「本当にすごく活気があって、すごくわくわくします。みんなお客さんも優しくて、すごく親切で、どんどんおいしいクレープを広めていきたいなという気持ちで意気込んでいます」

こちらが出店予定の物件。かつてコーヒーショップだった建物をリノベーションします。大型ショッピングモールではなく、あえて地域に根ざした路面店を選んだ遠藤さん。デリバリー需要の取り込みも狙います。

遠藤桃華さん
「もうワクワクしかないです。ここで自分たちがクレープを焼いて、お客さんに渡しているところまでイメージできています」

海外進出の目的は、店を増やすことだけではありません。

遠藤桃華さん
「宮城のおいしい食材を知っていただいて、『ZUNDA』という言葉がどんどん広がっていけたらいいなと思います」

震災で傷ついた少女を包み込んだ、あたたかいクレープ。宮城で生まれたおいしさは今、海を渡り、バンコクの街に新たな笑顔を咲かせようとしています。

FNNバンコク支局にいる仙台放送の記者によりますと、タイの屋台で売られているクレープがこちらです。辛いチリペーストを塗っています。激辛から甘辛い食事系、さらにはカラフルなゼリーまで、日本とはかなり異なる独自の進化を遂げているそうなんです。
だからこそ、生クリームと「ずんだ」を合わせた日本スタイルのクレープは、タイではとっても新鮮!タイの人たちにこれからどう受け入れられていくのか、注目ですね。

バンコクでのオープンは今年10月ごろを予定しています。

仙台放送
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